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魔法ガガガガガ…

 そんなこんな、超美形の男の人に車でお家まで送ってもらうという、美味しいシチュエーションのなか、初めはどうなる事かと思っていた会話も高校の話でどうにか繋げました。

 いや、志望理由とか聞かれても困ります。言えないよ、楽して早く合格したかったから、一番近くて特色入試があるからだ何て……。しかも、看護医療類型だから今後小金井先生とはよく会いそうな予感がする……。将来の夢とか聞かないで(汗)ないったら無い!



「へぇ?じゃあ、将来は看護師になりたいのか」


「はい。実は兄が医者をしていまして……、その姿を見て幼いながら『にぃにぃがお医者さまになるんだったら、恵はナースになってにぃにぃの側にいる!』と宣言していました」


 この話は本当。嘘に少し本当の話混ぜたら騙されやすいって言うしね。何でいつの間にか夢が漫画家だったり花屋だったり株主だったりに変わるのかな?


「にぃにぃ?」


「あっ、え、えと……兄を呼ぶ時にいつもそう呼んでいるんです。小さい時からの癖で……。高校生にもなって、恥ずかしいですよね。アハハ……」


 流石に友達の前ではちゃんとお兄ちゃんとか兄さんとか言ってるけど、たまに失敗してこうして人前で言ってしまう時がある。てか、今も言ってますって言わなければ分からなかったのか。トホホホ


「ふふっ、良いんじゃないのか?可愛くて。お兄さんが羨ましいな、こんなにも可愛い妹に『にぃにぃ』って呼ばれて」


「か、からかわないで下さい!」


 私の顔は赤くなっている事だろう。だって、美形に可愛いって言われたんだよ?レアだよレア!あ、因みに車内で話している内に段々と小金井先生の口調が丁寧語じゃ無くなってきた。多分、こっちが自然体なんだと思う。


「あ、あれか?お母さんの事は『ママ』でお父さんの事は『パパ』って言ってるのか」


「そうですよ!因みに祖父のことは『じぃ』で祖母の事は『ばぁ』って呼んでますよ!」


 もうここまで来たら、開き直った。


「先生!まだからかう気だったら、今度から先生の事コー君って呼びますよ!廊下のど真ん中で叫びますからね!」


「?何でコー君なんだ」


「小金井先生の最初の『こ』の字から取ったんですよ。だって私、先生の下の名前まだ知りませんもん」


 いや、知ってるけどね?透でしょ?確か、ヒロインとの好感度が高くならないと教えてくれないんだよね。そこで前世の記憶を持った悪役令嬢がヒロインの逆ハーレムを防ぐ為に、好感度が上がる前に先生と接触することの増える保健委員会に積極的に入ってたっけ。



「教えてなかったな。透だよ、透明の透っていう字。」


 あれ?以外と簡単に教えてくれた。


「じゃあもう『透にぃにぃ』って呼んでやる!」


 やけくそですよ。ええ、敬語なんか飛びました。



「何でも好きにするといいよ。あ、着いたよ。ここで合ってるかい?」


 誤魔化しやがった。チクショウこれが大人の対応ってやつなのか?


「はい。ありがとうございました。玄関まで手摺が付いているのでここで大丈夫です。さようなら、透にぃにぃ」


「ふふっ、何だか擽ったいね。また、学校で。さようなら、めーちゃん」


 そう言うと、先生もとい透にぃにぃは走りだして行った。

 ていうか、何今の。めーちゃんだって!ズキューーンと来ました、ハートに。攻略対象者に恋するつもりはないけど、アイドル感覚なら良いよね?


 手摺持ってても痛いもんは痛かった。何とか自分の部屋に着くと


「あ、ステータス忘れてた…」


 名前︰小林 恵

 性別︰女 年齢︰15

 レベル︰1(182)

 HP︰12/15(683/690)

 MP︰10/10(800/800)

 筋力︰8(452)

 攻撃力︰5(560)

 防御力︰5(620)

 魅力︰25(999+10)〈10up〉

 運︰30(999)


 状態異常︰捻挫


 スキル︰隠蔽MAX、鑑定MAX、料理9、裁縫9、楽器MAX、歌唱8,集中7、護身術7、マナー9、魔力操作MAX


 称号︰転生者、神様の暇潰し材料、八百万の神の加護を持つ者、小金井 透のお気に入り〈NEW〉




 あ、何か称号増えてる。透にぃにぃに気に入られた。魅力も10増えてるし。魔力を先に鑑定したかったけど、透にぃにぃの称号から先に調べよう。


「《鑑定》」


 別に口に出さなくても良いみたいだけど、言ってみた。だってカッコいいし?




 称号︰小金井 透のお気に入り


 小金井 透がお気に入りに決めた者に贈られる称号。この称号を持つ者は魅力の値が上がる。その上がり幅はどれだけ気に入られているかによる。最低上がり幅は5。上限は999。




 そのまんまだね。最低が5だから、最初から10増えてるってことは、まぁまぁ気に入られてるのかな。




 さあ、次はお待ちかねの魔力だ。魔力って名前が付いているくらいだから、魔法が使えたらいいのにな。


「《鑑定》」



 魔力

 魔法の元。これが無いと魔法もスキルも使えない。魔力のみを操る事もできる。魔力を操るにはスキル『魔力操作』が必要。魔力量は鍛えることにより増える。一般人の平均は10。




 魔法使えるぅぅぅぅ!!!!


「よっしゃァァァ!!」


「恵ー、うるさいぞ」


「はーい。ごめんにぃにぃ」



 にぃにぃに注意されたけど、これは叫ばずにはいられない。

 私、魔法使えるらしいよ!

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