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パラレルフィスト~交差する拳~  作者: 黒主零
1章:交差する拳
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8話「Fake≒Fate」

8:Fake≒Fate


・大会が終わり観戦していたMMから

入部の許可が下りて廃部を免れるための人数が後一人となった。

問題なく当初の目的は果たせたのだが・・・。

「・・・・・・・」

「浮かない顔をしていますわね。」

X是無ハルト家・食堂。

食事用ロボを使って食事をするキリエが口を開く。

「一応この私に勝ったのですからもう少しいい顔をなさったらどうですか?」

「・・・・はい。でも、僕は今日・・・いえ、

この姿になってからユイムさんの評価をよくするために

行動してきたつもりです。

会場を壊すことも相手を怪我させることもなくパラレルの試合を行なったり

学校でも積極的に他の生徒と関わり合いを持ったり・・・。

でも、今日戦ったシュトライクス@・イグレットワールドさんは、

昔のユイムさんの方が好きだったと言っていました。

解説役として呼ばれていた

アルナカタタ・征disトロン・伏魔殿さんには

戦い方から見破られそうになっていました。

ひょっとしたら僕がやっていることは

全部余計なことなんじゃないんでしょうか・・・?

かつてのユイムさんの過ごしてきた歴史を無神経に勝手に塗り替えて

関わってきた周りの人達全員にも迷惑をかけているんじゃないでしょうか・・・?

それにもし、僕の正体がバレてしまったら

それこそ周りの皆さんを傷つけてしまう。

キリエさんの名誉にだって傷をつけてしまうかもしれません・・・。

・・・僕は、僕がユイムさんを好きでいて彼女のために

してきたことは全部本当は・・・・・本当は・・・・・・」

「そこまでになさい。それ以上は許しませんわ。」

「でも・・・・!」

「あなたの言うことは一理ありますわ。

あなたにユイム・M・X是無ハルトの身代わりを頼んだのは私。

あなたが勝手に自分のせいにしてふさぎ込んでしまうのも

元はといえば私の独断のせい・・・。

ですから厳しいことは言えません。

すべてが終わったあとでしたらあなたに全てを捧げても構いません。

X是無ハルトの財も名誉も全て。

ですが、今のあなたにはそれは無理な話です。

あなたが責任を感じるというのなら、

そう思い込みたいというのならあなたの中ではそうなのでしょう。

ですが実際にあなたの勝手は多くの関係を築き上げました。

パラレル部を救いました。

確かにあなたのしたことはマイナスの結果を生んでいるかもしれません。

ですがそれは人間生きていれば誰しも避けられないことです。

いいことだけをしようなんてのは絶対に不可能。

あなたはその中で可能な限りプラスを残してきた。

それを間違っているというのならあなたに

救われてきたすべての人間を否定しているも同じ。

肯定なさい、自らが過ちだと責めたいものも。

それが人間が前に進むための前提ではないかしら?」

「・・・・キリエさん・・・・」

目をぱちくりさせて’姉’の顔を見る。

「何ですの?そんなに意外だったかしら?

あんな公衆の場で覆面姿を晒した羞恥心のない痴女の言葉は。」

「え!?いや、そんなことは思ってませんよ!?

と言うかどうしてあんなことをしたんですか?

