2 漂う湯気に暖かい安息
警備隊、ロワリア部隊隊長の或斗は、自らに与えられた五日間の休暇を、当初のうちは自宅ですごす予定だった。警備隊の人間、それも部隊長が五連休とは贅沢な……或斗がそう思ってしまうのは、少し前まで休暇らしい休暇も満足にないような激務が当たり前のセレイア部隊にいたせいで、感覚が麻痺してしまっているからだろうか。しかしこの五日間は、休暇とは名ばかりの療養期間である。
或斗は現在、腹部に大きな傷を負っている。事故ではない。無論のこと自傷でもない。これはまぎれもない傷害事件であり、或斗は運悪くそれに巻き込まれてしまったのだ。今朝になって知ったことだが、どうやらそれが最近になって巷を騒がせている連続通り魔によるものだったらしい。今のところ被害者の共通点は女性であることで、本来狙われていたのは或斗ではなく、そのとき或斗と一緒にいた女性の部下だった。
或斗は間一髪で彼女をかばったが、その結果がこのざまである。夜道での出来事で暗かったこと、そして腹部の痛みに気を取られてしまったこともあって、犯人の姿は見ていない。その部下も同じくだ。はっとしてあたりを見まわしたころには、とっくに犯人らしき影はなく、まんまと逃げられてしまった。
ともあれ傷を負ったのは或斗だけで、一緒だった部下が無事に済んだのは僥倖と言える。部下と言うが、或斗にとっては大事な相棒なのだ。そのときは偶然近くにいたギルドの者が騒ぎに気付いて駆けつけてくれ、そのままギルドの医務室で治療を受けて帰宅した。出血こそひどかったが致命傷には至らず命に別状はない。軽傷ではないが、動けないほどの重傷ではなかった。
或斗も一応は能力者だ。能力者というのは非能力者に比べて身体が丈夫にできており、個人差はあるものの自然治癒力も高い。なのでこの程度で済んだのだ。ひと晩休んだだけでも、慎重に動けばどうにか歩ける程度には回復していた。自分の治癒力もなかなか捨てたものじゃないようだと楽観的に捉えて仕事に向かったが、さすがに考えが甘かったようで傷口が開いてしまった。仲間たちに事情を説明したところ、だからといって無理は禁物だと説教されてしまい、半ば強制的に自宅謹慎まがいの休暇を得た――ということだ。
一日目は一刻も早く傷を治して仕事に復帰するため安静に努めていた。二日目の時点で、ゆっくり歩くだけなら傷が開く様子はなく、痛みこそあるものの動けなくはない状態になった。すぐ傍に傷を診てくれる人がいないので素人判断だが、もう大丈夫そうだと考えてしまい、そうなるとじっとしていられなくなった。
通り魔事件についての情報は、現状ほとんど得られていないと言っていい。ロワリア東部からレスペル西部にかけてを中心に被害があがっており、おそらく同一犯の仕業だろう。犯人の目撃情報は一切なく、犯行は夕方から夜中にかけての暗い時間におこなわれる傾向にあるが、日の高いうちに被害が出ていないわけではない。時間帯へのこだわりはそれほど強くないようだ。
本来、警備隊はそれぞれの地域に部隊を分けて担当し、それぞれの担当区域の中で活動していて、管轄外の事件には関わらない。ただし、ロワリア部隊は例外的に、その管轄という概念がない。いや、ロワリア部隊というのだから当然ロワリアを担当しているのだが、ここには既に自警団の役割を持つギルドがあるし、ロワリア自体は治安がよく、今回のような事件は滅多に起きないので、普段であれば警備隊の出る幕などほとんどないのだ。なのでロワリア部隊はロワリア国以外にも、隣国のレスペルや、ロワリアからは遠く離れたウィラント国やリラ国で起きた事件であろうとも、応援要請に応じてあちこちを飛びまわる。警備隊はどこも人手が足りておらず、平和なロワリアには人がいても仕方がないので、人員補充所としてうまいこと利用されているのだ。聞こえのよい言い方をすると、ロワリア部隊の活動区域は南大陸全体である、ということだ。
