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パラレルフィスト~交差する拳~  作者: 黒主零
1章:交差する拳
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20話「VS風」

20:VS風


・そしてやってきた初めての交流試合。

旧帝都まで赴き歴史ある古いスタジアムで試合を行うこととなった。

「・・・・・・懐かしいな。」

ライラが誰にも聞こえないようにつぶやく。

「ライラくん来たことあるの?」

「故郷が近いんだ。

前に言ったよく出ていた

公式大会っていうのはこの建物でやっていたんだ。」

「へえ、めちゃくちゃ古そうだね。」

「うん、ここがかつて日本の東京って言われていた時期に

オリンピックって言うスポーツの祭典があって

その会場になった場所なんだって。

もう何百年も前の話だけどね。」

ライラ含め26人全員でその場所・国立競技場を見上げた。


・スタジアム内。

既に観客がたくさんいた。

そして対戦相手チームも既に待っていた。

「・・・・・うわ、」

思わずライラが嫌な声を出す。

「どうしたの?」

「・・・ほぼ全員中学時代の同級生。」

「・・・・え?」

「・・・・・・・しかも、」

相手チームの中に一人だけ異様に背が低いのがいた。

それは、リイラ・K・円cryンだった。

「・・・向こうの大将は妹です。」

何故なら今から行われる試合前挨拶は

部長か大将がチームを代表して行うものだ。

そしてリイラが相手チームの中から一歩二歩と前進していた。

しかもまっすぐ自分に近づいて来ている。

「ユイム・M・X是無ハルト!」

「は、はい・・・・」

「あんたと関わったおかげでうちの兄はユイム馬鹿になりました!」

「・・・うっせ。」

「はい?」

「いえ、なんでも。」

「と、とにかく!今日は私が不埒な兄に代わってあなたをお仕置きしま・・・」

「こら!」

と、そこでMMがリイラの頭を小突いた。

「う、お姉ちゃん・・・・」

「一応初対面で相手チームの大将相手に何してるのよあんたは。」

「だ、だってぇ・・・」

「せっかくあんたの要望で交流試合をするんだから

ちゃんと礼儀よくなさい。」

「・・・・・・はぁい、」

「ま、まあMM先生。そこまでにしといてくださいよ。

そんなことよりこれから試合の挨拶ですよ。

ほ、ほら先生も相手方の先生と・・・」

「え・・・・」

「はぁ、そうね。そうなのよね。」

MMがため息をついて正面を見やった。

「ホッホッホッホ。何だか懐かしい光景じゃな。」

「相変わらずですね安ニッシーほがら・舞網・デルタテロス先生。」

車椅子に座って顎鬚をいじる老人。

この老人はMMが小学校時代6年間ずっと担任だった人で

昔から家族ぐるみで世話になってる人だ。なお御年185歳。

当然ライラも知っている。

そして今の会話。

「ホッホッホッホ、妙なこともあるものじゃ。」

「・・・・ううう、」

仕草とか話し方とかで見破られたかもしれない。

それに、

「・・・・・???む~」

リイラも今のでどこか腑に落ちたかもしれない。

「ま、まあよろしく。」

「ぜぇぇぇぇ~~~~ったい負けないんだからねッ!」

「・・・リイラ、」

「ひっ!お、お願いしましゅ・・・・」

「ホッホッホッホ・・・」

・・・今日はいろいろな意味で心配だ。


・控え室。

補欠含めて参加選手が専用服パラレルジャケットに着替える。

なお本日は公式戦ルールではあれど

交流試合だからか3勝した方が勝ちではあれど

そこで試合が終わるというわけではなく全5戦全てやる事になっている。

「マリナさんとマリアさんは初陣でしょうが

なるべく緊張せず自分のスタイルを維持。

普段の練習通りに戦えばきっといい成果が生まれます。」

「「はい!」」

ケーラが二人にアドバイス。

「ま、最初は先輩達の試合を見てるといいよ。」

「・・・私達でも勝てるかどうかは知らないけどね。」

ティラとラモンが控え室を後にする。

「・・・で、あんた何でいつもとジャケット違うの?」

「あ、はい。姿は違えど一応旧帝都人ですので

やはりこの旧帝都カラーがいいかなぁ、と。」

「・・・バレるわよ?向こうの監督にはバレてるんでしょあれ?」

「た、多分・・・。」

「・・・と言うか同郷の人間もいるわけだし

ここで全部話しておいたらどうなの?

