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パラレルフィスト~交差する拳~  作者: 黒主零
1章:交差する拳
29/158

最終話「交差する拳~ずっとずっと言いたくて~」

29:交差する拳~ずっとずっと言いたくて~


・あれから三日が過ぎた。

ライラもリイラもユイムもキリエも事情の分かっている

国立病院に緊急入院となった。

ライラとユイムは怪我は治っているのだが

そのお互いの体を元に戻すための作業が行われているのだが、

やはりチェンジのカードが、

それもこの状況を作り出した交換チェンジがなくては意味がないらしく

医療でも魔術でもお手上げだった。

また、ライラが持つ2枚のナイトメアカードに関しては

没収されそうになったが持ち主を変えることが出来ない性質のため

使用厳禁と言う条件でそのまま持ち越された。

二人のP3から今回の事情を知り、早くも世界会議が行われた。

本来死刑に当たるユイムだったが黒幕の存在が

明らかになったし未成年ということもあるため保護観察処分だけとなった。

むしろライラの方が公衆の面前でナイトメアカードを

使用したことで懲役200年の実刑判決を下されそうになったが

突如届いた剣人からの手紙によりユイム同様保護観察だけになった。

また、社会の混乱を避けるためか二人が入れ替わっていたことは

公表されずに現在知っている者達以外に知られることはなかった。

流石に保護者には知られることとなるのだが

既に二人には両親は亡く、唯一の親族である姉と妹は既に知っていたため

あまり意味がなかった。

それよりも親族でないにも関わらず二人の関係を知っていた

シュトラやチーム風のメンバーには厳重注意命令が下された。

特にシュトラはキリエやリイラからも責められるは

ユイムとは結局会えずじまいだったりと終始涙目だった。


・後日。

ほぼ中断された状態であったタイトル戦が再開されることになった。

これはこの100年間で初めての異例であり

多くの注目と興味を引いた。

当然ナイトメアカードは使用禁止だ。

また、公式試合専用のライフは市販のものより性能が高く、

試合中という短い時間ならばチェンジの効果を上回れるという結果が出た。

なので、

「・・・うわあ・・・本当に僕の体だ・・・」

4ヶ月ぶりにお互い元の体に戻った。

「生えてないのは癪だけどやっぱ自分の体が一番だよね。」

ユイムもまた本来の姿に戻る。

「・・・思った。君僕より背低くない?」

「う!き、気にしてるのに・・・」

「でもバストは僕より上なんだよね・・・しゅん。」

お互いに気と肩を落とす。

「・・・そろそろ時間ですわ。」

キリエが言い、二人が舞台に上がる。

「さあ!異例のやり直しとなった602回タイトルマッチ!

防衛者はユイム・M・X是無ハルト!

挑戦者はライラ・円cryン!」

「せっかく格好つけたのにやり直しかぁ。」

「ユイムさんってば・・・」

「でも、今度は本当に僕が勝つ。

・・・僕も君のファンだからね。いい時間にしよう。」

「・・・はい!光栄です!!」

「では両者見合って見合って・・・試合開始っ!!」

号令と号砲。

同時に二人がカードを発動する。

テンペスト行使サブマリン!!」

ボム行使サブマリン!!」

ライラが暴風雨を起こし、ユイムが爆弾の弾幕を繰り出す。

相変わらずユイムの魔力は高く、

それに呼応しているカードの爆撃もまた凄まじい火力だった。

きっと一撃でも直撃を受ければアウトだろう。

しかしその火力も暴風雨で逸らしながらライラが距離を詰めていく。

「ステップ・行使サブマリン!」

脚力を強化して一瞬で10メートル先のユイムの背後を奪う。

「知ってるよ、3回目だからね。」

が、ユイムはライラの廻し蹴りをしゃがんで避けた。

「たあああっ!!」

そしてほぼゼロ距離で爆撃を叩き込む。

「ぐううううううううう!!!」

強化された両足でそれを受け止めるが威力が違いすぎて

吹き飛ばされてしまう。

「がはっ!!」

地面に叩きつけられる。両足が死ぬほど痛い。

しかしこのまま終わるわけには行かない。

だから立ち上がったのに、

「あれ?」

前方にユイムの姿はなかった。

「やっぱ僕って破壊力だけが自慢の女だからさ。」

「っ!?」

背後。ユイムが手を回してがっちりと腰をホールドしていた。

「痛かったんだからあの時の10倍返しで行くよ!

トルネイド・行使サブマリン!」

カードを足で発動してユイムとホールドされたライラの体が高速回転されながら

どんどん上昇していく。

天井に突っ込み、それでも止まらず雲を超えていく。

「・・・ありがとね。」

「え?」

「僕を救ってくれて。

ほ、ほら、僕ってガサツだし女の子受けは良くても

男の子受けは悪い方だからさ。・・・僕を好きだって事嬉しかったよ。」

「ユイムさん・・・」

「だから、今度はちゃんと君の口から言ってくれないかな?」

「・・・はい。僕はユイムさんのことが好きです。

今までも、そしてこれからも、ずっと。」

「・・・ありがと。

じゃ、そろそろ行っちゃおっかー!」

「へ?」

「ユイムちゃん秘伝スペシャルゥ~ロイヤルゥ~

パイルドライバァァ~~~!!」

急加速して急降下。亜音速で回転しながら超高度から

スタジアムの舞台に落雷のように叩き落とされた。

「ああああああああっ!!!改修したばかりなのにぃぃぃ!!!」

アナウンスの悲痛な叫びが木霊する中砂嵐と見紛うような土煙が上がる。

「・・・あのおバカ。」

「お、お兄ちゃん死んでない・・・よね?」

控え室の二人が呆然とする中。

「・・・・・・。」

土煙が晴れてそこにライラが立っていた。

ただしユイムの体で。

「・・・・・・・・・・・・あれ?」

周りを見やる。

背後に出来た舞台の残骸=クレーターには

目を回してばたんきゅ~してる自分の体。

「・・・そっか。さっきスタジアムの外に出ちゃったから

ライフの効果が一瞬切れて・・・またチェンジが発動しちゃったんだ・・・」

「決まったァァァァァっ!!!

やはり強いユイム・M・X是無ハルト!!

602回タイトルマッチはユイム・M・X是無ハルトの勝利!

よって602回連続でX是無ハルトがタイトル防衛に成功です!!」


・控え室。

「えっと、すみません。」

「・・・・いいもん。どーせ僕の勝ちだもん。」

頬を膨らませながら包帯を巻くユイム。

再び自分の姿相手に土下座をするのがライラであった。

「しかし、いいんですの?うちのバカ妹を引き取ってもらっても。」

「いいわよ。その代わりうちのバカ兄貴を引き取ってもらうんだから。」

その横ではキリエとリイラが紅茶を飲んでいた。

「コラー!バカ姉貴ー!馬鹿って言ったほうが馬鹿なんだぞー!」

「ならあなたが馬鹿じゃないですか。

と言うかしばらくじっとおとなしくしていなさい。

くれぐれも他人の名誉を傷つける真似はしないように。」

「・・・えっとそれにつきましてはもう後日談といいますか・・・」

「へ?」

「ま、まあ!それよりライラくんも僕の体あまり好き放題に使わないでよ!?

あと覗きはほどほどにね!たまにはシュトラも可愛がってあげてね!」

「は、はあ・・・。」

「それじゃ、またね。」

そうしてユイムはリイラと共に去っていった。

「・・・さあ、私達も帰りますわよ。」

「・・・はい、キリエさん。」

ライラとキリエもまたスカイカーで家へと帰っていった。

再び拳が交差するその日のために。


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