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ヒキニートの夢想日誌(メモリーレコード)  作者: 船橋亮太
プロローグ
5/6

第5話 異世界転移

 (さとし)は寝転がっている。青い空、白い雲、緑の森、光り輝く太陽。智は状況が理解出来なかった。

「どこだここは..?ついさっき部屋で寝てたはずじゃ...」

 その刹那、智は異変に気付く。明らかに智の住む世界にはいない、スライムらしき生き物がいたのだ。そして、自分の服装の違和感にも気付く。皮の服らしきものを着ていて、腰にはボロボロの剣と皮の袋、そして腕には木の盾を身に付けていた。

(まさか、これって異世界転生ってやつ??うぉぉぉ!)。

 智は自分の身に起きた不幸など忘れて、興奮していた。そして俺は勇者だと言わんばかりに剣を抜いた。しかし、木の鞘に剣が収まっているのかと思えば、ただの木刀だった。

「...」

(俺DASEEE「だせえええ」!!誰も見てないよな?)キョロキョロ

「ホッ」

(でも、ここが異世界だとすれば、俺のステータスはどうなんだ?流石に前の世界の体力では魔物には勝てないよな...。よし!あのスライムで試してみよう!)

 智は思い切ってスライムを木刀で切る(たたく)。そして、スライムは抵抗する暇もなく、謎の光と共に消える。

 ただ弱者をいたぶっただけなのだが、智は心の底から調子に乗る。

「HAHAHA~、喧嘩を売る相手が悪かったな」ドヤァ

 その調子で2体目のスライムを倒した時、Level UP!と聞き覚えのある音が鳴り響き、謎の光に包まれた。

「今のは....まるでチョロットランドみたいだ!」キラキラ

 智はそのままスライムをいたぶり続け、Level UP!を5回ほど繰り返していたのだが、流石に飽きたらしく、

(この森の外に出てみるか…。きっと街があるはずだ。それにもう暗いし宿にも...。)

 そして100mほど歩いてみれば、すぐに森の出口が見つかった。

(こんな近くに出口あったのかよ...俺ダセェ...)

 森を出たら、そこには....巨大な街があった。街は巨大な壁に囲まれていて、巨大な門が一つだけあった。智は街の入口まで行ったのだが、そこには重装備で身を固めた衛兵らしき男が二人いた。

「どこから来た?」

「え、えと、バビル村からです!」

 智は咄嗟にチョロットランドに出てくる村の名前を答えた。

「バビル村だと?まさかあそこに人が住んでいたのはな。よし、通るがよい。」

(え?通じた??なんで?まぁいいか!たまたまこの世界にもバビル村が存在したってだけの話だ!それより宿宿♪)

 その街は中世ヨーロッパを匂わせるような街で、智は心の底から興奮していた。宿屋にたどり着いた智は、

「おばちゃん、何日かここ借りれるかな?」ビクビク

 持ち前のコミュ障を発動しながら宿を借りる。

「ああ、いいよ。ヒィッヒィッヒィ。1週間で30チョロだよ。」

(チョロ?なんでチョロットランドの通貨?まあいいか。)

 智はここに来た時から持っていた袋の中に入っていたコインを3枚差し出す。

 宿屋のおばさんが一瞬驚いたような顔をしたが、智はそれに気づかない。

(30チョロのはずが、30チョリスも貰えちゃうなんてねぇ。棚からぼたもちとはまさにこういう事だね。この金はもう返さないよ...)

ちなみに、1チョリスで100チョロの価値がある。

「部屋はこちらになります」

 急に言葉使いが丁寧になったおばさんが部屋まで案内してくれた。

 部屋についた智はまず、ベッドに寝転がった。ヒキニートだった彼にとっては、ベッドというものは毎日気兼ねなく話している親友のようなものだ。そして、彼は古ぼけたベッドで眠りにつく。

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