78話「祝祭?」
22:祝祭?
・西シッピー実業団との試合から一週間。
無事怪我も治ったシュトラを入れて
全員で週末を利用して旧帝都まで向かった。
「ランラランラ~ン」
「ご機嫌だねシュトラちゃん。」
「そんなにここが好きだったっけ?」
「違いますよ。旧帝都のすぐ近くに僕の実家があるんです。
そこには今僕の代わりにユイムさんが妹と暮らしているんです。」
「・・・あ~そういうこと。」
「一応あの二人の関係も続いてたんだね。」
中等部メンバーはMMと共に近所の料亭に行っているため
今ここにいるメンバーは全員ライラとユイムの事情を知っている。
「けどあたしも一緒でよかったのか?」
「私まで一緒でいいんですか?部員ですらないのに。」
「ミネルヴァさんも民子さんもそんな畏まらないで下さい。
パラレルだけが高校生生活じゃないんですから。
僕達はただ友達と遊びに来ているだけなんですから。」
「・・・へっ、友達ねえ。
わざわざ女だけ6人も連れて実家に誘っておいて・・・」
「え、いや、そういうつもりじゃ・・・」
「そうですよ。
ミネルヴァ様が女としての対象になるわけないじゃないですか。」
「おい民子。あんたやっぱりラットンと同じように
研究所預かりになるか?」
「ま、まあまあ。」
また喧嘩が始まりそうになった二人を宥めながら旧帝都の街を歩く。
「ここへ来るのも久しぶりだなぁ・・・。」
「チーム風との交流試合以来?」
「いえ、その後夏休みに入ってすぐに一度来てます。
日帰りでしたけどユイムさんに体の報告があったので。」
「体の報告?」
「ええ。体重がなくなってしまった時に
シュトラさんやキリエさんと一緒に。」
「あぁ~そういえばそんなことあったっけね。」
「そういえばいつの間に治ったんだ?」
「はい。泉湯王国に最初に来た時ですね。
スライトの効果で上書きしたんです。」
「へえ、」
「・・・ん?何だか騒がしいね。」
7人が街を歩いていると警官達が慌ただしく走り回っていた。
「何か事件でもあったのかな?」
「あ~~~~~!!!!」
と、そこでさっきまで鼻歌交じりに歩いていたシュトラが突然声を上げた。
「どうしたんですか?シュトラさん。」
「ら、ら、ら、ライラくん、これ・・・・」
シュトラが震えながら指をさしていたそれは手配書だった。
そこには連続強姦容疑者としてライラの顔が記載されていた。
「・・・・・・・・・・・・え!?」
足を止め表情を凍らせ時間が停止する。
「えっと、これってひょっとして、」
「はい。ライランドさんの本来の顔写真です。」
ティラとラモンがどうしたらいいのか分からないといった表情で、
ケーラと民子は表情を崩さぬまま冷静で、ミネルヴァは苦笑して、
シュトラとライラは完全停止して静かに時が過ぎるのを感じていた。
数刻が過ぎた。
「えっと、これって可能性1つしかないんじゃないの?」
「うん、私もそう思う。」
「最初から分かっていたことだと思いますが。」
ティラ、ラモン、ケーラが二人を見やる。
「?」
意味が分からないといった表情で3人を見やると
「二人が好きな子がどんな子か忘れたの?」
「レズ方面に色情狂で暴走しやすくて、」
「と言うか以前にも一度旧帝都庁から請求書が送られてくるほどの
事案を起こしたのではありませんでしたか?」
「・・・まさか・・・」
と、そこで
「いたぞー!!逃がすなー!!」
「くっ!流石に動きが早いなぁ~!」
スカイパトカー4台に追われながら
二人の少女を抱えたままスカイホースで走り抜ける自分の姿があった。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「あ、また固まった。」
「ゆ、ゆ、ユイムさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」
・数時間後。
マサムネ直属の政府役員がやってきて旧帝都警察と司法取引の末に
ユイムが釈放されてきた。
「えへっ、ライラくんシュトラ久しぶり。」
「いや、あのユイムさん?」
「な、ユイムさん!
どうして私以外の女の子とエッチしちゃってるんですかー!?」
「ごめんねシュトラ。話せば長くなるんだよ。
僕がデリヘルを注文したら何の間違いか旧帝都庁町長の双子の娘さんが
人さらいにあってるのを目撃してね。
あ、あの子達可愛いー!
