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パラレルフィスト~交差する拳~  作者: 黒主零
2章:泉湯王国(アク・サスファンテ)と性殺女神(セキシキルアルクス)
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33話「イライライチャイチャ」

3:イライライチャイチャ


・病院。

ライラとシュトラが体を診てもらったところ

確かに二人の肉体が一切の重力を干渉しなくなっていた。

質量はあるのだが二人だけ無重力空間にいるような状態になっている。

「・・・あなたという人は・・・」

キリエが怒りの形相で病院に来た。

「す、すみません・・・」

もはやただ土下座するしかなかった。

既にシュトラに対しても額から血が出るほど土下座した後だ。

ユイムの体を傷つけるからやめさせられたが。

「で、何か解決策はあったのですか?」

「・・・それが、今のところは服などの装飾品で

質力を持たせる必要があるそうでそれがないと

まともに立つこともできない状態なんです。」

「・・それはあなただけに関係があるものなのですか?」

「はい?」

「仮にあなたとユイムが元に戻った場合

ユイムにも効果があるものなのですか?」

「・・・それは、分かりません。

ただ僕はあの時純粋に体重を一時的にでも

なくせれば大丈夫かと思って使ったので・・・。」

「・・・全く。いくら命のかかった非常時とは言え

何が起きるかまだ判明されていないような力を

おいそれと使わないで下さる?

特にあなたのその破滅のカードは

まだ未知なる部分が多いのですから。」

「・・・すみません。でもそれなら1つ確認したいことがありまして。」


・二日後。終業式を終えて翌日の土曜日。

約束通りユイムのいる旧帝都地方に向かう。

ただキリエも同行することになった。

「なるほど。確かにタイトルクラスの会場に用意されている

上級のライフなら一時的にチェンジを破れるんでしたわね。」

「はい。なのでそれでまた僕とユイムさんが元に戻って

それでも体重がないままなのかどうか。

また、本来の僕の姿でスライトが使用できるのかを

確かめてみようと思うんです。」

「・・・後者の方はあまりお勧めできませんが。」

「あ、着きましたよ。」

シュトラが言い、スカイカーが旧帝都駅前で着陸した。

「本当に速いですね、X是無ハルトのスカイカー。

前に普通のスカイカーで来た時は4時間近くかかったのに

1時間もかからなかったんですから。」

「当然ですわ。X是無ハルトはパラレルの王家。

庶民とは生活用具から消耗品まで全てに至って格が違うのですから。」

「だから庶民の気持ちが分からないんだよ、お姉ちゃんはさ。」

と、そこへユイムが来た。

「ユイムさ・・・」

「はいストップ。厳重注意受けてるんだから。

まずはうちに行こうよ。ライラくんにとっては久々の帰宅かな?」

ライラの口を手で塞ぐと後ろのシュトラにウィンク。

それだけで感極まって号泣しそうになるシュトラだった。


・円cryン家。

2LDKの月家賃12万円の庶民からしたらそこそこの家。

かつてはそこにライラとリイラの二人で暮らしていて

生活費などはリイラの両親が払っていた。

「・・・随分と湿気た家ですわね。」

「僕としてはこっちの方が落ち着くけどね。」

家に入ってすぐに姉妹が視線を交わす。

「うわあ・・・懐かしいなぁ・・・。」

ライラがリビングを見て歩き回る。

と、すぐにバランスを崩して浮いてしまう。

「へ・・・?」

その瞬間を見てユイムが唖然としてコップを落としそうになった。

「ら、ライラくん。それって・・・」

「あ、ああ、えっと・・・」

ライラがユイムに事情を話す。

「ライラくんもシュトラも体重がなくなっちゃったなんて・・・」

シュトラを膝枕にしながらユイムが驚愕の表情。

「・・はい。全部僕のせいです。

・・・そう言えばリイラは?」

「チームのみんなと練習に行ったよ。

来週試合があるんだって。」

「そうですか。リイラとはその・・・」

「うまくやってると思うよ?

最近は僕もおん・・・・ごほん。用事が少ないから基本ここにいるしね。」

キリエからの睨みや膝のシュトラの視線に耐えられずごまかしながらも

ユイムが自分の体で優雅に紅茶を飲む。

とりあえず違和感しか沸かなかったが今は置いておくとして。

「そこでです。ユイムさん。僕と試合をしてください。」

「へ?」

「タイトルでも使われるようなライフなら

一時的にチェンジの効果を破れました。

なのでお互い元の姿に戻っても体重がどうなのかとか

スライトを使えるのかどうかを確かめてみたいんです。」

「・・・いいけど、僕が前にナイトメアカードを使っていた時は

制限のあるチェンジ以外は所有権が僕に移ったよ?

