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第三章 三度あることは四度ある-4-

 今日もまたまた遅れてしまい、またまた申し訳ありません<(_ _)>……今日中にもう一話更新させていただきます(^-^;

-4-

しん?」

「あれ?秀一じゃねえか!!」

 店主の息子であった。彼は駅近くの私立高校に通っていた。ペットボトルを手にしているところを見ると、自販機にでも行っていたのかもしれない。

「今日はどうしたんだ?」

「粉末の風邪薬を買いに。だけど親父さんに聞いたらないらしくてさ」

「そっか…まあ入れよ」


 秀一は蓁に連れられてもう一度店の中に入る。

「ただいま」

「もう一度お邪魔します」 若干気まずかったが、一応もう一度挨拶をした。

「おお…蓁か」

店主は納得したようにひとり頷く。

「おい、早いじゃないか」

「ただのジョギングだからな…それよりも、粉薬、なかったと言われたって秀一が言ってたぞ」

「悪いね……」

 店主が秀一の方を見て苦笑する。

 それを見ながら息子は『風邪薬』と書いてある棚へ向かうと、勝手に商品を移動し始めた。


「蓁…!何してるんだ!」

「ん?親父こそ何言ってるんだよ。散剤タイプならこの奥だろ?…かなり前に並べてたじゃねーか」

 蓁は前の列の商品を撤去する作業を続けた。


 しばらくすると、その棚の奥から退かした箱と似たデザインのものが姿を現した。

「ほらな?だから縦二列に並べとけって言っただろ。聞かないからこれなんだよ」

「ははは」

 息子の蓁に指摘されると、店主は困ったように笑って自分の失態をごまかす。


「秀一」

「?」

「ほら、これ。」

蓁は秀一に薬を手渡す。

「おぉっ。どーも」

秀一は受け取った。


「懐かしい薬だな」

 蓁はもう一箱手にとって何気なく表示を眺めた。子供の頃は熱を出してよく寝込んだものである。


 ある日、幼い蓁はまた熱を出した。

 その日は母親が出張で病院に行くことが出来なかったため、その当時からこのドラッグストアを経営していた父親に薬を飲まされたのだが、そのときの薬がこの薬だったのである。

 …子供用の薬が切れていたため、苦い思いをしたのだ。


 いろいろと思い出しているうちに、蓁はあることに気づいた。


「……!」


 そしてその表示に目を見張る。

「これは……!!」

「どうした…?」

秀一は不安げに声をかけた。

「ああ…あることに気づいてしまった」

「?」

「親父…これ、使用期限、あと四日なんだけど」

「……」

「……」


 しばし沈黙が流れた。


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