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パラレルフィスト~交差する拳~  作者: 黒主零
1章:交差する拳
23/158

23話「円cryンの流儀」

23:円cryンの流儀


・そして、チーム風との最終決戦が始まろうとしていた。

「じゃ、行ってきます。」

「行ってらっしゃい。」

「頑張ってねー。」

「期待してるよ、大将。」

「吉報をお待ちしています。」

「全力で相手してやってね。」

「ユイム先輩ファイトー!!」

シュトラ、ティラ、ラモン、ケーラ、MM、

そして後輩達のエールを受けて控え室を後にする。

正直ドキドキしていた。

勝敗がどうなるかについての緊張ではない。

久々に身内と会えて戦えると言う事実に焦燥していた。

ただ同様に自分の正体がバレてしまうのではないかという

不安もあった。

既にシュトラにはバレていて朗にもバレているだろう。

ケーラも勘付けられているしリイラにももしかしたら・・・。

と言うより昔の仲間に戦闘スタイルをそのまま見せたら

普通気付かれるんじゃないだろうか。

かと言って今更ユイムのスタイルにしてみても

今の仲間達から怪しまれるだけだ。

「・・・いっそのことチーム風のみんなに話を通して

ユイムさん探しを手伝ってもらうというのもありかも知れない。」

いろんな考えが交錯していく中舞台の前まで歩いてきた。

「・・・・・ん。」

一度立ち止まり唾を飲み込んでそして舞台に上がる。

「おっそ~~~~~い!!!」

と、既にリイラが舞台に立っていた。

「昔の剣豪にでもなったつもり?

私を待たせて嬉しいんですかぁ?

それに何よそのジャケット!どうして旧帝都ジャケットなのよ!!」

「まあまあ。都内には放送されてるんだから

小太郎くんに見られちゃうよ?」

「・・・え?どうしてあんたが・・・」

「さあ、久々に稽古をつけてあげるよリイラ。」

ライラが構えるとリイラも首をかしげながら構える。

「では、これより山TO氏高校パラレル部と

萬屋高校チーム風の交流試合、その最終決戦を始めたいと思います!

山TO氏高校からはユイム・M・X是無ハルトさん!

チーム風からはリイラ・K・円cryンさん!

見合って見合って・・・試合開始っ!!」

号令と号砲。

同時にカードが宙を切る。

「テンペスト・行使サブマリン!」

ライラが発動して舞台を暴風雨が襲う。

「くっ、」

体が吹き飛ばされないように膝を折って屈むリイラ。

その背後にライラが回り込んだ。

「あ、」

「遅い!」

そして背後からコブラツイストを喰らわす。

「あの戦い方・・・・」

チーム風の控え室。

升子が目を見開いた。

「・・・似てるな。昔のライラと。」

さっきやっと帰ってきた葵も驚いている。

「あのジャケットと言いあの戦い方といいどうなってるんだ?

