正義は嵐のごとし
なぜかピースライダーはドヤ顔をかましている。
「おやおや、私の気迫に圧倒されているようだな?」
よりにもよってなんでこんな人がこの世界にいるんだろう。ネガティブというよりポジティブが似合っていると思うんだけど…
ピースライダーはまだドヤ顔をかましている。
「コーマ、とりあえずはこの人にネガティブな世界のこと聞いてみたほうがいいんじゃないかい?」
「そうだね、このまま何も知らないでいるのも不安だし」
僕たちはこの世界のことについて聞いてみることにした。
ちなみに、ピースライダーはまだドヤ顔をかましていた。
「ねえピースライダー、この世界は何なんだい?何でこんなにも暗い様子の人ばかりなんだい?」
ピースライダーはやっと真面目な顔になった。
「私も何故かはわからない。私自身、一年前に記憶を失った状態でここに倒れていたからね」
「えっ」
ピースライダーも記憶がない…もしかしたら僕と同じ境遇なのかな?
もっと色々聞いてみよう。
「あのさ…」
と言いかけたとき、ピースライダーの腰に付いていた目覚まし時計?が公園中に鳴り響いた。
ジリリリリーン
ピースライダーはみるみる顔が青ざめていき、大声で叫んだ。
「あああああ!!!」
その叫び声の方が時計の音より大きかった。
「もうこんな時間だった!私はいつもこの時間に町のパトロールをしているんだ。民の平和は私が守らなくては!それではまたな!少年!」
早口で言い終えたのち、去っていった。
「た、台風のような男だったね…」
バジもピースライダーの奔放さに呆気にとられていたようだ。
「う、うん…」
とりあえずもう少し町を探索してみよう。
ピースライダーにもまた会うかもしれないし。