ってなって追いかけて攫った人をフルボッコにしたら
お礼に抱かせてくれるって言うから徹夜で3Pしてあの子達が寝ちゃったら
そこで運悪く警察に見つかって人さらいと間違われた挙句強姦犯に仕立て上げられちゃって
ムカついたから警官5人倒したら指名手配されて今まで逃げてたの。」
「ゆ、ユイムさん、あまり僕の姿でハチャメチャは・・・」
「いや!だから!ユイムさん!?どうして他の女の子と・・・」
「大丈夫だよシュトラ。これライラくんの体だから。
他の女の子とヤリまくったのはライラくんなんだから!」
「あ、なるほど!さすがユイムさん!」
「いや待ってくださいよ二人共!?」
「・・・何だかユイムちゃん前より酷くなってない?」
「なまじ男の体手に入れていろいろ
抑えが効かなくなってるんじゃないの?」
「男子高校生は発情期真っ盛りですからね。」
「いや3人まで!?」
ライラが慌てふためく姿を見てミネルヴァは笑いが止まらないようだった。
「失礼ですよミネルヴァ様。」
「いやいや。こんな雰囲気滅多にないからさ。
それに本物のユイム・M・X是無ハルトがあんなタマだったとは。
ギャップが凄すぎてね。・・・くくく、」
それからライラの家にやってきた。
「あら、来たんだ。」
「ただいま、リイラ。」
家ではリイラが夕食を作っていた。
「リイラちゃん、ご飯マダー?」
「あなたねぇ、一応居候のくせに働かないで人の兄の姿使って
女の子襲いまくらないでくれる?
さっきだって警察から電話がかかってきたんだから。」
「じゃリイラちゃん抱かせてくれる?」
「近親相姦になっちゃうでしょうが!」
「えっと、いつもこんな感じなんですか?」
「ん?そうだよ。」
「お兄ちゃんそろそろそこのレズ引き取ってよ。」
「引き取られても僕ここの子になるから変わらないよ?」
「それどういう意味よ?」
「えへへ、まだ内緒。あ、そうだ。ライラくん。」
「はい?」
「実はこの家にもチェンジを一時的に破れるシステムが出来たんだよ。
だから体元に戻そうよ。」
「あ、はい。分かりました。」
二人が手を重ねると体が光り、次の瞬間にはお互い自分の姿に戻っていた。
「何だか自分の体が懐かしいよ。」
「う~~~~ん、ライラくんの体もいいけど
やっぱ自分の体が一番落ち着くよ~~~。
でも何だか筋肉がすごいついてる。
もうライラくん、僕の体マッチョにしないでよ~?」
「す、すみません。なるべく気を遣っているんですが・・・!」
「そうですよユイムさん。ライランドさんはこの前
あなたのその体を気遣いすぎた心労で入院したんですから。」
「え、むしろそこまで気を遣われてたの!?
あ、ありがとね。ライラくん。」
「あ、いえ、そんな・・・・」
「・・・・ホントにユイムちゃんにメロメロなんだね。」
「初めて見る顔だってのに仕草が見慣れてるよ。」
「ほらご飯出来たわよー。って早速戻ったんだ。」
リイラが懐かしい仕草をする見慣れた姿を見る。
「うん。そう言えばこの姿で会うのは久しぶりだねリイラ。」
「・・・ちゃんと言いなさいよ馬鹿。」
「え?・・・あ、うん。ただいま、リイラ。」
「・・・おかえり。お兄ちゃん。」
・9人で夕食を食べる。
MMにはここで泊まるということを伝えたため心配はない。
「じゃ、お風呂入ろ、シュトラ。」
「はい、ユイムさん。」
ユイムとシュトラが風呂に向かう。
「手伝うよ、リイラ。」
「あ、うん。ありがと。」
ライラがリイラと共に食器を洗う。
「おい大将。せっかく男の体に戻ったんなら1つ汗をかかないか?」
「ミネルヴァさん、僕ユイムさん一筋ですし筋肉女に興味は・・・」
「ば、ばっきゃろ!そうじゃない!トレーニングしないかって話だ!」
「・・・そうですね。たまには自分の体も使わないといけないですからね。
でも家の中じゃないとまたチェンジが・・・」
「あぁーそうだったな。なら今日はいいか。」
「ライランドさん。ミネルヴァ様は今日飲酒していないので
それを紛らわすためにトレーニングに誘った可能性があります。」
「いちいちそんなとこまで分析しないでいいんだよお前は。」
「にゃははは。賑やかだねライラくん。」
「ティラさん、ラモンさん。すみません狭い部屋で。」
「いや、泊まらせてもらうんだ。そんなことは気にしないでいいよ。」
「・・・狭いっていうのは否定しないんですね。」
「ま、まああんなバカでかい船で暮らしていたら・・・ね。」
「そういえばライラくん。」
「はい?」
「元の姿に戻ったって事はまさかあの時の続きを・・・」
「・・・ひょっとしてティラさんはしたいんですか?最後まで。」
「ふぇええ!?い、いやそういうわけじゃないよ・・・?」
「でもあれから何回か話題にしてますし。」
「い、いや、でもライラくんはユイムちゃん一筋だし・・・」
「・・・セフレくらいにならしてやったら?」
「こ、こらリイラ!小学生がなんてことを言うのさ!」
「あれから半年もどっかのレズがあんたの姿で家に次々と女の子を
攫ってきては毎晩のように喘ぎ声が隣の部屋から聞こえて来る上
ひどい時はトイレとかお風呂にまで精液が残ってるような生活を
送っていればもうそういうのどうでもいいわ。」
「・・・・・それはユイムさんに言ってくれないと・・・。
と言うか一体どれだけの女の子を犯してるんだろこの体は・・・。
・・・本格的に戻る日が怖すぎる・・・」
その場にしゃがみこむライラであった。




