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0 まばたきほどの幸福は

 母親の死因はまぎれもなく娘だった。


 彼女はそれを判っていて、それでもわが子を愛し続けた。

 娘が何も知らないうちに、いつしか自分を殺すとしても。

 ついに死の際にあっても、母親は最期まで手を伸ばした。



 愛は本物であったが、死の事実は(くつがえ)らない。

 いかな魔法であろうとも、命が戻ることはない。

 父親にはそれがすべてだった。

 妻を終わらせた娘など、情けをかけるに(あた)わなかった。



 幼い娘にしてみれば、世界のすべては父と母だった。

 母が冷たくなったとき、父がこの世のすべてとなった。

 ゆえに父親の一言は、娘の生を決定づけた。


「死神め。お前なぞ生むんじゃなかった!」

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