少なくとも妹さんには・・・」

「・・・うん、試合が終わったらそうしようと思う。

MM先生にも言っておこうかと・・・。」

話をそこで終えてモニターを見る。

なおキリエから決して壊れることがないであろう

録画用カメラを仰せ預かっている上

今度はMMがそのカメラを回している。

当然既にビーストは封印済みだからヘマはしないはずだ。

(・・・それに、リイラ相手ならば心配はいらない。

それよりも・・・・

モニターの中ではかつての仲間が今の仲間を圧倒していた。

チーム風の方の二人は昔から仲が良かったし息も合っていた。

シングルならともかくタッグを組まれると

たとえ自分が二人いたとしても勝利は難しいとシミュレーション結果が出ていた。

だからか、

「あ!」

インターバルまであと10秒と言うところで一気に攻め込まれてしまい、

ティラとラモンはダウンしてしまった。

「勝者・チーム風!」

アナウンスが入ると同時に控え室で大規模なため息が蔓延跋扈。

特に次に戦うマリナとマリアの二人は

まるで生きる希望の全てを失ったというような冷たい表情と化していた。

「・・・マリナさん、マリアさん。

決して絶望はしないでください。

人間誰しも、どんな相手でも負ける可能性はあるんです。

それが見知らぬ相手なら尚更。

でもそれは相手にも当てはまるんです。

相手からしたらお二人も見知らぬ相手。

どんな攻撃をしてくるか全く分からない脅威の相手なんです。

だから、決して最後まで諦めないでください。

ティラさんもラモンさんも最初はあんな事を言っていましたが

最後まで戦えました。

僕の目から見てあちらの方が圧倒的に有利でした。

最終的に負けてしまいましたがでもあなた方は違う。

自分達だけの可能性を信じてください。」

「は、はい、ユイム先輩。」

「が、頑張ってみます・・・!」

「・・・案外いいこと言うじゃない。」

「・・・昔僕が初めて試合をしてそのまま負けてしまった時に

自分にそう言い聞かせて立ち直ったことがあったので・・・。

その場所がちょうどここ。

だからちょっと先輩ヅラしてみたくなりまして・・・。」

「・・・そう卑屈にならなくてもいいわよ。褒めてるんだから。」

「はい、ありがとうございます。シュトラさん。」

試合に臨む二人の背を見送りシュトラと交わす。

話し終えるとすぐにティラとラモンが来た。

「・・・にゃはは、ごめんね。負けちゃった。」

「あそこまで息ピッタリだとは・・・」

「大丈夫です。あの二人は小学校時代から一緒なんですから

通じ合ってて当然です。

お二人ももっともっと連携を鍛えられると思います。

挫けず頑張ってください。」

「ユイムちゃん・・・。」

「あの二人のこと知ってるの?」

「え?えっと、そういうわけではないのですが・・・」

「・・・先が思いやられるわね。」

シュトラが溜息をこぼす。

そして始まった後輩二人の初陣。

当然舞台に上がった時点で控え室の同じ中等部の

メンバーは声を上げて応援を始めた。

「今度の相手は?」

「片方は知ってるけどもう片方は見たことない顔だね。

だからきっとあの子達と同じように中等部の後輩だと思う。

相方のあいつは面倒見のいいタイプだから

きっと後輩の初陣のサポートをするのだと思う。」

「・・・大丈夫かしら、あの子達。」

「努力の結果に上下はあっても才能の上下はありませんよ。

誰しもがそれぞれオンリーワンの可能性を持っています。

それに、あの二人なら・・・。」

ライラがモニターを見る。

「・・・行こう、マリア。」「うん、マリナ。」

二人がカードを出す。

「バレット・行使サブマリン!」

「シンクロ・行使サブマリン!」

そして2枚のカードが発動された。


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