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第二章 働かざる者、食うべからず-6-

 昨日は更新できずにすみません…。…………言い訳をさせていただくと携帯がMIA(「行方不明」の一種)でしてっ……!!─それでは本編参ります(`_´)ゞ

-6-

 「秀一君!!」

 厳が叫ぶ。


「逃げて下さい!!」

いわれなくてもそうしていた秀一は若干拍子抜けしたが、一拍間をおいて返事をする。


「はい!逃げてます…!!」

「いえっ……!!そういうことではなく、まだ玄狗を撃つなと言っているんです」「!?」


 話している間もなく、触手は執拗に三人をねらってきた。それをバックステップでかわし、秀一は尋ねた。

「まだですか…!!」

「まだまだです!合図をしたら、撃って下さい!!」


「……!!」

 いつかのように、触手が前方に回り込んできた。


 今度は秀一はその下をくぐり抜けてそれをかわし、体勢を立て直して横に跳ぶ。

 そして、触手との距離をとろうとした。


…ところが、この日は足場が悪かった。つまり、薄く積もった雪で見えなかったのだが、その下に氷が張っていたのである。


 秀一は足を滑らせた。

「!?」

秀一は、せっかく立て直した体勢を崩してしまった。「…!!」

 勢いよく地面が近付いててきた。


 だが、その寸前に秀一の身体が宙に浮く。

「…?」

とりあえず地面にファーストキスを奪われるのは免れた。


 ─しかし。代わりに最悪の事態に直面してしまった。

「うわっ…!!」

 秀一は偶然引っかかった触手の一本に宙吊りにされてしまったのである。 玄狗はそれを好都合ととったのか、ほかの触手を一斉に秀一に向けた。


「くっ…」

 引っかかった触手を外そうとしたが、鋭い触手の先がコートに食い込んでいて外れない。

 いっそコートを脱いでしまおうとして、襟に手を掛けたとき。



 …触手が、動き始めた。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

 触手は徐々に加速してゆく。それはあと半瞬で秀一の身体に触れるかと思われた。


 ─タンッ…タン……!!刹那、秀一の叫び声をかき消すように二発の銃声が響いた。


 それとともに、玄狗は怯んだように触手を前進させるのを止める。

 少しして、玄狗は触手を無秩序に振り回し始めた。

「!?」

 その反動で触手から電信柱の方へはね飛ばされる。

 秀一は激突する前に電柱を蹴って着地した。着地する時に再度滑ってアスファルトに後頭部をぶつけたが、何とか助かったようである。


「大丈夫ですか!?」

 厳が声をかけてくる。青嵐はまだ銃を構えていた。どうやら発砲したのは青嵐であるようだ。

「はい…なんとか、生きています」

 秀一は切れ切れに返事をした。さっきの激しい運動で若干息が上がっていた。


 その間にも、玄狗ののたうち回り方は度を増している。

「厳!!もういいよ!!」

青嵐が厳に合図を送った。「はい」


 厳が銃を構え、玄狗の死角に入って撃った。

 銃声が三発。すべて触手の間接部に命中する。


「ちょっと下がってようか」

「…はい」

 秀一は青嵐に従って数歩後退した。厳は下手なダンスを踊っている触手を避けながら、慎重に玄狗の様子を観察した。


 やがて、玄狗の動きがだんだん鈍くなってゆく。


 厳はそれを確認すると素早く、黒い塊から離れ、秀一を呼んだ。

「秀一君、出番です」

 玄狗は半数の触手をだらりと下げ、あと半数の触手を力なく振り回していた。


 それを払いのけながら、厳は秀一を触手の中心部へと引っ張って行く。すべての触手を払いのけると、黒い四本の柱が出現した。 その上に巨大な黒い塊が乗っている。

 柱のような物は、見たところ玄狗の足であるようだ。


 厳は秀一をその下に連れて行き、足を止めた。

「ここがこの魔物の本体の口です」

 言われたとおり、見上げると頭上に巨大な穴が開いていた。大人一人、ゆうに飲み込むことができるだろう。


「あれへ向かって、撃って下さい」

「……」

 秀一は撃鉄を起こすと、玄狗の口に銃口を向けた。そして、引き金を引く。

 思ったよりも軽い音が鳴り響き、思ったよりも重い衝撃が腕を直撃した。


「つう…!!」

 秀一は顔をしかめてもう一発撃つと、厳と共にその場を離れた。

「崩れますよ。行きましょう」


 …そして二人が完全に巨体から離れると、玄狗は以前と同じ不快音を立て、崩れていったのであった。


 作者はもう二度と携帯をなくさないと誓ったのでした。(つづく)…というわけで明日もよろしくお願いします!!<(_ _)>

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