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第四章♪バイト1日目

説明会が終わった後、伊藤さんは私が今日から泊まる部屋に案内してくれました。

「こちらが榊原さんの部屋になります。何かありましたら内線でお知らせください。あと…恋薬の効き目が持続している間は軽い記憶喪失の状態になります…恋薬を飲んだことすら忘れてしまっている状態になっていますが7日間経てば記憶は戻りますのでご安心下さいね…って明日には説明した事も全て忘れてしまっていますが。今日はゆっくりお休みください。」

ここは本当に研究所なのでしょうか…。

そこはホテル並みに綺麗でいろいろと揃っている部屋でした…ってのんきに部屋の事を考えている場合ではありません!!

伊藤さんは薬が効いてくると軽く記憶がなくなると言っていましたが本当に人体に影響はないのでしょうか…。

それよりも一番気になるのは内田と恋人同士になってしまう事です。

考えただけでぞっとします。


私は大きくてフカフカのベットに横たわりました。

いろいろあって疲れてしまったのでしょうか、すぐに眠ってしまいました。

アナタハウチダガスキニナール…トッテモスキニナール…。

はっ!!

私は目を覚ましました。

黒い服を着た人達が変な呪文を唱えながら踊っているという変な夢を見てしまい…少し気分が悪くなりました。

「おはよう。」

私は白衣を来た頭の良さそうなお爺ちゃんに挨拶をされました。

「おはようございます。」

ここは何処なんでしょう?

このお爺ちゃんは誰?

頭が混乱してきました。

「ここは何処ですか?あなたは誰?私はどうしてここに居るの?」

「ここは病院だよ。僕の名前は高田。ここのドクターをしているよ。君は階段から落ちて意識不明の重体になったのだよ。だから、ここに運ばれて君は治療を受けているんだ…頭を強く打ってしまったみたいで軽い記憶喪失になってしまったようだけど大丈夫!!じきに記憶は戻るよ。」

そういうことか…。

「君は2日間眠っていたからだいぶ回復している。7日間ぐらいで退院できると思うから、それまで病室から一歩も出ないで下さいね。」

「分かりました。ありがとうございます。」

私がお礼を言うと、そそくさと去っていきました。

去っていく足音が聞こえなくなったと思ったら今度は隣のベットから、こちらに歩いてくる音が聞こえてきました。

「こんにちは。君も記憶喪失になってしまったようだね。俺の名前は内田輝幸。よろしくね榊原さん。」

内田さんは少し神経質そうな人で苦手なタイプでした。

「こんにちは。こちらこそよろしくお願いします。何で私の名前が分かるんですか?」


「ネームプレートを見たんだよ。俺も最初は自分の名前すら思い出せなかったんだ。それにしても、この病院はおかしいよね…男女を一緒の部屋にするなんて。」

確かにおかしいです。

おかしいのは病院だけではありません…私もおかしいです。

内田さんと目が合うたびに胸がくすぐられてるような感じがします。

内田さんはニコッとして言いました。

「僕は、君に一目惚れをしてしまったようだ…。」

胸が痛いぐらいにドキドキし始めました。

…これって恋!?

私はどうやら内田さんに恋をしてしまったようです。

「内田さんの事…好きです。」

人ってまだ深く喋ってもいない異性の事を好きになれるものなのでしょうか?

しかも内田さんは私が嫌いな神経質そうなタイプなのに…何かおかしいです。

「榊原さん…。」

私が目をつぶるすきがないぐらいに突然キスしてきました。

大好きな人とファーストキスができて私はとても幸せでした。

めでたし、めでたし…。

…何か違和感があります

このまま終わらせたらいけない気がしてきました。

何か思いだせそうです。

タイムセールス…もやし…日給2万円…高田研究所…恋薬!!

記憶が全て戻りました。

私は恋薬によって内田と恋人同士になり…ファーストキスをした…。

私のファーストキスを返せ!!

利子をつけて返済してほしいぐらいです。

これは高田研究所の人達に文句を言わないと気がすみません。

「君は太陽…僕は雑草…何度踏まれても太陽の力でまたよみがえるんだ!!そして君は…」

内田が愛の言葉らしきものを一人で語っていましたが気持ち悪いので、その場に残して私は病室を出ました。

出てみると見覚えのある廊下や階段が見えます。

私は病院に居たのではなく病室のように作られた研究所の一室に居たようです。

少し歩いてみるといつもと様子が違うのに気づきました。

研究員の一人や二人歩いていてもいいはずなのに誰にも遭遇しないのです。

カッカッカッカッ…

階段を上がる音が聞こえました。

私は足跡をたてないように階段を上がりました。

すると、白衣を着た女の人が“第一実験室”に入っていくのが見えたので、私は実験室に慎重に近づきます。

運が良いことにドアが少し開いていて隙間があったのでこっそりと覗いてみました。

中には、お爺ちゃんや研究員達が集まっていました。

お爺ちゃんはとても深刻そうな顔をしています。

どうしたのでしょうか。

「今日はみんなに報告があります。」

「それはモニターの2人の事でしょうか?」

研究員が積極的に質問をしていました。

「違います。モニターの2人は、まだここが病院だと思っているし部屋に付けた隠しカメラで見たところ、両思いになっていたようなので成功と言えるでしょう…私はもっと深刻な事態を報告するためにみんなを集めました。」

一体、何が起きたのでしょうか。

「オイラニホレチャケガスルーゼの実験をさらに進めた結果…死に至るケースもある事を発見しました…。」

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