そういう事情もあって、他部隊の頭数の補給のためにあると言って過言ではないロワリア部隊は、現在に限らず常に多くの隊員が出払っている状態だ。つまりロワリア部隊も結局は人が足りていない。それでも今までは大騒ぎするほど困ったことにはならなかったのだ。ロワリア国内において、なにか起きても警備隊より先にまずギルドのほうに通報が入ることのほうが多いし、この国で警備隊のすることといえば、ギルドではなく警備隊に事件や事故の通報が入った場合と、ギルド員が現場に向かったものの現場検証などの専門的な知識や技術が必要な場合と、事故はともかく事件は少ないので滅多にないことなのだが、ギルド員が拘束した容疑者の身許を引き受けることくらいだろう。
発足からわずか十年。それまでは他の地域同様、ロワリア国の平和は警備隊が守っていたのだが、この十年で国民の信頼は警備隊よりもギルド側に傾倒している。それでもロワリア部隊がギルドに文句のひとつもつけないのは、若輩者だらけなぽっと出の組織のわりに、ギルドの事件や事故への対応がしっかりしていることと、ギルドの人間が正真正銘の善人ばかりであること。ギルド自体に警備隊の存在を軽視するような態度や素振りが一切ないことに起因している。なんでもかんでも自分たちの判断で決行するのではなく、警備隊に任せるべき事柄はきちんと警備隊に知らせ、判断を仰ぎ、現場に警備隊が居合わせれば隊員たちの指示のもとで捜査を支援するなど、自分たちが特別な資格を持たない一般人である前提を忘れず、弁えた言動をとる姿が好印象であるのだ。
出すぎず、驕らず、誠意がある。そういった素行のよさから、ロワリア部隊もギルドを信頼している。ギルドを信じて任せているのだ。ロワリア部隊は他の部隊より温和で友好的な者が多く、よく言えば柔軟でおおらか、悪く言えば平和ボケした集団なので、ギルドに手柄を取られただのと騒ぐ者もいない。人が足りていないのだから、手伝ってくれると言うならそれでよし、大助かりだ――ということだ。
ロワリア部隊の人員が他部隊に吸い取られて、本来管轄すべきロワリア国内の警備が手薄になったとしても、この十年はギルドに助けられてなんとかなっている。ときには警備隊からギルドに手を貸してほしいと依頼することもあるくらいだ。そういったこともあるからこそ、ロワリア部隊からのギルドへの印象は良好なのだ。とはいえ、身辺警護やカルセット討伐ならまだしも、やはり犯罪捜査をおこなう専門職である警備隊と比べ、ギルド員たちは素人でしかない。今回の通り魔事件をギルドに丸投げするわけにはいかないのだ。ギルド側もそう認識しているだろう。
幸いなことに、まだこの通り魔事件で死人は出ていない。しかし、いつそうなってもおかしくはない状況だ。或斗が受けた傷は、能力者である或斗だからこの程度で済んだものの、本来狙われていた彼女が受けていれば無事では済まなかっただろう。他の被害者についても、かすり傷程度で済んだ者がいれば、これが非能力者であったなら致命傷になっていたかもしれないような傷を受けた者もいる。
或斗は各地に散らばった部隊の人員をいくらか呼び戻そうとしたが、派遣先の部隊の者には死人が出ていないなら優先度は低いと一蹴されてしまった。既に死者が出ている事件に優先して人手を割き、それ以外は余っている者か、人がいないならそのまましばらく待機する他ないと。バカげている。他の地域を手伝う前に、まず自分たちの担当区域であるロワリアを守らずしてどうする。人の命に順序などつけて、まだ救えるはずの、これから損なわれるかもしれない命を無視しておいて、なぜ警備隊を名乗れるというのか。善良な市民が卑しい悪意に喰われようとしていることを知って、なぜじっとしていられるのか。
