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不運な少年は転生したら異世界初の人間でした  作者: 怪ジーン
第4章 ぶたとブタと少女
39/121

34 オンドリですか?Yes.メンドリです

「キンタロー、この村の人の顔変わってるの~」

「そうだな、半分くらいがそうだな」

「ねぇ、あれは、なんなの~?」

ミカンの指差す先には、真っ赤な顔したタコの獣人が。

「すでに調理済み!?」



 キンタローと、ミカンはシロサイの店主の店先で木苺を食べている。

 リュック自体はクマゴローに預けてるので、山盛りの木苺を持って歩けば、こぼれる。なので、ある程度食てから、また他の店をまわるつもりでいた。


「ん? シロサイのおじさん、あれは何?」


 キンタローの目の前を、ボロボロの服を着て手枷をされている、一行を見つける。


「ああ、あれは奴隷だな」

「奴隷制度があるのか?」

「ある程度は黙認してるのさ。何せ、奴隷を扱うのは商人だ。下手に取り締まると物価が高騰するからな、労働力が足りないから仕入れが少なくなるとか適当に言ってな」


(まさか、アイツも……)


 キンタローの脳裏に浮かぶは、あの糸目の商人ジャンである。


「おじさん、ジャン=クラウド商会って知ってる? そこでも奴隷扱ってるの?」

「いや、扱ってないな。ジャン=クラウド商会は、キタ村で1、2を争う位だからな」

「ふ~ん。あんなに見た目、胡散臭いのに」


 散々世話になっておきながら、サラッと、ひどい事を言い放つキンタロー。

 奴隷の一行を眺めてると、その中に1人、(つの)がある幼い少女がいる。


「おじさん、あれは?」


 キンタローが、少女を指差す。


「魔人族だな。まだ、あんなに小さいのに。もしかしたら拐われて、売られたのか?」

 

 シロサイとキンタローは悲痛な顔をし、少女を見てると、その少女は一つ、大きな欠伸をする。


「随分余裕そうだな」

「そうだね、おじさん。オレらの緊張感返して欲しいよね」


 二人は、少し呆れて視線を奴隷一行から外した。




◇◇◇

「あれ? どうして、こうなった?」


 キンタローは、今手枷足枷をされて、ひんやりと感じる首輪をされている。

 そして、目の前には木の冊、というより木で出来た牢に閉じ込められていた。




◇◇◇

 1時間程前、キンタローはシロサイの店先で奴隷一行を見た後、ミカンに視線をやると寝転んでいた。


「うーん、うーん、もうムリなの~」


 ミカンの腹はぽっこり膨れ、顔は木苺の汁まみれだ。

 ザルに山盛りであった木苺は、既に一つも残っていない。


「食べ過ぎ……って、明らかにおかしいよね! 木苺の体積、ミカンより大きかったよね? どうやって腹に入った?」

「うーん、よくわかんないの~。動けないの~」


 寝転びながら、羽をパタパタ動かすが全く浮かない。

 とりあえず、キンタローはシロサイの店主から布を一枚貰って、ミカンの顔を乱暴に拭く。


「ふぐっ、もうちょっと丁寧にお願いなの~」

「シロサイのおじさん、ミカン(これ)暫く預かっててくれるかな? ちょっと1人でこの辺り見てまわるから」


 シロサイの店主は、意外と快く引き受けてくれた。


 キンタローと入れ違いで、獣人の子供が店に入り会話が聞こえる。


「おじさん、この人形ください」

「うーん、ミカンは人形じゃなくてミカンなの~」

「わ! しゃべったぁ」


(くく……ミカンの値段、食べた木苺、銅貨4枚分とミカン本体合わせて、銅貨5枚かな)

 などと、下らない事を考えながら、キンタローはクマゴローのお土産に、主に肉を探していた。


 その時、脇道から手が出てきて、口を塞がれる。

 咄嗟に剣を抜こうとしたが、急激に身体に痺れが走る。


(……感電!? バカな!)


 薄れゆく意識の中で、そんなことを考えたが、すぐに気を失った。




◇◇◇

(あの時か。あれは、スタンガン? いや、この世界にあるのか? 電気も見たこと無いのに……)


 考え事をしているキンタローを、下からジッと覗き込んでいる、魔人族の少女に気づく。

 少女の瞳は、薄い空色をしており、肩まで伸びるその髪は、何よりも白い。

 そして、白い髪を突き抜ける10cmほどの2本の角があった。


「えーっと、何かな?」

「あ────っぶえっくしょん!!」

「おっさんか!」


 突然のクシャミで、唾まみれになってしまう。


「ったく、風邪か? おーい! 誰かいないかぁ? 毛布でも何でもいいから持って来てくれー!」


 キンタローが牢の外へ向けて叫ぶと、ドタドタと誰かがやって来た。


「誰だい! ピーチク、パーチク、(やかま)しいのは?」


 キンタロー達の牢の前に現れたのは、立派なトサカ、そして、これまた立派な肉垂(にくだれ)のある、ニワトリの獣人。


「いや! 鳥のあんたにピーチクパーチクとか言われたくねぇ!」

「あたしゃ、鳥じゃない! ニワトリだ!」

「見たらわかるわぁぁ!!」


 獣人族は、大まかに2つに分かれる。

 一つは、ジャンの耳や、キリンの門番の首など、種族の特徴が身体に現れる者。

 もう一つはシロサイの店主や、このニワトリみたいに、人の身体にその種族寄りな顔になる者。


 キンタローは、ニワトリの獣人の体を、急にマジマジと見る。


「な、なんだい。そんな、ジロジロ見て」

「……あんた、メスか?」

「メスって言うな! 女って言え!」


 ニワトリの獣人の頭には立派なトサカ、そして顎にある立派な肉垂……


「立派な、オンドリじゃねえか!」

「違うって言ってんだろ、あたしゃ立派なメン──じゃない女だ!」

「今、メンドリって言いかけたよね!?」



 はぁ……はぁ……と息を切らす、二人の攻防。


 その横では、ケラケラと笑い転げている魔人族の少女がいた。


いつもお読みくださりありがとうございます


何より次回も読んで頂ける事が喜びです。

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