772 しゃべっちゃダメなら初めから知らない方がいいよね
あけましておめでとうございます。
今年も引き続き楽しんでもらえたら幸いです。
クリームお姉さんがロルフさんたちから石鹸ポーションを貰えることになってニッコリしたでしょ。
それを見たバーリマンさんちの料理長のモーガンさんが、僕たちに向かってこう言ったんだ。
「さて、お話はすみましたかな?」
「ええ、終わったわよ」
だからバーリマンさんがそう答えると、今度はロルフさんちの料理長のノートンさんがにっこりしながらこう言ったんだ。
「皆さんがお話している間に、別のお料理ができあがっております。お出ししますか?」
「うん! 食べる!」
僕がそう答えると、モーガンさんとノートンさんはにっこり。
「しかし、いつの間に作っておったのじゃ?」
「旦那様が他言無用と仰ったので、それ以降は聞かない方がいいと判断してモーガンと二人料理に集中しておりました」
ノートンさんたち、ロルフさんが僕やキャリーナ姉ちゃんが治癒魔法を使えることはしゃべっちゃダメだよって言われたらすぐにお話を聞くのをやめちゃったみたい。
その後僕たちはお肌や髪の毛のポーションのお話をしてたけど、二人はその間に新しいお料理を作ってたんだってさ。
「エリィライスは何に使うか解らなかったので、他に作れるものをいくつかご用意しました」
そう言って出てきたのはね、厚めのステーキに油で煮たにんにくスライスをのっけたやつ。
もう一口で食べられるくらいに切ってあるのをお皿にのっけて、みんなに出してくれたんだ。
「いつもならば最初ににんにくを油で温めてからそこでステーキを焼きますが、今回はにんにくを漬けた油を使って焼いております」
そう言われて渡されたステーキ肉を、ロルフさんが最初にパクリ。
「ふむ。いつも出されているものより肉そのものから香るにんにくは少し弱いが、このカリカリになったスライスが香りと食感を加えてくれるおかげでよくまとまっておるな」
「はい。刻んだにんにくが入っていない分強烈な香りはしませんが、代わりに肉や脂の香りが際立つように感じますね」
続いて食べたバーリマンさんがにっこりしながらそう言ったもんだから、僕たちもそのお肉を食べたんだよ。
そしたらお肉のおいしい味がお口いっぱいに広がって、僕、とっても幸せな気分になったんだ。
「次はこちらです」
そう言って出てきたのは、白い身のお魚をこんがりきつね色に焼いたもの。
「白身魚をただ焼いただけとは……うまいのか?」
「こちらもにんにくで調理いたしましたので、一度試して頂けたらと」
イーノックカウは近くにおっきな川が流れてるからお魚はそんなに珍しく無いんだよ。
でも川のお魚はちょっと泥の味がするからお金持ちの家ではただ焼いただけのやつはあんまり出てこないみたいで、ロルフさんはちょっとびっくりしたみたい。
それでもノートンさんがおいしくできたからと言ったもんだから、今度も真っ先にパクって食べたんだ。
「なるほど。こちらには油漬けのにんにくをつぶしてすり込んでから焼いたのじゃな。それにこの香りは……バターか!」
「はい。そのふたつの相乗効果で泥臭さも気にならない仕上がりになりました」
にんにくもバターも、とってもいいにおいがするでしょ。
それにどっちも強いにおいだから、川のお魚からするちょびっとの泥のにおいも消しちゃうみたい。
だからただ焼いただけなのに、白い身のお魚はとってもおいしくなったんだって。
「じゃあ、僕も食べてみるね」
そう言ってパクって食べると、お魚のいいにおいとにんにくやバターのいいにおいだけがお口の中に広がって僕はにっこり。
それにお隣で食べてたキャリーナ姉ちゃんも、このお魚を食べておいしいって思ったみたい。
「ルディーン。このお魚、おいしいね」
「ねぇー」
だから二人でニコニコしながら頭を少しだけこてんって倒して、ねーってやったんだ。
読んで頂いてありがとうございます。
新年一発目なのに短くてすみません
というのも実はうちの父が倒れまして、一度は何とか座れるところまでは回復したのですが、今度はインフルエンザによる肺炎を併発。
緊急入院することになってしまったので、すでにこの先あと500文字ほど書いてあるのですがその対応に追われたため最後まで仕上げる余裕がなくて切りのいいここで切らせてもらいました。
またこれからは仕事や家のことだけじゃなく、病院にお見舞いや着替えを持って行ったりしないといけないので今の週3回(転生0を2回、魔王信者に顕現させられましたを1回)更新は流石に難しいです。
なので申し訳ありませんが、これからは月曜日に転生0を、水曜日に魔王信者に顕現させられましたを各1回ずつ更新することになりました。
このような事情ですので、よろしくお願いします。




