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パラレルフィスト~交差する拳~  作者: 黒主零
3章:鋼鉄の謀略
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83話「ラストエンペラー」

27:ラストエンペラー


・Hル卍邸を囲むように展開する無数の機械人形。

そして真っ向から挑んでいく武装警官隊。

いくら相手が飛行可能とは言えカードを使えないのでは

的確なタイミングで陣形を崩さぬままカードを使える警官隊には

文字通り手も足も出ず片っ端から撃墜されていく。

「A班は引き続き戦闘陣形を!

B班は機能停止した奴の身元の特定を急げ!

C班は俺に続いて特攻してくる奴の迎撃!」

マサムネが指揮することで警官隊は滞りなく作戦を遂行していく。

ここでこの陣形で戦うのは2度目だ。

しかし前回が未知なる異形が相手だったのに対して

今回はスペックもたかが知れている数だけを揃えた機械人形に過ぎない。

行動パターンも把握済み。よって敵ではなかった。

しかし、

「た、隊長!お、オメガが!!」

1体のオメガがこちら側に来ただけで一気に状況は逆転する。

オメガは10メートル以上の巨体で

こちら側の攻撃の全てを真っ向から受けてなお微動だにせず

その大木のように太くて長い腕を適当に振り回すだけで

十人近くもの警官をなぎ払ってしまう。

その対応のために機械人形への迎撃を怯ませると

今度は機械人形が数十人単位で空から攻撃を仕掛けてくる。

「仕方ない・・・!重力・行使!!」

マサムネがナイトメアカードを発動する。

と、オメガを中心に重力のベクトルが変換され

上から下に降る重力の全てがオメガに降り注ぐ。

上も下もない、すべての重力がだ。

それ故にオメガの周辺の物は吸い込まれるようにオメガに向かっていく。

空を飛ぶ機械人形も例外ではなくその重力に耐えられずに

片っ端からオメガに引き寄せられていき、

あっという間にオメガは数十体以上の

機械人形に全方位から押されてしまった。

が、それでもオメガは構わずこちらに向かってくる。

グラビトンの効果で重力場が変わってしまっているため

周りに居た警官達までオメガに引き寄せられていってしまう。

「くっ!中断!」

発動をキャンセルして再びオメガが自由になってしまう。

「俺のカードじゃ相性が悪いし、火力が足りないか・・!」

「い、いえ隊長!もう一度お願いします!」

「何?・・・分かった!重力・行使!!」

部下からの言葉に反射的に再発動した事で

再びオメガを中心に重力場が変動する。

「炎・行使!!」

そして進言した部下が炎のカードを放ち、オメガを焼き払う。

と、徐々にオメガの体に亀裂が走っていく。

「こ、これはどういうことだ・・・!?」

「重力崩壊ですよ!重力のある惑星は自分の作り出した重力で

潰されないように磁力と熱運動で反発しているのですが、

磁力は高温の炎に当てられると消滅してしまうんです!

映画とかでよく太陽に近付いた星が

ぶつかる前に粉々に砕け散るシーンあるじゃないですか!

あれは太陽の熱に近付き過ぎたために磁力が消えて熱運動だけで

重力を相殺できなくなって自分の重力に潰されて砕けるんです!

今までのミッションは対人で相手を殺さぬよう心掛けていたのですが

今回の相手は生命体じゃない虐殺兵器だと聞いたので思いつきました!」

「よくやった!」

二人がサムズアップをすると同時にオメガは重力に耐えられずに

粉々になって散っていった。

すると、その警官が空から来た機械人形にさらわれていった。

「隊長ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

そして彼の姿が夜空に吸い込まれていき

数秒後無数の肉塊と血液が降ってきた。

「・・・くっ!!!うおおおおおおおおおおおおお!!!」

涙を惜しみ指揮を再開した。


・Hル卍邸敷地内。

そびえ立つ5体のオメガ。

「煌牙・解放!!」

「おっしゃぁぁぁぁっ!!!」

剣人によって召喚されたキマイラが超スピードで突進して

2体のオメガを貫通して粉砕する。

「ライランド!これを!」

「これは希望のカード!?」

「スライトだけじゃ不安ならそれで新しいカードを創り出せ!」

「新しいナイトメアカード・・・!?」

言葉を発すると同時に脳裏に浮かぶのはケーラとミネルヴァの姿だった。

ケーラのようにしなやかで臨機応変で

ミネルヴァのように強靭で逞しい肉体。

時間より速く動けるタキオンを後出しで潰せるクイックの早さに、

遠く離れ空を飛んでいる相手にも届く光の拳。

「力を貸してください・・・ケーラさん!ミネルヴァさん!!」

そして希望は輝き新たなカードに生まれ変わった。

「水難・行使!!」

この世で初めて発動されるカードの輝きが世界でたった一人、

ライランド・円cryンのためだけに既存法則を書き換えて今、

「え・・・!?」

ライラの服装がスク水になって露出した手足から

ホースのように無限に水がこぼれ続ける。

「こ、こんな格好は想像してないのに・・・!

