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パラレルフィスト~交差する拳~  作者: 黒主零
4章:遠き日より来りて
115/158

114話「激戦の準決勝・後編」

27:激戦の準決勝・後編


・全国大会準決勝シングル戦1。

「それじゃ行ってきますか。」

控え室。シュトラが席を立つ。

「シュトラちゃん、頑張ってね。」

「自分を信じて。」

「頑張ってきてください。」

ティラ、ラモン、ケーラから送られたエールに3ピースで応え、

黙ったまま自分を見送るミネルヴァとラットンに

笑顔で応え控え室を後にする。

「あ、シュトラさん。」

長い廊下。途中でライラとパルフェが正面に見えた。

「頑張ってきてくださいね。相手は色々凄い人達ですから。」

「ああ・・・うん。分かってる。別の意味で期待してるよ。」

「シュトラ先輩、ファイトです。」

二人とハイタッチを交わしてからすれ違う。

「・・・さて、私の相手はどんな変人かな。」

シュトラが舞台に上がると、同じように向こうから対戦相手がやってきた。

何と相手はリイラや升子と同じかそれ以上に幼い容姿の少女だった。

しかも裸マントで立っていた。

「ちょっ!?あなた何してるの!?そんな格好で!?

これ全国放送されてるのよ!?」

思わず対戦相手側にダッシュしてマントで体を隠す。

「・・・これ私の国の正装だから。」

「どんな変態国家よ!と、とにかく何かでせめて前だけでも・・・」

「・・・これ私の国の正装だから。」

睨まれてしまった。身長130にも満たない少女に裸マントで。

「シュトライクス@・イグレットワールドさん、

試合前に対戦相手に触れるのはルール違反ですよー。」

「え!?いや、これルールとかそれ以前に社会的にまずいのでは!?」

「彼女は裸マント帝国の出身ですので法律で

わいせつ物陳列罪が免除されています。」

「どんな帝国よ!」

「とにかく試合を始めたいので所定の位置についてください。

反則負けにしますよ?」

「うう、社会道徳と乙女の貞操が変態国家の法律に敗北している・・・」

仕方なくシュトラが自分の位置に戻る。

「ではこれよりシングル戦1を始めたいと思います!

嘉手納高校からはミルフィーユ・S・裸ディッシュフォールド選手!

山TO氏高校からはシュトライクス@・イグレットワールド選手!