療養三日目の朝。或斗は玄関に掛けてあった外出用のコートに袖を通した。
ロワリア国には二軒の喫茶店がある。逆に言えば、喫茶店は二軒しかない。だが国土の端から端まで歩くのにも一日かからないような小さな国なのだから、これはこれでちょうどいいのかもしれない。リワンにある小さな店『リヴェル』と、中心部ロワリアにある少し大きな『ロヴァルト』がそれだ。ロヴァルトはコーヒーが、リヴェルは紅茶がおいしいと評判だ。
或斗は賑やかなほうが好きなので、喫茶店を名乗りつつもレストランの趣が感じられるロヴァルトの明るさが好みなのだが、待ち合わせをしている相手の性格や好みを想像するに、正統派な喫茶店らしく静かで落ち着いた、ややクラシカルな雰囲気が漂う、紅茶の味に自信があるリヴェルを選ぶのが正解だろう。
或斗が到着したとき、彼は既にそこにいた。てっきり先に店内で待っているものと思っていたが、彼――探偵は店の外で壁にもたれながらじっと立っている。茶色い肩掛けとスーツに赤い蝶ネクタイがよく映える。やや赤みがかった茶髪に、つりあがった目じり。どこまでも澄んだ青色の瞳は、すぐ傍を転げまわっている小人を見ていた。灰色の髪が顔をほとんど隠していて、口元くらいしか認識できない。いつも着ているコートは首から足首までをすっぽり覆い、袖はだぼだぼに余っている。名前は寿というらしい。
「最後に会ってから少々の間が空いたが、そのバカげた面は変わっていないようだな」
或斗が声をかける前に探偵が挨拶のように言ってこちらを見た。不機嫌そうな顔だが、彼はいつでもそんな表情をしているし、口が悪いのもおおむね平常通りだ。なので発言と表情だけでは本当に彼の機嫌が悪いのかどうかは判断できない。
「約束の時間はとうにすぎているぞ。私はな、本来であれば今日は休日となるはずだったのだ。わかるか? わざわざ貴様の呼び出しに応じて、貴様に会うためだけに、こちらは貴重な休日を返上してきているのだ。約束通りの時間に、指定された場所に。だのに当の貴様が遅刻するとは何事だ? いったいどこで道草を食っていた?」
撤回しよう。彼は今、本当に、とんでもなく、機嫌が悪い。
「い、いや、それは……ごめん」
言いわけをしようにも、とてもではないができる空気ではない。或斗が遅れたのは傷の痛みで歩く速度が普段より落ちてしまったせいだ。家を出る前にはそのことを失念しており、移動に時間がかかることを計算に入れずに出てきてしまった。つまりはただのドジ、うっかりである。うっかり遅刻したことへの言いわけなど思いつかないし、怪我のことを素直に話して同情心につけ込んでも無駄だろう。そんなことが通用するような、簡単な相手ではないのだ。どう考えても素直に謝罪するが吉だ。
探偵は、ふん、と苛立ったように鼻を鳴らして顔を逸らすと、店の扉に手をかけた。
「もたもたするな。時間は有限だ」
鋭く言って、彼はさっさと中に入っていく。飛びて行く扉の隙間を寿がするりとすり抜けて行った。これ以上探偵の機嫌を損ねるわけにはいかない。或斗も二人に続いてリヴェルの店内に脚を踏み込んだ。
*
「それで、私になにをしろと? 依頼の話ならば聞いてやるが、もし取るに足らぬくだらん話のために私を呼びつけたというのであれば、貴様の眉間に鉛玉をくれてやることもやぶさかではないぞ」
ウエイトレスが紅茶ふたつとオレンジジュースをテーブルに置いて去ったところで、探偵が対話を促す。或斗はテーブルの上で組んでいた手をほどいて切り出した。
「最近このへんで起きてる通り魔事件の話は知ってるか?」