だからスライトのカードはお互いの体に戻ってもそのまま使えると思う。

・・・体重は分からないけど。」

「お願いします。」

「・・・あ、でもその前にいいかな?」

「はい?」

「その・・・明日にしない?」

「えっと何か用事でも入ってました?」

「いや、その、シュトラが来るって言うからさっき媚薬を飲んで・・・」

「・・・はい?」

「きゅん!」

思わずシュトラが立ち上がる。

「も、もしかして・・・・」

「・・・寝てもいいかな?」


・3時間後。

「し、幸せ~~~~!!」

ものっそい肌がツヤツヤして

幸せそうな表情をしたシュトラが部屋から出てきた。

あとに続いてチェンジの効果で上半身だけ

本来の姿に戻ったユイムが出てくる。

「・・・ユイムさん。それ僕の体・・・」

「ごめんねライラくん。本人より先に童貞奪っちゃって。」

「・・・ま、まさか生で・・・」

「うん♪」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「で、そろそろいいかしら?」

ライラとは別の意味で顔を青くしたキリエがユイムを睨む。

この3時間相手をさせられていたライラは胃袋がどうにかなりそうだった。

「何よ、お姉ちゃん。妹のおめでたを蔑ろにしようって言うの?」

「それどころの騒ぎじゃないでしょうあなたは!

と言うより生まれてくる子供はどうするんですの!」

「私が誠心誠意込めて育てます!」

「あなたは黙っていて下さる!?」

コンマ02秒の応酬。

それから4人でタイトル会場に向かった。

既にキリエからの連絡を受けて特別に使えるようになっていた。

もちろんキリエだけの力では無理なため

キリエから要請を受けた政府が令状を出したわけだが。

「わあ、こう言う会場で客席が無人だとちょっと怖いですね。」

ライラが客席を見上げる。当然無人である上アナウンサーもいない。

「ならさっさと始めますわよ。」

キリエがライフを発動させるとライラとユイムがお互い元の姿になる。

「やっぱこの姿は落ち着・・きゃっ!!」

ユイムが元の姿で背伸びした瞬間ふわっと浮いた。

対してライラはしっかり地に足がついていた。

「これで体重を殺されたのは体ということですね。

・・・ユイムさん大丈夫ですか?」

「ら、ライラくんどうしてミニスカなの!?

まさか普段痴女スタイルなんかにしてないよね!?」

「し、してませんよ!

た、ただキリエさんがユイムさんはミニスカが好きだって言うので

元の姿に戻るならその方がいいかなって。」

「くっ・・・!完全に女物に馴染んでる・・・!

って言うか下ろして~!」

「はい、ユイムさん!!」

ライラが動くよりも先にシュトラが地を蹴ってユイムに追いつく。

「シュトラ・・・・」

「嗚呼!匂いも仕草も声も全部ユイムさんだ~~~~!!」

空中で浮きながらイチャイチャする二人。

「・・・このまま帰りますか。」

「いやいやいや。」

踵を返したキリエと慌てて二人を下ろしに戻ったライラ。


・それから4人は円cryンの家に戻った。

「え?泊まらないの?」

「あなたのお世話になる気も

こんな庶民の家で夜を過ごすつもりもありませんわ。」

早速玄関で言い争う姉妹。

「第一今のあなたと一緒に夜をこえては

何されるかわかったもんじゃありませんわ。」

「僕は近親相姦はしない主義だよ!

第一お姉ちゃんなんて全然好みじゃないもん!」

「私相手ではそうでしょうが他二人はどうするつもりですの!

第一あの子とあなたは正式に男女!

不純同性交遊も不純異性交遊も認めるつもりはありませんわ!」

「ら、ライラくんとはまだそこまでの関係じゃないもん!」

と、そこまで聞いてコップが落ちる音。

「・・・ゆ、ユイムさんまさかライラくんと・・・」

シュトラがムンクのような表情となって素早くエルブレイドを

出してライラに迫った。

「ライラくんでもユイムさんを奪うというのなら許さないわよ・・・!!」

「しゅ、シュトラさん、落ち着いて・・・・」

「・・・あんた達何してるのよ。」

練習を終えて帰宅した義妹が目にしたものは

エルブレイドで迫るシュトラとそれを白刃取りでギリギリで止める兄と、

玄関で大声を上げながら姉妹喧嘩をするキリエとユイムの姿だった。

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