1日の始まり方を僕は知らない
初心者なんで大目にみてください。
僕は記憶が思い出せない、それはもう自分の名前すらわからないほどに。
もちろんこんな無人の部屋にいる理由もわからない。
狭い部屋に勉強机と本棚、そしてベッドが置いてある。本棚には古臭い本が無造作に並べられているだけで、これといって興味を引くようなものはなかった。
(やけに静かだな…窓の外を覗いてみよう)
そう思って窓の方へ目をやるが、外は光もほとんどないような暗闇だった。
まいったなと雪のように白い髪を触る。
なんでこんな所にいるんだろう…もしや誘拐犯に捕まって連れてこられたとか!?
いや、でも連れてこられるまでの記憶もないしなー
これが夢って可能性は無いのかな?今見てるのは明晰夢で、だから現実のように感じちゃってるとか?
そう思い、とりあえず目を瞑ったり、自分の頬をつねったりしてみる…しかし、特に何も起こらなかった。
(全くどういうことかわからない…)
その後も色々なケースを考えてはみたが、いっこうに答えは見つかりそうにない。
(いっそのこと寝てしまおうか)
と思ったとき、右の方から小さな声が聞こえてきた。
「お…お…い…、こ…っちだ聞こえないのか!」
甲高い子供のような声に少し驚く。
「誰?どこにいるの?」
声を辿って首を振っていると、音がするのは右腕に着けているシルバーの腕時計からのようだった。