45 不動産の話から何故かハーレムルートが出来た。
大丈夫か、この作品コメディだよね?ってお話。
食事を終え、部屋に戻ってきたキンタロー達は、流石に疲れたのか、そのまま、うたた寝をしてしまい、日も暮れて、窓の外は真っ暗になっている。
部屋のノックで、目を覚ましたキンタローがドアを開けるとゴルザとアンリエッタが部屋の前にいた。
「晩ごはん?」
「あほか。もう食堂、閉店したわ」
「な、食べ損ねた!?」
「はわ。あとで、夜食でも持って来てあげる」
晩ごはんの言葉で、クマゴロー達も目を覚ます。
今後の話があると言うので、2人を部屋に入れ、椅子を2つ用意して、自分はベッドに座る。
ゴルザは椅子に座ったが、アンリエッタは何故かキンタローの横に腰をかける。
「えーっと、椅子……」
「ん?」
キンタローの問いに、可愛く小首を傾げるアンリエッタに何も言えなくなってしまう。
ゴルザを横目で見ると、黒い瞳から段々と光が失われていく。
慌てて、話題を切り替えた。
「で、話って? おっちゃん」
「あ、ああ。いや、キンタローが寝てる時にな、村長が来て話をしたんだ。問題があるってな」
「問題?」
「ああ。村長が言うには、ジャンと見て回ったが全て売っても金貨50にはならないそうだ。しかし、それはキンタローもわかってただろ?」
「まぁ、ジャンにも似たようなこと言われたし。それが、問題か?」
「いや、問題は家だ。とにかく大きすぎて、買い手が付かないそうだ」
ピッグは、自分で大富豪を豪語していた。
それは大きな家に住んでいただろう。恐らく、財産の大半は、その家だ。それが売れないとなると、もしかしたら、門や闘技場の修理代が払えないかも知れない。
「買い手が見つかるまで、ジャンが預かることも出来るが、そうなると……」
「維持費か……」
キンタローは、ため息を吐くしかない。
元々、この後、暫くしたら、ニナの親を探しに魔人族の土地に向かうつもりでいたし、この村でエルフに関して情報を集めるためには、滞在もしなければならない。
お金が必要だった。
「そこでな、一つ提案があるんだが。家も処分しなくても維持費もかからない」
「提案?」
ゴルザは、何か良からぬことを企んでいるのか、不気味に笑う。
「この村は、村長をトップとして、3人の顔役がいるんだ。オレもその中の1人で主に喧嘩の仲裁や犯罪の取り締まりなどしている。今日の決闘裁判の立ち会いもそうだ」
(司法や、警察みたいなものか……それにしても何故ピッグは放置していた?)
「なんか、言いたい顔してるな。それは後で説明してやる。情けない話だけどな」
ゴルザの神妙な顔つきから、キンタローは話の続きを黙って聞く。
「っと、いかんな。話の続きだが、もう1人がジャンだ。あいつは商人だからな、土地を開拓したり、道を整備したりと、主に村の中の事を中心にやってくれている」
(ジャンは、行政ってことか)
「そして、最後の1人はピッグ=オーガだ。主に村の外からの対策などをやっていた。一応、門や柵を作ったり。ただ、クマゴローに簡単に壊される代物だけどな」
「表向きはってことか。おっちゃんがピッグに手を出せないのは、その事とアンの安否が理由かな」
「ぐっ……情けない話そうだ」
アンリエッタは老若男女にモテるのに、ピッグが目を付けない筈がない。恐らくは、暗に脅されていたのかも知れない。
ここで、何となく提案の輪郭が見えてきた。
「まさか、オレにピッグの代わりをやれと?」
「ぐ……!」
「そして、オレがピッグの家に住めばいいと?」
「ぐぐ……! ジャンが、ここに住めば修理費は無しでいい……」
「断る! というか、まだ、オレ10歳だぞ」
10歳の物言いや態度ではないが、流石にキンタローはゴルザの提案を切って捨てる。
しかし、ゴルザは諦めない。椅子から降りて、頭を必死に下げて頼み込む。
「頼む! ピッグがいた時は、ゴロツキ共を束ねてるとも言えた。しかし、今はゴロツキ共が何をするかわからん。ピッグを倒したキンタローとクマゴローが必要なんだよ」
村の安全の為。キンタローの話は、既に村中で知れ渡っている。クマゴローの事も然り。抑止力にはもってこいの話だった。
話は分からないでもない。しかし、キンタローには特にキタ村には何の思い入れもない。結果、首を縦に振ることはない。
「と、建前はここまでだ」
「おい! おっちゃん!」
ゴルザが本気で頭を下げているように見えたキンタローは、ベッドからずり落ちる。
「本音を言うと、俺がキンタローを気に入ったのだよ。勿論、ジャンからキンタローの事情は聞いてる。だが、旅はいつか終わるだろ? その時ここに住めばいいし、それまではここを拠点にしたらいい。それに……」
「はぁ……それに、何だよ?」
キンタローは、少し投げやり気味になる。あれだけ真剣な話が建前と言われると仕方なかった。
「アンリエッタを、嫁にやってもいいとも思っている」
「はぁ……はああああ!?」
「は、はわ!?」
「さっきも言ったろ? 気に入ったって。だったら義理の息子にでもなって貰うのが、一番早い」
「いやいや、早いも何も、アンを見ろよ。真っ赤じゃないか」
「アンリエッタ、下で水でも飲んで落ち着いてこい」
ゴルザに言われ、真っ赤な顔をしたアンリエッタがフラフラと部屋を出て行く。
「おっちゃん、無茶苦茶だな」
「俺もそう思うよ。まさか、自分の娘を第2婦人にさせるなんてな」
今、何かおかしな事を聞こえた気がする。そう思いゴルザに聞き直す。
「何婦人だって?」
「あ? いや、だってキンタロー、ラウザ工房の親方の婚約者だって聞いたぞ。だったらアンリエッタは、第2婦人になるだろうが」
「ああ、確かに──じゃなくて! フラムが婚約者? 初耳何ですけど、ってよく考えたら結婚申し込まれてたー!! それに、結納金みたいのも貰ってるじゃないかぁ! そもそも第2婦人って、ありなの? おっちゃん、アンが納得するのかぁ!?」
「落ち着け、キンタロー。確かに、複数の人との婚姻は禁止されているが獣人族だけの話だ。アンリエッタにも話はしている。あとは、そのフラムって嬢ちゃんが納得してくれればだ」
「それが、一番問題な気がする……取り敢えず、暫くは村にいるから考えさせてくれ」
結局、問題を先送りにして、誤魔化す事になった。
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