憂い
登山中遭難した男は山をさ迷い歩いていた。鬱蒼とした森をしばらく行くと、木々の開けた場所に差し掛かり、そこで何かに気づいた男はふと、自身の右側に視線を向けた。
翌年、同じ山で再び遭難してしまった男は山をさ迷っていた。しばらく行くと、木々の開けた場所に差し掛かり、そこで何かに気づいた男は、一年前と同様、右側に視線を向けた。
その翌年、男は去年、一昨年に登山した山で三度遭難し、助けを求め歩いていた。しばらく行くと、木々の開けた場所に差し掛かり、そこで何かに気づいた男は、去年一昨年と同様に右側を向こうとした瞬間、どこからか放たれた光線が男を襲い、男は衣服ごと消滅した。
光線を男に放ったゲール星人は、仕方ないといった様子で言った。
「この男、どういうわけか山奥に築いた我々の最前線基地を必ず見つける。今までは記憶を消して町に帰していたが、三年目はさすがに殺してしまった」




