消えてしまった君へ
写真が嫌いで
カメラを向けられると
いつもぶすっとしていた君
愛情に飢えていて
でも素直じゃなくて
型にはめられた「良い子」になりたくなくて
わざとひねくれたことばかり言っていた君
久し振りに写真の中で見た君は
笑顔を作っていて
昔はふっくらと丸かった頬の輪郭が
げっそりと痩せていて
名前を聞いても
最初は誰だか分からなかった
いつの間にそんな風になったの
でも
笑顔の中の目は
ちっとも笑っていなくて
――ああ 本当に君だったんだね
もう 会えない