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パラレルフィスト~交差する拳~  作者: 黒主零
3章:鋼鉄の謀略
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66話「反逆の少女」

10:反逆の少女


・シュトラと攫われた少女を家に送り届けてから

ライラはもう一度あの火口へと向かった。

「何かあそこには嫌な予感がする・・・。

まさかまたナイトメアカードの・・・ブランチの仕業なのか・・・!?」

スカイカーで火山を目指していると

「・・・聞こえますか?」

「キリエさん?どうかしたんですか?あ、今は・・・」

「すぐ引き返しなさい。それ以上の行為はたった今禁じられました。」

「え、どういうことですか・・・?」

「機械人形の騒動は聖騎士マサムネさんの部隊が

引き受けられる事となりました。

これ以上立ち合えばあなたも容疑者として逮捕されますわよ。」

「・・・けど、ミネルヴァさんが・・・・」

「あの方なら大丈夫でしょう。

それにあなたが逮捕されればそれは同時に

ユイムにも罪が及ぶということです。

・・・あなたはそれを避けながら生きていたのでは?」

「・・・分かりました。」

通信を切ってライラは行き先をX是無ハルトに設定した。

「・・・ふう、」

X是無ハルト邸。

キリエがため息をついて呼び機を下ろす。

「これでよいのでしょうか?」

「ああ、助かったよ。」

キリエの対面の席にはアルナカタタが座っていた。

「先日の泉湯王国の連絡を下さったように

今回も貴方の行動は議会で正されるのではないのですか?」

「そうだろうね。きっとこの立場ももう長くない。

けどそれでもあの男、ステメラ・I・Hル卍は止めないといけない。

あの男はあの風行剣人と接触し

今尚数枚のナイトメアカードを所有しているライラくんを狙っている。

だから性殺女神が今尚活動していた泉湯王国に

彼の所属する学年ごと臨海学校として向かわせた。

彼のユイムさんへの想いがあれば性殺女神はどうしても避けられない。

マサムネもそれは分かっている。だからアドリブで動いてくれた。

・・・今度もまたなにか厄介な策で

ライラくんを陥れようとしているに違いない。

しかし、あの男を逮捕するには証拠がないんだ・・・。

泉湯王国に関しては別管轄が隠していた事実を

あの男が盗み聞き出して及んだ事だからね・・・!」

「・・・機械人形製作の老舗であるHル卍家。

その当主であり現政府議会の内閣府大臣・・・ですか。

現在暴走しているラットンと言う機械人形の少女も

一度暴走してすぐに貴方の管轄内である幽閉施設へと送られたことで

製作した企業側の責任範囲の外に逸脱している・・・。

・・・だからと言ってあのまま暴走させ続けているのは・・・」

「今彼の担当はブランチと呼ばれる存在への対処だからね。

数百年前から人類が戦い続けている存在への対処は現状最優先事項だ。

それを題目にいくらでも雲隠れはし続けられる。

それに悪事はあれどブランチがその辺にありふれたかつてと違って

現代は一生目にしない人間の方が多い時代だ。

・・・その時代を作っている彼を

更迭しようなんて考えは肯定的ではないのかもしれない。」

「・・・一人の異能を作り上げて人類を自滅させようとするブランチと

たった一人の異能によって人類を

愚かしくも長生きさせようとするステメラ。

・・・どちらを選ぶのが賢しい判断なのでしょうね。」


・議会用住居。

ステメラが公務を終えて戻ってくる。

「首尾はどうだ?」

「はい。現在ミネルヴァ様とラットンが交戦しています。」

「そうか。」

「ただマサムネ様率いる警官隊が出撃しています。

あと数分で接触すると思われます。」

「ちっ、私の目が届かぬ内にどいつもこいつも勝手に動いてくれるものだ。

だがラットンには是が非でもフィールを発動してもらわないと困る。」

「ミネルヴァ様の魔力を全て使って・・・間に合うのでしょうか?」

「いざとなれば警官隊の魔力も使いたいものだが

あのマサムネが直接率いているのであれば機械人形のラットンでも

数秒でスクラップになるだろう。

かと言って撤退をしてしまえばその場に残ったミネルヴァによって

いらぬ口添えをされてしまうかもしれない。」

「・・・これを使いましょうか?」

「・・・ほう、離散のカードか。よし、使え。」


・火山。

ミネルヴァがラットンを何度も殴りつけ共に地面に墜落する。

「あんたにどんな目的があれどあの男に利用されているのは確実だ!

悪いが二度と動かなくなるまで徹底的に叩かせてもらうよ!」

「はあ・・・はあ・・・私は死ねない止まれない・・・!」

互いにボロボロの状態ながらも構えカードで宙を切る。

既に月が上り夜の帳が下ろされた今そこで。

「ミネルヴァ様。」

声が放たれた。

ここにいるはずがない声が耳を刺激した。

「民子・・・!?」

「離散・行使」

振り向いた直後体の自由が利かなくなった。

「こ・・・・これは・・・・・!!」

「ミネルヴァ様、あなたの意識はしばしの間肉体とお別れ致します。

ちゃんと後でお返し致しますよ。

ただその時あなたは二度とカードを使えない体に

なっているかもしれませんが。」

「お前・・・・くっ!!」

ミネルヴァの意識が体から切り離されていく。

まるで幽体離脱、あるいは金縛りに遭った時のように。

「ラットン、あのカードを使いなさい。」

「・・・・何だか分からないが使わせてもらう!

逆光・行使!!」

そして2枚目のカードが発動され

ミネルヴァの体から魔力が吸い出されていく。

「や・・・め・・・ろ・・・・・」

もはや意識だけの存在となったミネルヴァが最後に見た景色は

光の中に消えていくラットンと民子の姿であった。

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