「詳細までは調べていないが、そういった事件が起きていること自体は知っている」
「今のところ被害者は女性だけで、まだ死者は出ていないんだが――」
「被害者は重傷なのか?」
「重傷……というほどではない、かもしれないけど。いやそうでもないのかもしれないな……」
「最高に歯切れの悪い返事だな。はっきりしろ」
「意識不明とか、生死の境をさまよったとか、そこまでじゃない。能力者と非能力者じゃ重傷、軽傷の基準が違うから……傷口の大きさも深さもそれぞれ違うし。根拠はないけど、犯人はたぶん、はっきり殺す気でやったわけじゃないけど、仮に死んでしまったとしてもかまわない……ってスタンスなんじゃないかと。いつ死者が出てもおかしくない。今のところは命に別状はない程度の被害で収まってるけどな」
探偵は紅茶をひと口、じっくりと味わいながら或斗の言葉を聞いていた。
「まあ、四日ほどでそうして動けるのだから、取り立てて騒ぐほど重傷ではないのだろうな。これからどうなるかはさておき、まだ傷害事件の域か。これが殺人事件になる前に対処せねばならん」
「ああ」
頷きながらカップに手を伸ばすが、はたと顔を上げた。紅茶のように赤い茶髪と、長いまつ毛。じっと見ていると吸い込まれそうになるほど深い、深海のような瞳。
「……え? ど、どうして知って」
「どうしてもなにも、貴様はギルドの医務室で治療を受けたのであろう? ならば、そのギルドに籍を置いている私がそれを知っていたところで、なにもおどろく必要はないはずだぞ」
「あ、ああ、まあそうか……」
たしかに探偵も、探偵でありながらあのギルドの一員でもある。ならば或斗に手当てを施したギルドの医師――千野原涼嵐医師からなにか聞いていたとしても、なにもおかしなことはない。
千野原家は世界的に見ても有名な、名医の家系だ。千野原涼嵐は歴代でもとくに、若くして腕の立つ医師らしく、彼女は数年前までは世界を渡り歩きながら、行く先々で出会ったあらゆる罹患者や負傷者を救ってきたそうだ。どうやってギルドが彼女を引き込んだのかはわからないが、彼女の診察を受けるためにわざわざギルドへやってくる患者も少なくないらしい。
「じゃあ、千野原医師から俺のことを聞いたんだな」
あのギルドでの個人情報の扱いはどうなっているのだろうか。或斗は別に気にしないが、問題になりそうではある。しかし探偵は否定した。
「いいや。涼嵐からは夜間に怪我人が来たとしか聞いていない。医者が、それもあの女が患者の情報をそう易々と明かすはずがなかろう。単純に、貴様がその患者であったことを察しただけだ。むずかしい話ではない」
「なんでそれが俺だって?」
「歩き方を見ればわかる。貴様としては無意識のことかもしれんが、腹部をかばっているな? 歩く速度が平常よりも遅い。今日の遅刻は傷が原因と見える。おおかた、怪我で移動速度が低下していることを計算に入れ忘れて出発したのだろう」
完全に見抜かれている。
「ただのかすり傷でそうはならん。それなりに大きな傷であれば、なんらかの治療が必要だ。そこそこの傷を負いながら、自力で歩けるということは相応の日数が経っている。能力者の治癒力ならば三日前後だろう。そしてちょうどそのころに怪我人が来たという話を医師から聞いた。実に単純で簡単な連想ゲームだ」
「ああ、はあ、なるほどたしかに。……なんの話だっけ?」
「頭が悪いと自分からはじめた会話の本筋すら記憶していられなくなるのか。難儀なものだな」
「まあな」
「最近このあたりで頻発している連続通り魔事件。被害者は今のところ女性のみ、死人は現状出ていない。……経緯はどうあれ貴様もその被害者の一人。まさか女だったとは知らなかったぞ。この私をあざむくとは、なかなかできるようだ」
