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第三章♪仕事内容

評価・感想をくださった方や応援メッセージをくれた方、ありがとうございました。今はとてもスランプ気味なのですが頑張って第三章を書き上げる事ができてホッとしています。前にご質問を頂いたのですが、私は未来にかなり似てますよ!!

プルルルル♪プルルルル♪

私は携帯電話の呼び出し音で目を覚ましました。

土曜日の朝ぐらい、ゆっくり寝させてよ!…っていつも昼過ぎまで寝ていますが…。

それに、こんなに落ち込んでる時に誰とも会話なんてしたくありません。

しかし…この電話は、あのイケメン面接官が言っていた合否の電話かもしれないのです。

あのイケメンと喋れるかもしれない!

私は電話に出る事にしました。

「もしもし。」

「もしもし。榊原さんでしょうか?伊藤です。」

伊藤さんは私の期待を大きく裏切りました。

「はい。そうですが。」

私はやる気のない返事をしました。

「おめでとうございます!榊原さんには来週の月曜日から日曜日までの7日間、高田研究所の新製品のモニターをやってもらいます。仕事内容の説明会を開きたいのですが、今日の1時は空いていますか?」

今日の1時…2時間後に来いという事ですね…。

またまた急ですが文句を言える立場ではありません。

ありがとう伊藤さん!!

ありがとう高田研究所!

このご恩は一生…いや半年ぐらいは忘れません!

「はい!平気です。」

「では、お待ちしております。」

こんにちは14万円!さようなら、もやし丼。

バイトが決まった事よりも私はもやし以外を食べれる事がとても嬉しかったのです。

私は急いで洋服に着替えたり、メイクをしたりして高田研究所に行くしたくをしました。

1時間前に家を出て、のんびりと高田研究所に向かいます。

研究所が見えてくると、門の前で

「お〜い!」

といいながら手を振っている男の人を発見する事ができました。

…やはり伊藤さんでした。

伊藤さん…今日は真夏日で最高気温は38度ですよ。

出迎えてくれるのは嬉しいですが私はあなたの体が心配です。

「急にお呼びしてしまってすいませんでした。」

「いえ。お気になさらないでください。」

「説明会会場にご案内しますね。」

説明会会場…何かカッコイイ響きです。

きっと最新設備が整った素晴らしい会場に違いない!

「こちらになります。少々お待ちください。」

そこは私がアンケートを書いた部屋でした。

変わった所は汚い字で“説明会会場”と書いてある紙が貼ってあるだけです。

中に入ってみるとアンケートの時に私の前方に居た、さえない男が座っていましたが挨拶もせずに彼から大分離れた席に座りました。

私は、あの男に本当にかかわりたくないのです。

私が座ってからすぐに白衣を着た、お爺ちゃんが2人分のジュースを持ってやってきました。

「今日は暑いですね。ジュースをどうぞ。」

とても親切なお爺ちゃんでした。

でも…お爺ちゃん、ごめんなさい。

このジュースは苦すぎて私には飲めません。

あまりの苦さに私は半分も飲まないうちにギブアップしてしまいました。

お爺ちゃんに悪いので飲みかけのジュースを机の下に隠して証拠隠滅をしました。

あのさえない男はゴクゴクと美味しそうに飲んでいます。

一体、どんな味覚をしているのでしょうか…。

いきなり白衣の集団が入ってきて横に一列に並びました。


真ん中にはあのジュースをくれたお爺ちゃんが居ます。

今から説明会が始まるようです。

「本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。私は研究所長の高田です。」

あのお爺ちゃんは研究所長だったんですね…。

全く、お偉いさんのオーラが無かったので少しびっくりしてしまいました。

「今日2人をお呼びしたのは高田研究所が開発したばかりの新製品の説明をするためです。」…もしかして私は悪徳マルチ商法にひっかかってしまったのでしょうか…。

アルバイトの説明会と称して高い品物を買わせる…前にテレビで見ました。

そんな私の心配をよそに、お爺ちゃんは新製品の説明を続けます。

「私たちは、この新製品を作るまでに約20年間費やし、ようやく完成したのであります。18年前、私はアメリカの研究所でさまざまな技術を学び…」

お爺ちゃんは話の長い人でした。

「…そして!!ついに私達は恋薬の開発プロジェクトを成功したのです。

この恋薬があれば片思いで悩む女性は減少し、日本の未来は明るくなるでしょう。

恋薬の名前も正式に決まっております。

その名も…“オイラニホレチャケガスルーゼ”であります!」

…ネーミングセンス悪すぎです…。

お爺さんだからしょうがないと思いますが…誰も反論しなかったのでしょうか?

「そこで!お二方に“オイラニホレチャケガスルーゼ”のモニターをやっていただきたいと思います。この薬は副作用がない事は実験で証明されていますのでご安心ください。」

本当でしょうか…かなり心配になってきました。

「お二方は恋薬の感想をレポートを書いていただきます。2人で恋薬を試すので1週間、榊原さんと内田さんは恋人同士という事になります。」

内田さんって一体誰なのでしょうか…。

考えたくもありませんが…もしかして…。

「俺は嫌です!あんな可愛げのない、あいさつもしないような礼儀知らずな女と恋人同士になりたくありません。」

やっぱり…あのさえない男が内田でした。

「私だって嫌です!こちらから、お断わりです。」

「もう遅いですよ。先程差し上げたジュースの中にオイラニホレチャケガスルーゼを入れておきました。言い忘れておりましたが、効き目が現れてくるのは早くて日曜日。

効き目が切れるのは約7日間から8日間の間です。

ですので今日から研究所に泊まっていただきます。

着替えなど生活用品はこちらで準備いたしております。

まだ必要な物がありましたら伊藤におっしゃってください。」

私は今まで生きていて、このお爺ちゃん以上に自分勝手な人を見たことがありません。

これから私はどうなってしまうのでしょうか。

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