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アルツハイマートラベラー  作者: ヨシビキ
5/9

暗黒の世界に一人の光を

僕たちはとりあえず商店街を出た。


「特に変わった様子はないなー、普通の商店街って感じだった」


「普通の商店街の記憶はあるんだね〜」


さっきからずっと煽り口調な腕時計は無視して、何気なく近くにあった洋服屋のショーウィンドウを見る。


「何これ!?なんかこの世界に来る前と格好違くないかい?」


そこには灰色のキャップ帽に透明なガスマスク、真っ白な死装束にも見える服を着ている僕がいた。


(頭が混乱していて、全然気づかなかった)



何度も驚きの声を上げている僕に腕時計が話しかける。


「君は異世界を旅するとき、その格好でいないといけないんだ。脱いだりしたら、身体がどんどん動かなくなるよ。特にそのガスマスク、それを外したら30分以内に確実に死んでしまう」


「この格好が、僕の生命線…?」


「そう!君にとって異世界の空気は毒だと思った方がいい。決してマスクだけは外しちゃダメだよ」



再び襲ってくる不安と恐怖。頭がパンクしそうだ。


(でも、今は立ち止まってる場合じゃない。なるべく早くお母さんを探さなきゃ)


色々重なって、重なりすぎて、脳が少しずつ麻痺してきたような気がしていた。




商店街を出て北の方をまっすぐ進むと、何メートルか先に公園が見えてきた。と共に愉快なリズムで聴いたこともないような歌が耳に入った。


「わたしは〜正義のみか〜た〜!世界を明るく〜シャイニング!!」


耳をつんざく歌声は身震いしてしまうほどだった。


「この歌は一体何だろう?」


恐る恐る公園を覗き込む。




「え…?」


公園の中心で、この世界の暗さとは正反対の金色のパワースーツ(?)を身に纏い、安っぽいゴーグルをつけた男が陽気に踊っている。


「ネガティブの世界に何でこんな人が…?」


僕の若干引いているオーラが届いたのか、金色の男がこちらに気づいたようだった。







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