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パラレルフィスト~交差する拳~  作者: 黒主零
3章:鋼鉄の謀略
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81話「白き魔人」

25:白き魔人


・黄金の獣キマイラの上に乗ってライラとシュトラは空を飛んでいた。

「キマイラさん、あなた何者なんですか?」

「俺か?俺は世界に3枚しかない召喚系ナイトメアカード・煌牙だ。

剣人が事実上ナイトメアカードを司る王となってからは

自由に暮らせるようになったから他の2体はどっか行っちまったが

まあ俺はあいつがまだ子供だった頃から一緒だったからな。

もうすっかり800と12年くらいは一緒だ。」

「そ、そんなに・・・・」

「まあ、あいつは美少年気取だからあまり年齢のことは言われたくないそうだけどな。

あいつにも子孫がいたが200年前の聖騎士戦争で根絶しちまった。

あいつ以外は普通の人間だったからな。」

「・・・じゃあ800年以上もの間家族も仲間もいない中であの人は・・・」

「まあ、ナルシーでお調子者でドジで間抜けな奴だが

飽くまでも人間だからな。俺にすら見せない弱さとかあるんだろうよ。

・・・さて、そんなことよりそろそろ着くぜ。

シートベルトをしておくようにってな!」

上空を飛んでいたキマイラが一気に急降下して森の中に着地した。

「シュトラさん大丈夫でしたか?」

「じ、Gが・・・・うううっ」

頭を抑えて苦悶の声を上げている。

「おいおいスカイカーなんて便利なものがある時代の人間が

この程度の超高度高速飛行で何涙目になってんだよ。」

「成層圏ギリギリをマッハに近い速度で椅子も何もない状態で

1時間くらい飛ばれたら普通こうなるわよ!」

「なんだ、今度のツレは随分と騒がしい子だな。」

と、正面の木にもたれ掛かるように座り込んでいた青年がいた。

「風行剣人さん・・・!」

「よう、ライランド。久しぶりだな。」

剣人が気さくに手を振り立ち上がる。

「どうしたんですか?と言うか傷が・・・」

「この程度何でもない。

・・・いや、俺にとっては何でもないが世界にとっては何でもはあるな。」

「いいからさっさと話したらどうだよ?」

「焦るなよキマイラ。いくら久しぶりに

俺以外の人間を背中に乗せて興奮してるからってさ。」

「うるせぇ!」

「で、剣人さん。どうして僕達を?」

「ああ。いや本当はお前一人に用があったんだがまあいいや。

・・・パラディンが動き始めたんだ。」

「パラディン?それって聖騎士っていう意味ですよね?」

「その語源になった奴ってところだな。前に言ったよな?