で、でも!力は本物だ!ハイドロザード!」

意識を送る。と、ライラの体が水そのものに溶けて

それを視認した全ての存在の電気信号よりも素早く動き、

溢れた水の届く範囲に存在していた3体のオメガに同時に

500リットルもの水を小さな針の形に凝縮して装甲を貫き、

内側から針を元の500リットルの水に戻す。

「出来た・・・!」

そしてキリエ、剣人、キマイラがライラの姿を再び視認すると同時に

3体のオメガは内部から大量の水が溢れ出して破裂させられた。

「な、何ですのこの力は・・・」

「速さと強さと柔軟さを兼ね備えた姿・・・。

こんなチートは初めてだな。」

キリエと剣人が理解できないといった表情で見やる。

と、背後から2体のオメガが飛来する。

「アクアハンマー!」

ライラが振り向くと500リットルの水を

小槌サイズに凝縮してオメガに叩き込む。

当然とんでもない水圧と重量によってオメガは瞬時に潰れた。

「アクアゼリー!」

そしてもう1体を中心に500リットルの水を操りゼリー状に固める。

そこからどんどん水圧を上げていくことで

数秒でそのオメガが粉々になった。

「アクアニードル!!」

続いて500リットルを凝縮した小さな水の針を一本だけ作って

スカイカーに乗ってHル卍邸に上から放った。

立派な作りとは言え当然耐えられるものではなく

簡単にその針は鋼鉄製の屋根を貫通して

自室で座るステメラの眼前に落ちた。

「?なんだ、雨漏りか?」

「アクアビッグバン!!」

直後その水が周囲の水素分子を吸収してどんどん増えていく。

そして5秒もすれば20坪の室内を埋め尽くすほどの量となった。

「な、なんだ!?」

それでもなお増水は止まらずさらに数秒後には部屋の壁を粉砕して

家全体を大量の水が流れて洗い流していく。

「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

そしてついに600坪を誇るHル卍邸が内側から瓦解して

敷地面積すべてを湖へと変えてしまった。

「アクアチェンジ!」

それを確認するとライラは

その湖となった水すべてを水素分子に分解して消滅させた。

「・・・め、滅茶苦茶ですわ・・・」

キマイラに乗って空に避難していたキリエと剣人が口をあんぐりしている。

「・・・あれは、」

ライラが着陸して身構える。

「おのれ・・・ライランド・円cryン・・・!!」

水浸しになったステメラが倒れていた。

「ステメラ・I・Hル卍!!」

「見つけたぞ!!」

と、そこへミネルヴァ、ケーラ、民子、ラットンも到着した。

「ってライランドさん。なんですかその格好は・・・」

「あ、これはその・・・」

「やいクソ親父!あんたの欠陥ボディじゃ

今の意味分からない水害に耐えられないだろ!」

「・・・くっ・・・!」

実際ステメラは動作不良を起こしていて顔を上げるだけで精一杯だった。

「どうやらボディの新調はしないまま捕まっていたようですね。」

「ミネルヴァ・・・民子・・・ケーラ・・・ラットン・・・!!」

ステメラが忌々しそうに4人を睨んだ。

「・・・こうなったら仕方ない・・・!」

ステメラは最後の力を振り絞って1枚のカードを出した。

「呼応!!」

そして召喚したのは1体のオメガだった。

「今更オメガを1体出したところで・・・!」

「出しただけじゃない!!」

するとステメラの体が光の粒子となってそのオメガに注がれていく。

「!?まさかあれは!!」

剣人が驚きキマイラが着陸する。

「あれは最初のオメガ・・・オメガα!?」

そして剣人の前でステメラはオメガと一体化を果たした。

「・・・これが真の力・・・。否・これこそが真の力だ!!」

直後オメガの体が弾け飛び中から真っ白い姿となったステメラが現れた。

「・・・オメガαは人間と一体化するタイプの小型オメガ・・・!」

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