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パラレルフィスト~交差する拳~  作者: 黒主零
1章:交差する拳
24/158

24話「タイトル戦~運命の日~」

24:タイトル戦~運命の日~


・チーム風との試合を終えて一週間。

次のタイトル防衛戦に参加することを伝えたライラは

部員全員とのシングル戦と言うハードスケジュールを組ませられていた。

ライラはもちろん他の部員も地力を底上げ出来るいい機会のため

精を出してこのハードスケジュールに取り掛かった。

「・・・・・・・・・・」

月曜日。

何やら魂のようなエクトプラズマーを出すライラ。

「ユイムちゃんだいじょーぶ?」

「最近ほぼ毎日部員全員とシングルやってるからねぇ・・・危険?」

「い、いや、ありがたいと思う・・・よ・・・?」

「目が死んでるよユイムちゃん。」

「とても女子高生がするような表情じゃないね。」

ティラとラモンから心配されるがかなり酷い表情しか出せなかった。

なんせ平日は部員全員と、

休日はキリエが用意したメニューをこなしながら

ツテを使って全国各地から集めた名選手と試合をしてばかりいるのだ。

「X是無ハルトの名を背負って戦う以上は敗北など許しませんので。」

機械のように口を開けばその言葉を告げて

鬼のように仕立て上げられていく毎日だ。

事情を知っているだけにMMも強くは言えず

授業時間中は死んでいるかのように眠り続けていた。

一応栄養ドリンクは常備していて毎日のように愛飲じばくしているのだが。

「・・・・は!」

気付けば昼休みとなっていた。

「・・・あんた大丈夫?」

シュトラが思わず声をかけた。

「・・・うん、2,3時間くらい意識が飛んでた。

でも今までにないくらい魔力が活性化してきてるよ最近。」

「筋肉もついてきてるわね。

・・・嗚呼、私のユイムさんが・・・・。」

「・・・前々から思ってたけどシュトラさんって

ユイムさんと絶対ただの友達関係じゃなかったよね・・・?」

「あんた、それをここで言わせる気?」

「・・・そこまで進んでいらっしゃいましたか・・・。」

何がどこまでとは聞けなかったがしかし聞いたことはある。

女の子同士でもそういう関係になることがあると。

そこまで合点がいくと気付くことが他にもあった。

「・・・あれ、じゃ最初に僕に冷たかったのって

欲求不満もあったんじゃ・・・」

「・・・・・・。」

「いやいやシュトラさん?

ここでカードは出さないでくださいよ!?

しかもインフェルノなんて・・・・!!」

「あんたが変なこと言うからでしょうが。」

とにもかくにも二人で食堂に向かった。

既にティラとラモン、ケーラが来ていた。

「あらら。起こしてきちゃったんだ。」

「熟睡してるようだったから声をかけないできちゃったんだけど。」

「大丈夫ですよ。ありがとうございます。」

いくらか表情が良くなったライラ。

「MM先生から今日はお休みだって連絡が届きました。」

「え?部活ですか?」

「はい。恐らくユイムさんの体調を気遣ってのことだと思います。」

「そ、それは助かりました・・・。」

「その代わり寄って行きたいところがあるそうです。」


・放課後。

5人はMMの付き添いでカードショップに来ていた。

かつてバイトしていたところだ。

「まさかまたバイトをしろって言うんですか?」

「違うわよ。ただでさえ特訓できついあなたに

そんな肉体労働までさせられないわ。

ただまた振り込まれた部費が溜まってきたから

何か好きなカードを買ってあげるって言ってるのよ。

あなたのおかげか知らないけどあれ以来リイラの愚痴が減ってね。

私も寝不足が治ってきたのよ。」

「は、はあ・・・。」

まあ、じぶんが見つかったのだからそうだろう。

しかし様子から察するにまだMMは自分の正体に気付いていないようだ。

リイラも朗も特に告げてはいないらしい。

そのリイラともたまにメールをしているのだが

ただその日を待てとしか帰ってこない。

どれだけ自分に会わせたい人がいるのだろうか。

まさか小太郎かれしくんだろうか?

しかし妹はあれでかなりのツンデレだしまだ11歳である。

小学生同士の男女がつるんでいても特に不思議はないだろう。

・・・例えどちらかが本気の好意を抱いていたとしても。

さて、好きなカードと言われてもパラレルに置いてカードは何より重要だ。

だから例えどれだけ高価で強力なカードが手に入ったとしても

自分のスタイルに合っていないカードでは意味がない。

無理に使おうとしても自滅するだけだ。

だから結局前にMMが部費で購入してきた大量のカードの中から

自分の手札に加えたのはグラビティだけだった。

その辺りパラレル選手ではないMMではイマイチ分からない感覚かもしれないが。

「・・・・あ。」

その中で1枚のカードを発見した。


・それから一週間。

ついにタイトル戦が迫ってきていた。

「・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

そして今まで故意に避けていたケーラとも

練習で一騎打ちをするようになった。

ケーラも自分と同じくこの2年間一人で強さを磨き続けていた。

その結果一番得意な棒術で今のところ公式試合で

無敗と言う凄まじい成果を上げている。

だから自分もこの2年間で築き上げてきたモノをただぶつけるだけ。

「レンゲル・行使サブマリン

「ステップ・行使サブマリン

互いに一番得意なカードを使い一気に距離を詰める。

足技と棒術の嵐のような攻防。カードの応酬。

結果的に9分間のせめぎ合いにも関わらず決着はつかなかった。


・そして決戦前夜。

「そう言えば相手の名前とかって発表されないんですか?」

「ええ。そういうのは本人の判断に任せるそうですわ。

防衛側の方は予め登録する必要があるので

あなたが参加すること自体は一週間前には発表されてるはずですわ。」

「・・・でも僕の相手はまだ分からないわけですね。」

どんな相手なのだろうか。

不安と期待を込めてその日は早めに眠ることにした。


・そして翌日。

ついにタイトル戦。

午前中は軽いトレーニングを行い、昼食を食べてから

ライラとキリエがスカイカーで会場まで向かう。

既に多くの観客が集っていた。

二人が会場の前でスカイカーから降りる。

「いっぱいいますね。」

「当然でしょう。この世界で3本の指に入る大きな試合なのですから。」

そうして3人が歩いて会場に入る・・・その直前。

二人の足が止まった。

「・・・・え?」

エントランス前。

そこに本日の対戦組合カードが高々と掲げられていた。

そこには

ユイム・M・X是無ハルトVSライランド・円cryンと書かれてあった。


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