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パラレルフィスト~交差する拳~  作者: 黒主零
2章:泉湯王国(アク・サスファンテ)と性殺女神(セキシキルアルクス)
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54話「ここは泉湯王国(アク・サスファンテ)・前編!」

24:ここは泉湯王国・前編!


・全てが終わり一週間。

暦も8月の中旬に入った。

ケーラもラモンも怪我が治り一行は再び泉湯王国へやってきた。

シキルがお礼にと旅館を貸し出してくれるそうだ。

なお性殺女神によって枯れ果てた街や民は

完全に制御されたことで元に戻り今では完全に昔通りだった。

「わあ・・・」

ライラが目を見開いた。

カヌーで渡る水路。完全に平和を取り戻したそこから見る景色は

まさに水の王国といった風流があった。

今まで見たこともなかったが水路を魚が泳いでいた。

この時代、

人間以外の生物が自然に生きているところを見られる機会はほとんどない。

特に魚介類は水域が限られていることもあって映像でも滅多に見られない。

それを生で目撃したとなれば感激を隠せないのも無理はないだろう。

「あ、」

海の方からは塩分を多く含んだ南風が吹いてきて全身をくすぐる。

「いい風ですね。」

「うん、現代の都会じゃ中々ないよね。」

「普段空を飛んで暮らしていてもこんな気持ちいい風はそうそうないよ。」

「水しぶきまで上がって・・・こんなに風情なことはありませんよ。」

「み、みんないい感性してるね・・・」

シュトラだけはどうも風の良さが分からないためか

少しだけ自分を疑っていた。

それに、今回の2泊3日の旅行はただの慰安旅行じゃない。

事前にシキルに相談した結果だった。


・「え?ライラさんに性的なお礼がしたい?」

自分の部屋、P3でシキルと会話をするシュトラ。

「あ、あまり大きな声では言わないで・・・。

だってライラくんあの姿になってから

一人ですらしたことないって言うから・・・」

「・・・あの、

そもそも私あまりその辺の事情知らないんですけれど。」

「え?そうなの?」

「はい・・・。」

「ライラくんはユイムさんと体が入れ替わってる男の子だよ。

今年の3月にナイトメアカードの交換の効果で

入れ替わっちゃってそれ以来戻れないんだって。」

「そうだったんですか・・・。

ヒカリからはそこまで詳しいことは

聞かされていませんでしたから・・・。」

「それで、ライラくんには女の子の楽しみ方を教えたいなぁって。

私も結構助けられてるからさ・・・。

でも、私の家はもちろんX是無ハルトの家もキリエさんが反対してるから

そういうこと出来ないんだよね。だからどうしたらいいか・・・」

「なら、私の旅館使います?」

「え?わざわざレズセックスするためだけに貸してくれるの!?」

「い、いえ、うちをラブホ扱いされてもらっても・・・。

ただ今回では非常に迷惑をかけてしまったので

皆さんにお礼がしたいんです。

ですので三日間だけでしたらお貸しできますよ。

・・・ま、まあその三日間の間に

そういうことをしてくれても私は見て見ぬふりしますよ・・・?」

「あ、ありがとう・・・でいいのかな?」

「夜になったら別室を用意しますので・・・。」


・「?シュトラさんどうかしましたか?」

「え、いや、なんでもないよ・・・?」

「もしかして船酔い?一度陸に上がって休みましょうか?」

「あ、だったらかき氷って食べてみたいな。」

「都会じゃあまり見ないからね。」

「私も一度食べてみたいと思っていました。」

「どうですかシュトラさん?」

「あ、うん。私も食べてみたい。」

カヌーから降りて近くの出店に向かう。

今は昔のお祭りとかでよく出される屋台がたくさんこの街にはあった。

この国には合計で5日以上も滞在していたのに毎回色を変えるため

見慣れることがあまりなかった。

風鈴が南風に揺られて鈴の音を鳴らす縁側で

5人並んで座ってかき氷を食べる。

あまり慣れていなかったからか一気に口に含み頭がキーンとなる。

「古い漫画とかで読みましたが本当にこうなるんですね。」

「でも、おいしい・・・。」

「ただの氷にシロップかけただけだってのにね・・・。」

「どんな素朴な材料でも調理次第ってことですかね。」

「でも、すごくおいしい・・・」

それから今度は地面を歩いて色々な場所を見て回った。

色々複雑怪奇な思い出のある国境沿いの高台。

そこにはラウラがいた。