あいつが好きだったユイムがどうしてあいつと同じ戦い方をしているんだ。」

「・・・まさかってことがあるんじゃないのか?」

飛鳥も個人での録画を始めた。

「・・・あいつが本物のライラって可能性がさ。」

「・・・ぬぬぬっ!!」

「っと!」

リイラがライラの手を無理矢理払って距離を取る。

それでも容赦なく暴風雨が体力と体重を奪ってくる。

少しバランスを崩しただけで勝機と見たライラが突進してきて

踏ん張っているリイラの膝に飛び乗りそのまま膝蹴りを顔面に叩き込む。

「今度はシャイニングウィザード・・・!?」

「まだまだ・・・!」

背後に着地してリイラの腰にがっちりとしがみつき、

きつく締めてからジャーマンスープレックスを叩き込む。

かなり上手く決まり、頭から地面に叩き落とされた。

「あ、ごめん、少しやりすぎ・・・た・・・」

慌てて振り向くライラ。

しかし、

「相変わらずこの手には弱いのね。」

「・・・・あ、あああ・・・・・」

背後に投げて叩き落としたはずのリイラの姿はなく、

代わりにリイラはライラの懐に

潜り込んでいて貫手を腹に打ち込んでいた。

そしてその状態から、

「ストリーム・行使サブマリン

「くっ・・・!」

貫手からビームのような魔力が放出される。

ギリギリで回避行動を取るライラだったが脇腹を掠めた。

「だけじゃないって分かってるでしょ?」

「もち・・・ろん!!」

ストリームを放ちながらまるで鞭のように横に薙ぐリイラ。

それに合わせるようにライラがステップで

強化された飛び蹴りを放った。

「シャイニングウィザードから背後に回り込んで

ジャーマンスープレックス。

それを私が虚像を生むジャムのカードで躱して

私を心配して振り向いたところに貫手。

そこからのストリームの斉射を咄嗟に避け、

薙ぎ払い式に変えたストリームをステップで強化した飛び蹴りで相殺。

・・・本当に久々だね。この一連の流れ。

どうしてそんな姿をしているのか。

大体察しはつくけど今は置いとこうか。」

「・・・リイラ・・・!」

ライラが一気に距離を詰めて膝蹴り。

それをリイラは手首だけで軸をずらして脇に回り込む。

しかしそのリイラには影がない。

つまり虚像ジャム

だからそれとは反対側を振り向き貫手を放とうとしていた

リイラのその手を止めて一本背負い。

が、それを受身で和らげ速やかに足払いでライラのバランスを崩し

ストリームを発動。

ライラも多少無理な体勢ながらもこれを回避。

距離を詰めてストリームを放つリイラの右手を掴んでカードを奪う。

が、奪ったカードはジャムのカードだった。

「そこ!」

放射したままのストリームでライラを背中からなぎ払う。

「・・・がはっ!!」

達人の廻し蹴りを受けたように転がり倒れるライラ。

が、転がりまわりながら1枚のカードを発動した。

それはグラビティ。

「わわっ!」

それも通常の超重力とは逆の反重力。

これで足が地面から離れてバランスを崩したリイラ。

そこへライラが突進してリイラを押し倒し、

両脇を両足で踏みつけ逆に自分の両腕を

リイラの両足の内股から入れて両手でリイラの首を逆クラッチする。

ちょうどパイルドライバーを浴びせたあとのような状態だ。

「僕が小細工が得意なのを忘れたか?」

「~~~~~!!!!」

リイラはコの字のような体勢で体を極められその状態で

ライラの締めと体重が加わる。

「パイルセーブ・コブラバースト!!」

そしてその状態でまるでリイラに挿入するかのように

自分の腰を相手の股間に叩きつけ

全体重が股間から脳天まで響き渡った。

「~~~~~~~っ!!!!」

みし、と音がして全身を痙攣させてからリイラは意識を失った。

「・・・流石にもう動けないはず。」

ライラが技を外して立ち上がるとリイラは完全に気絶してぐったりしていた。

「カウントダウン!1!2!3!4!5!6!7!8!9!テェェェェェェェン!!

決まりましたーっ!!勝者はユイム・M・X是無ハルト!!

この瞬間山TO氏高校が3勝を果たしたことで

チーム全体としても山TO氏高校の勝利となりましたーっ!!!」

試合が終わったことでライフが解除された。

「・・・・はっ!!」

数秒してリイラが目を覚ます。

「・・・あっ、」

そして何故か股間を手で押さえて悶えた。

少しだけ手に血が付いたような気がした。

「リイラ?」

「・・・えっち。」

「え?」

「・・・はぁ。来月のタイトル戦。

その時はあなたが出なさい。

きっとあなたが待ちわびた相手と出会えるから。」

それだけ言ってリイラは去っていった。

「・・・僕が待ちわびた相手・・・?」


・その後閉会式が行われた。

多くの観客が万雷の拍手をする中

舞台中央でライラとリイラが握手をした。

「今度そっち行くから。」

「・・・うん。」

それだけ言葉を交わして二人は互いに

チームの元へと並び号令をかけて一斉に頭を下げた。


・X是無ハルト邸。

「あの子、もしかしなくてもあなたの正体に気付いたわね。

キリエが録画ビデオを何度も見返していた。

「はい、そうだと思いますよ。

途中から昔二人で稽古をしていた時と同じような流れになってましたから。」

「・・・時に最後のあの技。

あれも昔からやっていた技ですか?」

「?いえ、今日初めてやった技です。

プロレス技ですからね。

その場その場に即興で編み出して叩き込むのが主流ですから。」

「・・・そう。なら元の姿に戻った時にやるのは慎みなさい。

義理とは言えパラレルの試合中に近親相姦で

子供が生まれましたなんて洒落になりませんから。」

「・・・?は、はぁ。

ところで次のタイトル戦っていつですか?

妹にそれには僕が出るよう言われたんですが。」

「タイトルですか?来月の中旬ですわね。

あと3週間ってところですか。」

「僕が出ても大丈夫なんですよね?」

「今のあなたはユイム・M・X是無ハルト。

挑戦者ならともかくタイトル防衛なら問題ありませんわ。

ですがどうしてあなたの妹さんはあなたをタイトルに出したいのでしょうか?」

「・・・・さあ、あの子の考えていることはよく分かりません。」

だが、静かに確実に物語は確信に進んでいるということを

この時はまだ誰も知らなかった。


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