確か別に参加者がいたはずでは・・・・?」

「買収しました。あなたの実力を確かめておきたかったので。」

「は、はぁ・・・。」

「でもまあ、確かにあの伏魔殿さん程の方ならば

あなたはその内見破られてしまうかもしれませんね。

それに確かに周囲を騙しているというのも間違いではありません。

なのでそのあたりはあなたに任せますわ。

信のおける方であれば正体を明かしても構いません。

あまり広まるのは感心しませんが。

でも、お忘れなく。あなたは’男の子’で女子校に通っているということを。」

「・・・は、はい・・・。」

確かに。

少なくとも部員である他3人の場合、

シャワーを一緒に浴びているわけでその際には全部見てるわけで・・・。

「・・・あなたもしかしてまだ女の子の裸には慣れないので?」

「そ、そりゃまあ・・・・」

「自分のを含めてこの一週間で呆れるほど見ているのでしょうに。

・・・分かりましたわ。あなたには今日一緒に風呂に入ってもらいます。」

「・・・・へ?」


・1時間後。湯殿。

「・・・・・・・・・・・・えっと、キリエさん。

どうして本当に如何様にこのような状況をお作りになられているのでしょうか?」

「お、お黙りなさい!何をそんな緊張なさっているのですか!」

一緒に湯船に浸かるのだが明らかに隣の姉君は焦っている。

「・・・・・。」

それにしても、失礼だとは思うがどうしてもいろいろなものが覗けてしまう。

胸とか股間とか・・・それに腕とか。

「・・・そんなに気になりますの?」

「へ?えっと、どれですか?」

「どれってあなた一体どれだけ私の体を視姦していたつもりで?

・・・この一週間。私はあなたと少し壁を造っていたかもしれません。

妹であって妹ではない。

どちらかといえば被害者で・・・。

それでも私にとって妹でありあなたにとって加害者であるあの子の

姿をしているあなたを相手するのはどうにも慣れないものですわ。

だから本来ならばもっと早くこうするべきでした。」

「あ、」

立ち上がった彼女はその短い腕で頬を撫でた。

「申し訳ありません。このような痴態で。」

「い、いえ・・・。その、ありがとうございます。」

その言葉を聞いてキリエは慌てて湯船に浸かった。

正直本当にこの体の持ち主と姉妹なのか疑いたくなるような

ナイスバディであった。

「・・・えっち。」

その後学校での話をしながら汗を流すと、

やはりというか体を洗う必要があって・・・。

「・・・なさいよ。」「へ?」

「見たのなら触っても同じことですわ!

だから・・・あなたが、洗いなさいよ・・・。」

「・・・で、でも、いいんですか?」

「ユイムの体は胸もあそこも好き放題しているのでしょう?」

「そ、そんなことしていませんよ!?

体を洗う時だって最低限しか触ってませんし・・・。」

「とにかく!今日は洗ってくれる人を払っていますので

あなたがやってくださいまし!ダンシコーコーセーからすれば天国でしょう?

それとも巨乳な私では興味が湧きませんか!?

ユイムみたいなちっぱいじゃなきゃ趣味に入りませんか!?」

「お、落ち着いてください!胸の大きさなんて関係ありません!

確かにキリエさんは趣味ではありませんが

だからこそ平常心で体を洗うことが出来ます!

・・・元の体でしたら分かりませんが・・・。」

それから、湯船から二人して上がる。

意味がないとは言えライラは股間を隠す。

とは言えそうなると指があそこに触れるわけで・・・。

「う、」

「・・・あなた、姉の前で妹の体で自慰とはいい度胸してますわね。」

「そ、そういうつもりじゃないです!と、とにかく洗いますよ!?」

「あ、女の子の体なんですから優しくなさいよ?」

「は、はい!」

スポンジにシャンプーを注ぎゆっくりじっくりと

キリエの体を洗っていく。

他人の体、それも異性の体を洗うなんて経験あるわけなく、

手取りがかなりぎこちない。

初めてユイムの体を洗った時程混乱はしなかった。

それでも今まで普通に接してきた少女の体を

洗うことになるとは思っておらず意外と結構かなりドギマギ。

と言うか洗う場所を変えるたびに喘ぎ声を漏らす少女を前に

落ち着いてなどいられるはずがない。

とりあえず大事な場所以外は全部洗った。

残すは胸と腕と股間のみ。

「・・・念のため聞きますが残りも全部ですか?」

「・・・あなたはどうしたいのかしら?」

「僕は・・・・」

困惑。だが、姿見に映るユイムの姿を見て・・・・。

「・・・僕は、やっぱり・・・」

「・・・そう。あなた草食系すぎないかしら?

・・・はぁ、頭も冴えましたわ。

とは言え自分ではどうしようもありませんもの。

もう少しで義手が完成するようですからせめて今日だけはお願いできないかしら?」

「・・・分かりました。」

同じことをしている。いやもっと際どいことをしている。

それでも今の二人は先程までとは温度差があった。


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