「ラウラさん、お久しぶりです。」

「やあ、らい・・・」

「わ、わー!わー!!」

慌ててラウラの口を塞ぐ。

「他のみんなと一緒にいる時は・・・」

「知ってるよ、からかっただけ。

その他のみんなが見てるよユイムちゃん。」

「も、もう・・・」

「どしたの?」

「あ、いえ、なんでもないです!」

「で、どうしてあなたはここに?」

「・・・ここはアルクスが眠る場所だから・・・。」

「・・・そうですね・・・。」

それから6人でお祈りをした。

それからまた街を見て回り夕方になる頃に旅館に戻ってきた。

「シキル、手伝うよ。」

「あ、ありがとうございます。ラモンさん。」

「ほら、あんたも来なさい。」

「えぇ~、だから料理は作るより食べる方が・・・」

「働かざる者食うべからずって古い諺があるでしょう?

ほら、たったと割烹着着てこっちに来なさい。」

厨房にラモンとそれに引っ張られるようにラウラが入っていった。

「じゃ、あたしはお風呂洗おうかな。」

「お手伝いしますよ、ティラさん。」

「あ、ケーラちゃん・・・。

えっとごめんね?背中から刺しちゃって・・・。」

「大丈夫ですよ。いきなりで驚きましたが何事もなかったんです。

むしろティラさんの方こそもうお体は大丈夫なのですか?」

「うん!じゃ、お風呂場に行こう!」

「はい。」

ティラと共に部屋を出るケーラ。

一瞬だけだがシュトラに目配せをしたような気がした。

「・・・ケーラさんっていろいろすごいよね。」

「ええ・・・。本当に。」

それから二人で客室に向かう・・・のだが。

「あれ?シュトラさん?どこに行くんですか?そっちは違う道ですよ?」

「人を迷子みたいに言わないで。・・・ライラくん、話があるから。」

それからシキルに用意された別室へ向かう。

「どうしたんですか?話って。

ユイムさんと何かあったんですか?

それとも救済の後遺症か何かが・・・」

「・・・ライラくん。単刀直入に言うよ・・・?」

「・・?はい、なんですか?」

「セックスしましょ!!」

「・・・・・・・・・・・・・・」

閉ざされた四畳半の部屋に響く声。

数秒ほど時間が止まったような感覚に襲われた。

「・・・セックスしましょ!!」

「いや、その、僕が全力で頭の中を整理しようとしているのに

そんな全力で邪魔をしなくても・・・といいますかシュトラさん?

僕ライランドですよ?ユイムさんとは違いますよ?」

「だから人をそんなアホの子みたいに言わないで!

・・・ライラくん最近溜まってるんでしょ?

一人ですることもないんでしょ?

だから事情知ってる私が一肌脱ごうと・・・思って・・・。」

視線を逸らしつつ後ろ手に鍵を閉めシャツのボタンを開けていく。

「それともユイムさんじゃなきゃ・・・イヤ?」

「い、いや、あの、でも、僕・・・・」

「ティラほどじゃないけど私も胸・・・あるよ?」

シャツの前を全開にしてブラジャーを下に下ろせば

いい匂いのする彼女の乳房が躍り出た。

興奮しないわけがない。だけどそれで反応してしまえば

ユイムを穢してしまう。それだけは絶対に避けたい。

「・・・やっぱりユイムさんのこと考えてる?

これ、ユイムさんの発案でもあるんだよ?」

「・・・・・でも、僕・・・・」

「溜めすぎても体に悪いんだよ?

どうしてもって言うならこれを使わせてもらうよ。」

シュトラは1枚のカードを出した。

「それは・・・」

「出のカード。本来は蛇口が壊れた時でも

中の水を出せるようにしたり、便秘の時に快便にしたりするカード。

これで無理矢理中のものを出すことも出来るよ。

もう1枚、擬のカード。

偽物だけどこれを使えばライラくんは一時的に生やせるんだよ。アレを。」

「え・・・?」

「前にキリエさんから聞いたけど

下半身だけ元に戻したい時があるんでしょ?

擬似的だけど女の子同士でもそう言うプレイをしたい時のために

作られたカードなの。擬似的な射精も出来るけど精子じゃないから

子供は出来ないけどね・・・。どっちがいい?」

「・・・・ひどいよ、シュトラさん。」

「え、ど、どうして泣くの!?」

「だって・・・僕どうしてもユイムさんの体を穢したくない・・・。

でももう我慢できないほど昂ぶってもいるんだよ・・・!?

こんな、こんなひどいことをして・・・・。」

「・・・ライラくん・・・」

「・・・お願いしても・・・いいかな・・・?」

苦悩の末涙目のライラはトランスのカードを手にとった。

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