それでは!見合って見合って・・・はじめっ!!」

号令と号砲。同時に2枚のカードが宙を切る。

「どっからカードを出した!?ぐ、グリップ・行使サブマリン!」

「裸こそ美麗の極み。メテオ・行使サブマリン

握力を強化したシュトラに直径10メートルの隕石が落下する。

が、シュトラはそれを受け止めて殴り砕きミルフィーユに突っ走る。

「早く試合を終わらせて幼女の全裸全国放送を止めさせないと・・・」

「何を言っているの?幼女の全裸を余すところなく周囲に晒すのが

我が帝国の誇り高き文化にして売り物だというのに。」

「いやいやあなたこそ何言ってるのよ!?」

接近してミルフィーユに殴りかかるシュトラ。

しかしミルフィーユは華麗にマントを靡かせてその打撃を受け流し

シュトラの両肩を手でつかんだまま跳躍。

「マーンプレスキック!!」

そのまま勢いをつけて股間をシュトラの股間に叩き込んだ。

「~~~~~っ!?」

思わぬ激痛によりシュトラが膝から崩れ落ちる。

マス行使サブマリン

2枚目を発動すると今度はミルフィーユが数百人ほどに分身した。

「全国放送されてる試合会場を覆い尽くすほどの

裸マントな幼女の大群!?」

ツッコミを入れるシュトラを20人のミルフィーユが蹴り上げ、

空中でシュトラの手足に5人ずつミルフィーユがまとわりついて

それぞれの関節を極める。

そして内側の4人がシュトラの胸や股間をまさぐる。

「ちょっ・・・!なにして・・・ひゃん!!」

「これで集中できないでしょ。そしてこのまま必殺技。」

まさぐられながらシュトラの懐からすべてのカードが奪われ

そして上空から関節を極められながら超スピードで落下する。

「マーンプレスバスター!!」

舞台にマントルが形成されるほどの破壊力が発動した。

凄まじい土煙が上がり数百人以上の裸マントのシルエットが浮かび上がる。

それら全てが1つに戻ると同時に土煙が晴れ、

ミルフィーユのマントが風に靡かれると同時に背後でシュトラが倒れた。

「そこまで~~っ!!勝者・嘉手納高校!!」

「裸マントを舐めないで。・・・物理的に舐めるのはいいけど。」

「・・・やっぱ年下の女って怖い・・・」

しくしくしながらシュトラが舞台を後にした。

「ロリゴリラ怖い・・・ストーカー怖い・・・

ロリ小姑怖い・・・裸マント怖い・・・」

「・・・何してるのよ。」

ブツブツ言いながら廊下を歩いていると正面からラットンが来た。

「ラットン・・・」

「あんたとティラ達は勝率が連動でもしてるの?

まあいいけど。私は勝ってくるからあんたは控え室で全裸待機ね。」

「な、何よそれぇ!」

「私とケーラの勝利を待っていなさい。」

「も、もう!頼んだわよ?」

ハイタッチを交わしてすれ違う。

「ではシングル戦2を始めたいと思います!

嘉手納高校からはノンマルト・ザバンギ・地球人選手!

山TO氏高校からはラットン・MK・Hル卍選手!!」

ラットンの対戦相手はレースクイーンのような

格好をしながら怪獣っぽいお面を被っていた。

「全員が全員面妖なのね。教えてあげるわ。

なんだって王道が一番だってことを。」

「それでは!見合って見合って・・・はじめっ!!」

号令と号砲。同時に2枚のカードが宙を切る。

「「フレイム・行使サブマリン!!」」

そして互い同時にフレイムのカードを発動して火炎弾同士を激突させる。

舞台中央で激突して爆発して無数の火花となった火炎弾。

それが再び空中で集まって再度激突を果たす。

ノンマルトが新しい火炎弾を作り出して発砲すると

ラットンは滝のように炎が下る炎の壁を作り出してそれを防御。

そして地面に落ちた火炎弾を無数の小さな火炎弾に変換して打ち返す。

ノンマルトが新たな火炎弾を作り出そうとした時、

無数の小さな火炎弾はノンマルトの周囲全方向を覆うように移動して

ノンマルトを中心に高速回転して炎の渦を生み出した。

ノンマルトが火炎弾を連射して破壊しようとするが

密度が深く中々突破できない。

ばかりかどんどん炎の渦は内側に収縮をしていき

やがてノンマルトを完全に包み込んだ。

「・・・・くっ・・・!」

半ば無理矢理に力ずくでノンマルトが炎の渦から抜け出すと同時に

ラットンが新たな火炎弾を発射。

迎撃前で無防備なノンマルトを激しく吹っ飛ばす。

そしてノンマルトを吹っ飛ばしてなお爆発せずに宙を舞う火炎弾が

急加速をして旋回して空中のノンマルトを背後から穿ち今度は爆発する。

「・・・・っ!!」

背中から爆炎と煙を上げながらノンマルトがラットンの手前に落下する。

ミクロ行使サブマリン

と、ラットンが新たなカードを発動し、

ノンマルトの姿が100分の1にまで縮小した。

この効果は数秒しか持たない。

なので縮小した直後に1、6センチ程度のノンマルトを

厚底ブーツで踏み潰した。

十分に念入りに踏みにじってから足を離すと

ノンマルトが元の大きさに戻るが

ズタボロになっていて当然気絶していた。

「そこまで!勝者・山TO氏高校!!」

アナウンスがかかりライフの効果が切れる。

「・・・さて、後はケーラだけね。結局いつものパターンのようね。」

ラットンが舞台を後にする。

「・・・では行ってきます。」

控え室。ケーラが席を立つ。

現在2勝2敗。次の大将戦で全てが決まる。

そこに今まで無敗であるケーラを当てるのは考えてみれば当然のこと。

負けられない勝負にケーラが臨もうとした時だった。

「!?」

突然手の甲の消えない判子印が輝くとケーラが膝を折った。

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