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パラレルフィスト~交差する拳~  作者: 黒主零
1章:交差する拳
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7話「腕に覚あり・後編」

7:腕に覚あり・後編


・8人トーナメントで2回戦といえば

それは準決勝とも言い換えられる。

「・・・さて、そろそろ突っ込んでおきたいのですが。」

2回戦。

アナウンスでライラが呼ばれて闘技場にやってくれば

正面にいたのは謎の覆面女。

動きやすいジャージ・・・だが明らかに見慣れたものとは材質が違う。

金ピカである。光沢である。売っても買ってもケースが必要だろう。

彼女の周囲には浮遊型ターゲットが3個浮かんでいて

それぞれにカードが貼られていた。

そして何より彼女の両袖は本来肘のある場所で固く結ばれていた。

「・・・きり・・・お姉さま。何してるんですか?」

「何の話でしょうか?

私の名前は栗見・切理・エターナルですわ。」

「・・・・・・まさかと思いますが試合する気ですか?」

「当然ですわ。アナウンスさん、早く開始の合図を。」

「はぁーい!では行きましょう!第二回戦、

ユイム・M・X是無ハルトVSきり・・・・栗見・切理・エターナル!

見合って見合って・・・はじめっ!」

号令と号砲。

同時に栗見は廻し蹴りで右にあったターゲットを蹴る。

「マグネット・行使サブマリン!」

「本当にやるんだ・・・。」

強力な磁力を発しながらぶっ飛んでくるターゲット。

溜息1つついてからカードを1枚出す。

「ヴォルカニック・行使サブマリン・・・」

呪文詠唱。と、周囲に火柱が発生する。

その火柱が飛んできたターゲットを破壊。

効力を失ったカードが地に落ちる。

「なら・・・!」

栗見が2体目のターゲットを蹴ろうとした瞬間。

「やめてください。キリエさん。」

その足をライラが掴んでいた。

そして次の瞬間には脚ひしぎ十字固めに掛けた。

「っ!!」

「こうなればもうあなたは文字通り手も足も出ないはずです。

さあ、ギブアップを。」

「な、舐めないで下さる・・・!?」

栗見が歯で何かを引っ張った。

それはワイヤー。ターゲットに繋がったワイヤーを口で引き寄せる。

「ウィング・行使サブマリン!」

カードの力で本来両腕のある部分に翼が生えて飛翔。

が、ライラは振り払えずそれどころか背後に回りこまれていた。

「そんな・・・・」「すみませんね・・・」

そのままコブラツイストで固く首と左翼を締める。

手際よく数秒で栗見は意識を失い落下。

「っと、」

それをお姫様抱っこにしてからライラが着地した。

優しく地面に置くも目を覚ます気配はなく10カウントが過ぎた。

「・・・・・・・妙ですね。」

アナウンスの隣に座る巨漢。

本局所属の聖騎士であるアルナカタタ・征disトロン・伏魔殿がヒゲを触る。

「そうですね。キリエさん何を間違ってあんな行動に出たんでしょうか。

まだ復学出来ない程の怪我だというのに。」

「そうじゃありませんよ。いやまあ、彼女もおかしいのですが。

それより妹の方です。まるで戦い方が違う。

記憶喪失だと言う話ですがそれにしては戦術が確立されすぎています。

あの戦い方はまるで先週に行われたとされる

X是無ハルト主催海上エキシビジョンでの対戦相手である

ライランド・円cryンさんのようですよ。」

「彼との戦いで戦術を学んだとか?」

「いや、彼女が記憶喪失ならばそもそも

彼との戦いのことすら覚えていないはずです。

一体彼女に何があったのでしょうかね。」


・そして決勝戦。

ライラが闘技場に臨む。

同じように入場した対戦相手の顔を見る。

「・・・・あれ?」

見覚えのある顔だった。

確か学校で・・・。

「・・・・・・・・・・・・・。」

「あの、あなたは・・・」

「ついについに決勝戦です!!」

しかしその問はアナウンスにかき消された。

「ユイム・M・X是無ハルトVSシュトライクス@・イグレットワールド!

どちらも山TO氏女子学園高等部1年8組所属の生徒です!」

「・・・そうだ、あなた委員長の・・・」

「やはり私のことを覚えていないのですね。」

「・・・すみません、」

「・・・・・。」

シュトラは静かにカードを構える。

「では、決勝戦・・・!いざ神妙に・・・はじめっ!!」

号令と号砲。同時にカードが風を切る音。

「エルブレイド・行使サブマリン・・・!」

シュトラの両腕に刃のついたガントレットが出現する。

そして走り出す。

「あなたは私の憧れ・・・。すべてを破壊してすべてを手に入れて、

そんな魔王みたいなあなたが私の目標だった。

それなのに、それなのに・・・・!」

シュトラの演舞のような連続攻撃。

ライラは挙動を見切って全て紙一重で回避して

流れるように背後を奪う。

「!?」「すみません・・・覚えがないので。」

シュトラの腰に手を回して一気にジャーマンスープレックス。

「っ・・・!!」

ガードする一瞬さえも与えられないスピードで

後頭部から地面に叩き落とされた。

そしてそれだけではなく倒れたシュトラの背中に跨り

キャメルクラッチを掛けた。

「ぐううううううう・・・・・・・・・!!」

「降参してください。あなたでは僕に勝てない。」

「そんなこと・・・・!!」

キャメルクラッチを決められながらも懐に手を伸ばして

カードを掴む。

「す、スイム・行使サブマリン!」

「スイム・無効ディスペル!」

発動したカード。

それと同じカードを使うことでその効果を無効にした。

「そんな・・・・」

「試合で相手も同じカードを使用する確率はかなり低い。

あなたにツキはない。」

「・・・・・・・くっ・・・・・・・う!」

その手から無効化されたカードが落ち、シュトラの意識は途絶えた。

「カウント!1!2!3!4!5!6!」

「・・・・・・まさか、」

「・・・・・はあ・・・はあ・・・・はあ・・・・」

意識を失ったはずのシュトラが立ち上がった。

その手にはエレキのカードが握られていた。

サンダーほどの高出力は出せないが取り回しのいい効果を持つカードだ。

「エレキのカードで自分を心臓マッサージして無理矢理立ち上がった・・・!?」

「ぜえ・・・・ぜえ・・・・・・・ぜえ・・・・・・・・」

フラフラしながらも確かに立っている。

やがて数秒で意識を取り戻した。

「私は負けるわけにはいかない・・・。

腑抜けたあなたなんかに・・・・・!」

再びエルブレイドを発動して向かってくるシュトラ。

が、それをアイアンクローで受け止めてそのまま投げ飛ばす。

「う!」

壁に叩きつけられたシュトラはまた意識を失う。

が、その寸前にエレキのカードを発動して

自分の心臓を無理矢理活発化させる。

いくら死ぬことがないとされるパラレルでもこれは危険な方法だった。

「ま、まだ・・・・・・・・・・・・・よ・・・・・・、」

立ち上がったシュトラ。

だが、そのままよろけた拍子に倒れた。

今度はエレキを発動していない。

「カウント!」

アナウンスが入る。

が、今度は10カウント終わるまで意識が戻らなかった。

「優勝はユイム・M・X是無ハルトさんです!!」

アナウンスと同時に喝采が上がる。

「・・・・・・・・・・・・・・」

だがライラはいつまでも担架で運ばれていったシュトラから目が離せなかった。


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