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211 新しいお菓子を作ろう!


 お爺さん司祭様がどっか出かけちゃったもんだから、お尻が痛くならない無い馬車を作れなくなっちゃった。


 ホントは今日から作り始めよっかなぁて思ってたんだけど、こんなのだよって聞いただけで見た事が無いから、お爺さん司祭様にちゃんと見ててもらわないとうまく作れるかどうか解んないもん。


 だから勝手に作っちゃダメなんだよ。



 お爺さん司祭様がお出かけするのを見送ってから、僕たちはみんなで朝ご飯を食べたんだ。


 でね、その時に今日から馬車を作ろうって思ってたのにできなくなっちゃったってお父さんたちに話したんだよね。


「でもね、司祭様が帰ってきたらすぐ作んなきゃダメなんだよ。だって、みんなでイーノックカウに行く時に乗って行きたいもんね」


「馬車を作るって、ルディーン。お前が作るつもりなのか?」


「ううん、僕だけじゃ無理だよ。でもね、材料があればクリエイト魔法で荷台とか輪っかとかは作れるから、お父さんたちに手伝ってもらえばすぐに作れちゃうって思うんだ」


 多分もっとクリエイト魔法がうまく使えるようになったら、こんな風にみんなに手伝ってもらわなくても簡単に作れるようになるんじゃないかなぁ?


 でも今の僕だと、もしかしたら失敗しちゃうかもしれないでしょ?


 だから僕が魔法で部品を作って、それをお父さんやお兄ちゃんに手伝ってもらって組み立てようって思ってるんだ。


「なるほどなぁ。でも、それなら資材置き場にある木を使っていいか、村の人たちや村長に聞かないとダメだろ」


「村の木を使うの? 僕、物を運ぶ魔法を覚えたから森で木を切ってきて、それで作ろうと思ってたんだけど」


 僕のフロートボードにはおっきな石が何個も載ったもん。あれならすっごく太い木じゃなかったら載せられると思うんだよね。


 だから今日、僕は森に行って木を切って来るつもりだったんだ。


「いやいや、切ったばかりの木で馬車なんか作ったら、すぐに壊れるぞ」


「そうよ、ルディーン。木はちゃんと乾燥させたものを使わないと、作ってしばらくしたら乾いて割れたり歪んだりしてしまうものなのよ」


 でもね、それを聞いたお父さんとお母さんに、それじゃダメだよって言われちゃったんだ。


 だけどさ、それは魔法で何とかできると思うんだよね。


「でもでも、僕、ドライって魔法があるから切ったばっかりの木だってすぐに乾燥させちゃえるよ」


「ああ、そんな魔法が使えるんだったな。でもダメだ」


「え~、なんで?」


「森の木は村の財産でもあるんだから、勝手に切っちゃダメだろ」


 そっか。切ってくればいいやって思ったけど、森の木はみんなのもんだもんね。


 と言う訳でお父さんは朝ご飯を食べた後、村長さんのところに資材置き場の木を使ってもいい? って聞きに行ってくれたんだ。



 ホントだったら森に行くつもりだったんだけど、行っちゃダメって事になったから僕、暇になっちゃったんだ。


 その上、この頃はだんだん暑くなって来たもんだからパンケーキを食べに来る人もあんまりいないんだよね。


「おばあちゃん、スティナきたよ!」


 だからやる事無くてぼ~っとしてたんだけど、そしたらスティナちゃんがうちに遊びに来たんだ。


「あらあらスティナちゃん、よく来たわね。今日はお母さんは一緒じゃないの?」


「うん! スティナね、ひとりでこれうんだよ」


 一人で来たスティナちゃんを見て、お母さんがヒルダ姉ちゃんは一緒じゃないの? って聞いたんだけど、そしたらスティナちゃんはこう言って腰に手を当てながらエッヘン! って胸を張ったんだ。


 どうやらヒルダ姉ちゃんは今日、何かご用事があったみたいなんだけど、スティナちゃんを一人でお家に置いとく訳には行かないでしょ?


 だから村の中なら危ない事無いし、うちなら安心だから遊びに行ってきなさいって言われたんだってさ。


「えらいわねぇ。そうだ! かき氷、食べる?」


「うん! たべう」


「じゃあ作ろうかしらね。ルディーンも食べるでしょ?」


 こうして僕たちは、お母さんが作ったかき氷を食べることになったんだ。



「ねぇ、ルディーンにいちゃ。かきごおりじゃない、つべたいおかしは?」


 二人で仲良くかき氷を食べてたんだけど、そしたらスティナちゃんが急に、何かを思い出したみたいにこんな事を聞いてきたんだよね。


 だから何の事? って聞いたら、


「あのね、かきごおりんときに、ルディーンにいちゃがキャリーナねえちゃにいってた!」


 だって。


 それを聞いた僕は何の事? って思ったんだけど、そう言えば初めてカキ氷を作った時にキャリーナ姉ちゃんとこんな話をしたことを思い出したんだ。


『ねぇルディーン、なんとかならないの?』


『無理だよ。他にも冷たいお菓子はあるけど、時間が無いと凍らないんだから作りようが無いもん』


 そっか、スティナちゃんはかき氷を食べててその時のことを思い出したんだね。


 そう言えば僕もあの時はいつかは作ろうって思ってたのに、すっかり忘れちゃってた。


「この頃はみんな、カキ氷ばっかりであんまりパンケーキを食べてないから生クリームもあるし、作ってみようかなぁ」


「ルディーンにいちゃ、つべたいおかし、つくうの?」


「うん。道具を作んなきゃいけないからすぐにはできないけど、新しい冷たいお菓子、作るよ」


「やったぁ!」


 かき氷を食べてる木のさじを振り上げて喜ぶスティナちゃん。


 それを見ながら僕は、頑張って美味しいお菓子を作んなきゃ! って思ったんだ。


 読んで頂いてありがとうございます。


 初めは魔法陣を使った魔道具の話を書くつもりでしたが、そう言えばこの頃食べ物の話を書いて無いなぁと思ったので急遽別のエピソードを入れる事にしました。


 おかげで1からプロットを作ったのでちょっと短めです。


 その上、ここまで書いただけで次回何ができるか簡単に解ってしまうと言う残念な結果になってしまったw


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― 新着の感想 ―
[一言] 感情が年齢に引っ張られるのは仕方ないにしろ魔法の代わりに科学が発達して進んだ世界の記憶があるのに辿りつけないのは応用ができないアホってことやな
2020/01/27 01:59 退会済み
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