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621 お顔を作るのにはいろんな形がいるんだよ

「それでは、わたくしは仕事に戻ります」


 もうはさみの確認は終わったからって、ストールさんはお仕事をするために帰ってったんだよ。


 なのにルルモアさんは、まだいるんだよね。


「ルルモアさんはお仕事しなくてもいいの?」


「ええ。出てくるときに代わりの人に頼んできたし、何より午後からギルドの受付に来るのは、ほとんどが依頼達成報告だからね」


 冒険者ギルドの受付の人って、誰が何をするのか決まってるんだって。


 ルルモアさんは依頼の報告を受ける係じゃないから、この時間は暇なんだよって教えてくれたんだ。


 そっか。だから僕たちが行くと、いっつもすぐに相手してくれるんだね。


 ルルモアさんが帰らない理由も解ったし、お兄ちゃんたちも帰って来たからいよいよぬいぐるみ作り。


 僕は板に書いた型紙通りに、端切れで作った布をはさみでチョキチョキ切っていったんだ。


「へぇ、いろんな形の布がいるんですね」


「うん。これくらい使わないと、ブラックボアのお顔にはならないんだよ」


 僕は切った布をテーブルに並べて、こんな風にくっつけるとお顔になるんだよって見せてあげたんだ。


 そしたらそれを見たルルモアさんは、ちょっと感心したお顔に。


「なるほど。確かに顔っぽく見えるわね。それで、目はどうするの? キャリーナちゃんが持っているぬいぐるみにはついてるみたいだけど」


「あっ、わすれてた!」


 ルルモアさんに言われて思い出したけど、そう言えばぬいぐるみって石で作らないとダメなとこがあったっけ。


 今作ってるのはブラックボアだからお鼻は布で作るけど、目は石だもん。


「僕、お外で石をひろってくる」


「待って。ルディーンはぬいぐるみを作らなきゃダメでしょ。私がひろってくるよ」


 だから慌ててお外に出てこうとしたんだけど、そしたらキャリーナ姉ちゃんがひろって来てくれるって言ったんだよ。


 そしたらさ、それを聞いたアマリアさんが私も行くって言いだしたんだ。


「今から作るぬいぐるみの目って、ひろってきた石の色で決まるんでしょ? それなら私も自分の好きな色を選びたいからいっしょに行く」


 石の色で目の色は変わるもん。


 端切れを選んで好きな色のぬいぐるみが作れるんだから、目も自分の好きな色にしたくなるのも解るよね。


「それなら俺も行くよ」


 でもそれを聞いたディック兄ちゃんがこんなこと言いだしたもんだから、僕はすっごくびっくりしたんだ。


「ええっ! ディック兄ちゃんもぬいぐるみ、欲しいの?」


「違う違う。ぬいぐるみの目にするのなら、人数分いるんだろ? それなら二人だけじゃひろうのも大変じゃないか」


「そっか。僕、間違えちゃった」


 お姉ちゃんたちやニコラさんたち、それにルルモアさんのも作るんだから目の石はいっぱいいるもんね。


 二人だけじゃ大変だから、ディック兄ちゃんが一緒に行ってくれたらいいかも。


「ディック兄ちゃん。みんなが選べるように、いろんな石、ひろって来てね」


「おう、まかせろ」


 ディック兄ちゃんがそう言ってドンって胸を叩いたから、石のことはお任せ。


 3人がお部屋を出てったのを見送ってから、僕はまた布をチョキチョキするお仕事に戻ったんだ。


 でもね、今度はそれを見てたニコラさんがこんなこと言いだしたんだよ。


「ねぇ、ルディーン君。これって、この板に書かれている通りに切ればいいのよね?」


「うん、そうだよ」


「ならそれは私がやるから、ルディーン君は切った布をくっつけて行ってくれないかな?」


 ニコラさんは僕がやってるのを見て、布を切るくらいなら自分でもできるんじゃないかなって思ったみたい。


 でもクリエイト魔法は僕しか使えないでしょ。 


 だから切るのは自分に任せて、僕は布をくっつけてって。


「僕が切ってたら、ぬいぐるみができあがらないもんね。じゃあニコラさん、これおねがい」


「ええ。わかったわ」


 僕がはさみをわたすとね、ニコラさんは型が書かれた板を見ながら器用にチョキチョキしていったんだ。


 読んで頂いてありがとうございます。


 短い上に中途半端なところで終わってすみません。


 実は木曜日の夜8時ごろから急に頭痛がしはじめまして。


 先日から右上の奥歯が浮いていたのですが、どうやら夕食を食べたことで痛み出したようです。


 食べる前まで書いていたのでプロット自体は最後までできあがっているのですが、頭痛がしている状況では続きを書く事ができません。


 申し訳ありませんが、今回はここまでということで。

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