「揚げ足を取るなよ……こうまで男みたいな背格好と声の女の人がいるわけないだろ」
「さあ、それはどうだろうな。世界中を探して歩けば一人くらいは……いや、たしかギルドに二人ほど、それに近しい特徴を備えた者がいたか」
くっく、と探偵は喉を鳴らして笑う。或斗は紅茶を飲むが、砂糖とミルクを大量に溶かし込んだそれは、もはや紅茶というより紅茶味の甘いミルクだ。これがコーヒーでも同じことになっていただろう。或斗は甘党だが、苦味を避けたいというよりは、単純に脳が甘いものを求めてやまないのだ。人より脳が疲労しやすいためだろう。或斗に限らず、能力者の体は甘いものやカロリーの高いものを求める傾向にある。魔力を使うにはエネルギーが必要なのだ。
「率直に言うと、捜査を手伝ってほしいんだ。ロワリア部隊は今本当に人手がなくて。俺が休んでる隙に、署に残しておいたはずの人員まで、ほとんどが他の部隊に引っ張り出されたみたいでな。この件にまわせる手がほとんどない状態だ」
「ロワリア部隊は別部隊の人手タンクである前に、ロワリアを管轄する治安維持部隊だろう。それがこのていたらくでは本末転倒ではないか」
探偵の呆れたような詩的に或斗は強く頷いた。
「そう! そうなんだよ、機能不全もいいとこだ。お前ならそう言ってくれると思った。死人が出てないとはいえ事件は事件だ。たしかに他の部隊だって大変なんだろうけど、自分たちの本来の仕事がおろそかになるほど人手を渡さないといけないなんておかしい。他の部隊の連中はこっちの事情なんておかまいなしだ! 誰かを傷つけるやつがいて、傷つけられてる人がいるなら、俺たちは一人でも多くの被害者を救って、一刻も早く事態を解決するべきだろ。善良な命が失われることがないように、傷つく人を一人でも減らせるように全力を尽くすのが俺たちの仕事であって、死人が出てから動いてたんじゃ絶対に遅い! 上の人間も他部隊の連中も、なかなかどうしてそのあたりがわかってない。人の心ってもんがないのかねえ」
「暑ッ苦しい男だな……聞こえのいい綺麗事の理想論でしかないが、理想なくして良い環境は作れないと言えば一理ある。貴様がその上の人間になることができれば、警備隊も今より少しくらいはマシな組織になりそうなものだ」
「やっぱりそうするしかないよな」
「……ふ。野心のある者は嫌いではない。事件についてだが、たしかギルドにも被害にあった者がいると聞いている。ひとまずはそちらから話を聞いてみるとしよう」
「警備隊が入手した情報はすべてギルド側に開示する。ただ、療養中っていうのもあって、俺はあと二日は動けないから、その間の俺個人の動きにはあまり期待しないでくれ」
「元よりそのつもりだ。貴様が動けるようになるまで待ってもいいが……まあ、わざわざ貴様が動かずとも、署に残っている隊員のうち、とくに貴様を支持している者を利用することもできよう」
「言い方が悪いな……探偵、このあとはどうするんだ?」
「このままギルドに戻る。今日は休日だが、來坂礼からも次の仕事の話があると聞いているのでな」
「それって休日って言うのか?」
「あくまで話を聞くだけだ。働く気はない。ゆえに仕事のうちには入らない」
「お前の中ではそうなんだな……」
探偵は空になったティーカップの隣に代金を置き、襟元を正して立ち上がる。探偵の隣でストローを噛みながらジュースを飲んでいた寿が、退却を察して椅子から飛び降りた。ストローは口に咥えたままだ。
「組織内にまで被害が及んでいるのであれば、ギルド側もなんらかの対策を打って出るだろう。ここで私が断ったところで、どうせ遅かれ早かれ駆り出されることになる。仕方がない、依頼は請け負おう。なにかあればギルドに連絡を」
探偵はそれだけ言い残すと、早足で喫茶リヴェルをあとにした。