ただ魔力を持つだけのタロットカードだったナイトメアカードを

奪って世界中にばらまいた男がいるって。そいつがパラディンだ。

人類全体に大きな一歩を踏ませるためにナイトメアカードをばらまいた。

そいつが数百年の時を経て再びこの世界に現れたんだ。」

「そのパラディンって人は人間なんですか?」

「・・・分からない。

俺と同じで全てのナイトメアカードに触れたことで

その魔力によって不老不死になった人間かも知れない。

あるいはブランチの化身かも知れない。

俺も800年もパラディンやブランチと戦い続けているが

片やキザな怪盗気取りヤローだし片や陰気な怪物だしで

ほとんどまともな会話になってないからな。

・・・まあそこはムカツクが今はいいだろう。

問題なのはあいつがついにオメガを手に入れてしまったことだ。」

「!?オメガですって!?」

「なんだ知ってるのか。」

「先月の事件である人が逆光のカードで

過去に遡った際に手に入れて持ち帰ったらしいんです。」

「・・・なるほど。全部ぶっ壊したと思ってたのに

また現れたから何か変だなついにボケたかと怖かったがそういうことか。」

「オメガって何なんですか?」

「ナイトメアカードを滅ぼすために当時の政府議会が作り出した

人造の最強兵器だ。魔力に反応して人間を虐殺する殺人兵器。」

「さっきお前達を襲っていた奴のことだ。」

「あれがオメガ・・・」

「尤も今までは純粋な人型虐殺兵器でしかなくナイトメアカードを

使えば一応問題なく破壊出来る、数だけが取り柄のマシーンだったんだが

パラディンの手に渡ってしまった事で

何らかの方法で量産されてしまったようなんだ。」

「って事はあの1体だけじゃないってことですか・・・!?」

「当たり前だ。俺はこの一ヶ月で1万体以上破壊してきてるんだぞ。」

「い、1万体以上も・・・!?」

「最初の特別製だった1体に比べれば

だいぶ楽なんだがそれでも中々きつくてな。

ライランド、お前にも手伝ってもらいたくてな。

俺と同じでほぼノーリスクでナイトメアカードを使える人間なら

オメガが相手でも全く問題ないだろう。」

「・・・でも、」

「そう簡単に話を進めないでください!ほぼノーリスクって言っても

ライラくんはこの3ヶ月でどれだけ苦しんだと思ってるんですか!」

「随分と怖い女だな。

ライランドを見習ったらどうだ?と言うかどうして君付け?」

「はぁ?あなた知らないんですか!?ライラくんは男の子ですよ!?」

「・・・・・・なん・・・・・・だと・・・・・・!?」

「そうなのか?俺の背中に乗っていた時に感触で分かったが

二人共股間は平らだったぞ?」

「えっと、この体は借り物なんです。

あの時僕が救ったユイムさんの体で・・・」

「・・・そういうことだったのかぁ・・・。

意外と好みだったんだけどなぁ・・・」

何だか本気で落ち込んでる様子の剣人。

「ならそのユイムって子を・・・」

「「ユイムさんは渡しませんよ!?」」

ナイスタイミングに二人同時のバウトが

剣人の鼓膜と男心を見事クラッシュ。

と、ライラのP3が鳴った。

「はい、ライラです。」

「もしもしライランドくんですか?」

「キリエさんどうしたんですか?」

「すぐに帰ってきなさい。ステメラが脱獄しましたわ!」

「え・・・!?」


・封印監獄。

政府議会議事堂の地下に設けられているその場所。

「・・・まさかあなたに助けられるとは・・・」

封印が解かれ元の体を取り戻したステメラがメガネをかけなおす。

「なに、私も目的は同じなのでね。

あなたにはもう少し役に立ってもらいたいだけさ。」

地下監獄の暗闇に似つかわしくない純白の姿。

その足元には看守を封印した封印のカードが3枚。

「・・・噂は本当でしたか。

カードを使わずにカードの力を使える伝説の聖騎士パラディン・・・」

はっきり言って不気味なほどその男の能力は頼もしかった。

正直不安なほどその男は強かった。

だが今この男に頼らなければ

きっと文字通り永遠に自分はあのままだったろう。

どうしてまだ生存しているのか分からないし

この男の真の目論見が何なのかは見当もつかない。

だが、間違いなく自分の目論見と道は同じだ。

「これを。」

「これは・・・?」

「100体のオメガを呼び出せるものと、

初代オメガと同じ仕様のオメガを召喚できる古代の呼応のカードさ。

これをどう使うかはあなた次第。

あ、それとは別にオメガの取説も用意してるので。」

「・・・いろいろな意味であなたは何なんだ?」

「私は可能な限り自分の力で働きたくない男なだけ。

なにせ聖騎士としては初代でもニートとしては末代だったので。」

「・・・は、はぁ・・・。」

「オメガは前者はご自由に使うといい。

けど後者は不可逆の性質故使うタイミングを誤らない方がいい。

使ってしまえば私にも戻すことは出来ない。」

「・・・心しておこう。」

それから二人は転移でそこから脱出した。

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