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パラレルフィスト~交差する拳~  作者: 黒主零
2章:泉湯王国(アク・サスファンテ)と性殺女神(セキシキルアルクス)
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55話「ここは泉湯王国(アク・サスファンテ)・後編!」

25:ここは泉湯王国・後編!


・1時間後。

「・・・ど、どうしたの?」

部屋に戻るとティラが驚いた表情を見せた。

「・・・・ううん、なんでもない・・・・」

ライラとシュトラが何日も徹夜に徹夜を重ねたような表情で

戻ってきたからだ。しかもやけに香水臭い。

「・・・あ、そういうこと。ティラ、あまりこういうのは・・・」

「へ?・・・・・・あぁーそういうことですか。なるほどなるほど。」

「・・・・・・・」

ティラとラモンは触れちゃいけないんだなぁみたいな顔だったが

ケーラだけは少し違う色を見せていた。

「そろそろご飯だけど食べられる?」

「あ、はい。問題ありません。」

「・・・う、うん。大丈夫だよ・・・?」

それにしても具合が悪そうだった。

どんな激しいことをしたのか少しだけ気になった。

(・・・気持ちのいいことをしていたようには見えないのが

それ以上に気になるんだけど・・・そっち系?)

それからシキル、ラモン、ラウラの3人で作った料理を食べて

5人で風呂に入り、部屋に戻る前に縁側に座って夜空を見上げた。

「・・・綺麗だね。」

「今日は同じことばっか言ってるけど都会とは違うね。」

「泉湯王国も田舎すぎるというほどではないと思いますが。」

「と言うかここも泉湯王国に

とっては都会だと思うんですけど・・・。」

「見える景色は違うけれどね・・・。」

満天の星空が5人の瞳に輝く。

「・・・きっとずっと前にもいろんな人達がこの空を見ていたんだよね。

もう何百年も何千年も前にも。」

「ティラにしちゃ随分とロマンじゃない。」

「む、あたしだって女の子だもん。」

「そう言えばティラさん、夏紀くんはどうなりましたか?」

「え?ああ、あの後あの子の両親に

見つかってこっぴどく叱られたみたいだよ。

あたしはもういいって言ったんだけどね。」

「そうですか・・・。」

「でもあの時のユイムちゃんは格好良かったよ?

前までのユイムちゃんもいいけどあたしは今のユイムちゃんも好きかな。」

「え、あ、そ、それは・・・ありがとうございます・・・」

左右からの視線が怖いが素直にその言葉は嬉しく受け取っておこう。

それにしても夏休みに入ってからは色々ありすぎた。

と言うより15年生きててこの5ヶ月だけでもうお腹いっぱいなくらい

イベントが盛りだくさんだった。

今までの自分じゃありえなかった生活や思い出がいっぱい溢れている。

・・・だからこそ元の自分に対して多少の後ろめたさがあって・・・。

「・・・そろそろ部屋に戻りましょうか。

体も冷えてきちゃいましたし。」

「さんせーい。みんなでババ抜きしよ!ババ抜き!」

「風情だね。レトロなカードゲームとは。」

「あ、私花札持ってきてますよ。」

「・・・ライラくん、」

「え?」

「・・・今日は迷惑だったかな?」

「・・・そんなことありませんよ。びっくりしましたけど・・・。」

「・・・ごめんね。でもライラくんのことを心配していたのは本当だよ?

私だけじゃない。キリエさんやユイムさんだって・・・」

「・・・はい、分かっています。

・・・最近スライトを使う躊躇いが弱くなってきていることも。

そして確実にスライトが僕自身の破滅を導いていることも。

なるべく早くに元の姿に戻って元の生活に戻りたいですね。

・・・ヒカリさんが生きていればヒカリさんのチェンジのカードで

元に戻れたかもしれませんが。」

「・・・ごめんね。救済で私が自分自身を使っていれば

元に戻れたかもしれなかったのに・・・。」

「・・・シュトラさん。僕は確かにユイムさん一筋ですが

ユイムさん以外の人がどうでもいいというわけではないんです。

・・・シュトラさんは僕にとって大事な人の一人です。

キリエさんだってティラさんだってラモンさんだってケーラさんだって、

中等部のみんなやリイラ達チーム風のメンバーも。

だから自分からはみ出さないでください・・・。」

「・・・ライラくん・・・。ごめん。」

「・・・いえ、ではそろそろ部屋に戻りましょう。」


・それから日を跨いでも可能な限り泉湯王国を満喫した。

ヒカリやアルクスの墓参りにも向かい、シキルを連れ出して海で遊んだり。

楽しい時間はあっという間に過ぎていき帰りの時間になった。

「いつでもお越しになられてください。歓迎します。」

「ありがとう、シキルさん。」

シキルと握手。連なるように他の4人も。

そして笑顔の彼女に見送られながらスカイバスに乗って

山TO氏への帰路を飛んでいった。

きっとこれからは夏の度にここへやってくるだろうと予感を残して。

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