プロローグ
よろしくお願いします!
明日朝9時から本編スタートです。
私の片想いは、実らない。
泣いた時も、笑った時も。
振り返れば、いつも隣にユリウスがいた。
幼い頃は、遊び疲れて同じ布団で眠ったこともある。
その温もりを、私はずっと覚えている。
いつか大きくなったら、ユリウスのお嫁さんになる。
それを疑いもしなかった。
――でも、人生は私の知らないところで進んでいく。
成績優秀だとか。
他国の姫に気に入られただとか。
新しい従者が決まるらしいとか。
噂話は、私の気持ちを置き去りにして、静かに現実を形作った。
「――どこにも行かないよね?」
最後まで、ユリウスは従者だった。
本当は、引き留めたかった。
行かないで、と言いたかった。
それから数年後。
「ユリウスが……亡くなったって」
嫁ぎ先の国で、事故にあったと言う。
それ以上のことは、何も聞けなかった。
受け入れられるはずがない。
もう、この世にいないなんて。
もっと、側にいればよかった。
もっと、気持ちを伝えればよかった。
――そうすれば、未来は変わった?
大好きだった。
ずっと、ずっと。
涙が一筋こぼれ落ち、視界が滲む。
「ユリウス……」
次に目を開けた時、
私はまだ――何も失っていなかった。




