第五章♪研究結果
「えっ!私死んじゃうの!?」
無意識のうちに大声をだしてしまいました。
実験室の中に居た研究員達が一斉にこちらを見ます。
覗いていたのがバレてしまったようです…。
伊藤さんが深刻そうな顔をしてこちらに近づいて来ました。
「榊原さん!?」
伊藤さんはものすごく慌てていました。
「私…死んじゃうの…?」
不安で胸が押しつぶされそうです。
「これから重大な実験結果を研究所長が発表してくださいます。榊原さんにも関係のある事なので中にお入りになって私たちと一緒にお聞きください。」
私は実験室の中に入りました。
お爺ちゃんがとても落ち込んでいる様子で喋っていました。
「オイラニホレチャケガスルーゼのジュースを全部飲まなかったのは…榊原さんだったんですね。あのジュースは全て飲みきって7日間効果が持続するのです。」
「そんな事どうだっていい!!私は死ぬの?それだけ聞きたい!」
「榊原さん。最後まで私の話を聞いてください。今からその事について説明します…。オイラニホレチャケガスルーゼは、たいてい7日間効果が持続します。しかし、個人差がありますから7日間より早くに記憶が全て戻ってしまう人も居るのです。このオイラニホレチャケガスルーゼは記憶が戻ったら効果はなくなります。効果がなくなるという事は…両重いではなくなるという事を意味しています…。つまり…」
こんな時まで話は長いです。
私はイライラしてきました。
「つまりなんですか?私はどうなってしまうの?」
私は早く自分の安否を知りたいのです。
「榊原さん、少し落ち着いて下さい。…オイラニホレチャケガスルーゼが効いている間に自分と相手が両思いではないと感じると死に至る事が実験で分かりました…。ですので榊原さんは平気だと思われます。」
私はホッとしました。
「じゃあ、私には関係ないじゃないですか。私は死なないんですから!」
「問題は…内田さんです。もし、今あなたと両思いでないと分かってしまったら…内田さんは間違いなく死んでしまうでしょう。そこでお願いがあります。」
何か…嫌な予感がしてきました。