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不運な少年は転生したら異世界初の人間でした  作者: 怪ジーン
第3章 赤い髪と巨人とひょろ親父
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24 ライザ=ラウザ


アレンはライザおたくってお話


 キンタローの前で、正座をしているフラムとアレン。

 ハンスだけは、床に転がりながら悶絶していた。


「な、なんで? なんでオレだけ?」


 転がるハンスの横には、ポッキリ折れたお玉が床に落ち叩いた強さを表していた。


「なんとなく?」

「ひでーーよ……」


 キンタローとハンスのやり取りを見ていたアレンが、そっと手を挙げる。


「説明……させて頂いても?」


 ようやく、終わったと安堵したクマゴローが、口を大きく開けて、欠伸をするとそのまま眠りについた。


 キンタローは当初の目的を思い出し、アレン達の前に椅子を置き、ドカッと座る。

 そこで、初めて気づいた。


 なぜかアレンの隣で、正座をして座っているミカンに。


(………なんで? 条件反射?)




◇◇◇

「え……っと、説明する前に一つ聞いても良いですか? キンタローさんは、あのナイフを何処で手に入れました?」


 アレンの質問にキンタローは、自分の生みの親かもしれない人の荷物に入っていたと話した。


「出所はわかりました。それでは、説明させて頂きます」


 背筋をピンと伸ばしたアレンの言葉に周りも姿勢を正す。


「まず、このナイフはお嬢様の曾祖父であるライザ=ラウザが作った物で間違いないかと。刃の所にサインもありますし、このサインも本物だと思います」


 キンタローがちょっと驚きフラムを見るとフラムは軽く頷いて、補足を入れた。


「アレンは、ライザ=ラウザのファンなの。色んなライザ作の武器を見てきたのよ。私も、ウチには無いけど、一度見たわ。私も本物だと感じたわ」

「本物って事は偽物も多いの?」

「偽物もたまには有るようですが、ライザは逸品にしかサインを入れません。私も、確実にサインが本物で逸品は、魔人族の魔王殿に見せて貰った一本だけです」


「え?魔王いるの?」


 キンタローが関係無いとこが気になる。


「はぁ……それは、いますよ。あ、そう言えば最近亡くなられて息子さんが継いだと聞きました!」

「魔王、まさかの世襲制かよ」


 キンタローは、思わず吹き出す。




◇◇◇

 アレンが一つ咳払いをし、話を続けた。


「それで、このナイフですが、先ほど話した魔王殿が持っているのと遜色無いくらいの逸品です。これと変わらない位の物を作れるのは、今は亡きお嬢様の祖父である先代、それと、父親のリベル様位しか───」

「アレン!!」


 突然のフラムの怒声が家中に響く。


「お願い……()()の話はしないで……」


 フラムとアレンは、黙り込んでしまった。


(うーん、やっぱりフラムの両親はいるのか。それにラウザ工房は、祖父から直接フラムが継いだんだな……)


 キンタローは、後でハンスかアマンダにでも聞いてみるかと、考えていた。


「キンタローさん」

 

 アレンが再び口を開いた。


「しばらく、このナイフお借り出来ないでしょうか?お嬢様、もう一度武器作りを始めませんか?ここにこうしてお手本があるのです。もちろん、私もお手伝いします」

「お嬢。オレも、もちろん手伝わせてもらいやす」

「アレン……ハンス………」


 フラムは、涙を浮かべ二人に頷いた。


「いい加減!親方って呼んでよ!!」


 アッサリと立ち直った。




◇◇◇

「さぁさぁ、お話はそれくらいにして、ご飯にしましょう」


 アマンダが大きな皿を2つ持ちながら、キンタロー達の話を遮る。 


「そうね。これからの事は後にして、ご飯にしましょう。ね、キンタロー」


 フラムがそう話かけたキンタローは、既にいなかった。


 いつの間にか椅子を戻し、テーブルに着いていたキンタローは、両足を揃え、背筋を伸ばし、手は両腿の上に置き、行儀良く座っていた。


 クマゴローも、キンタローの横で胡座をかいて座り、クマゴローの頭の上にミカンも行儀良く座っていた。



 全員が席に着くと、食事が始まる。

 キンタローは、まずスープに手を出すと、味も良かったが、何より、この世界に来て初めての温かい食べ物に感動していた。


 チラッと横を見ると、クマゴローが初めての焼いた肉を『アチッ!アチッ!』と、チビチビと食べていた。


「熊なのに猫舌……」


 キンタローの呟きに、思わず吹き出しそうになるフラムとハンス。

 アレンとアマンダは仲良く………


 …………キンタローは、見るのを止めた。

 このままでは「爆発しろ!」といってしまいそうだった。


 最後に、ミカンの様子を見ると、口の周りをべとべとにし汁をクマゴローの頭に落としながら、リスの様にほっぺが木苺で膨らんでいた。

 


 すぐにクマゴローに、はたき落とされた。

 

いつもお読み下さりありがとうございます



誤字脱字がありましたら、ご報告下さい。

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