第四章 店員は語る?-1-
…また遅れちゃいました(^-^;。ごめんなさい、昨日は帰宅が遅かったもので…。2話更新しまーす(汗)
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秀一がドラッグストアを出た頃、厳はついさっき届いたばかりの封書を手にして考え込んでいた。
「…妙ですね……」
むろん、ふつうの封書であるならば考え込む必要はない。だが、厳がいま手にしている郵便物の差出人の名前には見覚えがないのである。
はじめ、中小企業のダイレクトメールかとも思ったが、それにしては差出人の名に肩書きが添えられていない。
「高林……?覚えがありませんね」
(『霧雨』の一員だったら通信機能で済む……霧雨ではありませんね)
霧雨の組織は大きすぎて全員の名前を把握することはできないのだが、通信機能を使った方がより安全にやりとりできるため、このように郵便物で送る組織員はいない。
厳は流麗な仕草で封筒を裏返した。
裏返した側にある宛名は、間違いなく厳の名前である。
「なぜ…私なのでしょうか」
厳は眉をひそめた。バイト先関係では考えられないこともなかったが、厳は青嵐に比べれば世間であまり目立つ存在ではない。送られてくるなら青嵐の名前であってしかるべきなのだ。
しかし、このまま封筒を睨んでいても埒があかないので、気が進まないながらも封筒を開けてみることにする。
厳はペンスタンドに立ててある銀製のペーパーナイフで封を切った。
(青嵐も…純銀なんて悪趣味な)
半ば青嵐に不平を漏らしながら封筒を逆さにすると、見たところでは何の変哲もない一枚の便箋が出現する。
カミソリの刃や、人間の毛髪を送りつけてきたのではないところを見ると、少なくとも厳に害を抱いているわけではなさそうであった。
「……手紙?」
厳は三つ折りにされた紙を開く。
「……!」
途端、厳は視線を手紙から離せなくなった。
「……これは…!!」