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セイロンガー外伝2☆わたしのセイロンさん  作者: 月極典


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17/20

ギターと合体したお母さん

『ど正論ヒーロー セイロンガー』のスピンオフ作品。

真由美とセイロンガーの登下校を中心に日常を描きます。

セイロンガー本編はこちらから

ど正論ヒーロー セイロンガー

https://ncode.syosetu.com/n6961kj/


 真由美です。


 ナイン先輩=純ちゃんさんが審判の位置につき、手を挙げます。

「それでは、ヴィラン組み手……始め!」


 振り向きざま、ふっこに向かって大声で怒鳴るお母さん。

「クークックック、わたしの青い鳥ってわけぇ!? ようこそ、ここへふっふっふっふっ、山田のふっこちゃ〜ん!」

 なに? 何言ってるのお母さん。全然わからない、けどいきなり全開なのは……わかる!

 

「ひぃぃぃ!」

 怯えるふっこ。友達の家に泊まりに来ただけなのに変なことに巻き込んでごめん……。


「いいわよぉ! もっと怯えなさい! 可愛らしいお顔が恐怖に震えてプルプルしているわよぉ」

 あ、お母さん。ふっこのほっぺたを両手でプニプニしてる!

「審判! お母……ハニービー選手にふっこに手を出さないよう、言ってください!」

 ふっこを守るため、手を挙げ、思い切って審判に訴えました。


 ピッ!

「ヴィラン側、ハニービー選手、一般人の人質役に手を触れないでください!」


「おっと、ジュリー(審判審議員)からクレーム入ったわ。ごめんねぇ、ふっこちゃ〜ん……しっかぁっし!」

 猫なで声から、急に大声を出すお母さん。

 

「ふぎゃああっ!」

 耳を塞いで叫ぶふっこ。あぁ、泣いてしまった。いつも冷静なふっこの泣くところ、初めて見た……。

「えっく、えっく、えっく……」

 

「いいわよぉ、泣きなぁさぁ〜い〜♬ 喚きぃなぁさぁ〜ぁい♬」

 歌ってる。我が母親ながら、この人、完全にイカれているよ!


 その時です。体育倉庫みたいなところに引っ込んでいた女性シャドウズのトゥエルブさんが、アコースティックギターを背負って現れました。

「待て! 蜜蜂怪人ハニービー! 自分が年増だからと言って女子高生を誘拐し、何をするつもりだ!」


 ジャラジャーン、ギュイ、ジャンジャージャラ、ジャンジャーンジャラ、ギュイギュイ、テロリロテロリローン


 ジャラジャン!

「シャドウトゥルーパーズNo.012(ゼロイチニ)、ヒーロートゥエルブ参上!」

 え〜、登場カッコいい!

 

「何だぁ、てめぇは? 人を年増扱いしやがって! 知らないなら教えてやる。肉はなぁ、腐りかけが美味いんだ、女も一緒だぁ!」

 叫ぶお母さんに、チッチッチッと人差し指を振ってトゥエルブさんが言います。

「ふん、腐りかけならね。だが、とうの昔に腐っていたら、どうかしら?」


「ちょっと!」

 お母さんがズンズンとトゥエルブさんに歩み寄って行きます。

「えっ?」

 戸惑うトゥエルブさん。


「まちこちゃん、それはいくらなんでも言い過ぎじゃないかしら? 私、傷ついちゃった!」


「あ、すみません。つい!」

 トゥエルブさんが思わず気をつけして頭を下げました。


「あっ、いけない!」

「ダメ!」

「頭を上げろ!」

 そこにいるシャドウズ全員が叫びます。


「隙ありぃ!」

 お母さんが両手を合わせてトゥエルブさんの背中に叩きつけました。ドカッと嫌な音が鳴り、がくりと膝をつくトゥエルブさん。しかし、お母さんは手を緩めず、

「連続ぅ!」

 身体を回しながら右膝でトゥエルブさんの顎に蹴りを入れました……卑怯、なんて卑怯なの!?


「ふぐぬぅ!」

 弾き飛ばされ、担いだギターごとゴロゴロと転がるトゥエルブさん。


 対角線まで距離を取ったお母さんは右手を高々と挙げました。

「行くぞぉーー!」

 どこに!?

 

 全速力で走り出したお母さん、側転した後、飛び上がり、クルクルと回転します。すごい、体操選手みたい。いつも家事をしているお母さんと同一人物に見えないよ!


 着地点にはトゥエルブさんがいるはず……いない! すでに立ち上がってギターを振りかぶってる!


 バゴォッ!バィ〜〜ンインイン……


 回転しながら着地するお母さんに、振りかぶったアコースティックギターで思い切りスイングしたトゥエルブさん。倒れたお母さんになおもギターを叩きつけます!

「そりゃあ! とりゃあ!」

 ボコバイン! ボコバイン!


「いいわぁ、いいわよぉ〜トゥエルブちゃん」

 立ち上がり様に、叩きつけられたギターを頭で受けるお母さん。頭はギターを突き抜けて、トゥエルブさんが引いても抜けなくなりました。ギターはもうボロボロです。


「そこまで!」

 審判の純ちゃんさんが試合を止めてくれました。


「あら、純ちゃん。もう終わり? これからが見せ場なのに」


「申し訳ありません、奥様のギアが上がるのがわかったので止めました。これ以上はあいつの任務に支障が出ます」


 お母さんはギターから頭を出しくっつけたまま、泣きじゃくるふっこに近寄り、優しく言いました。

「ふっこちゃん、これが私たちのトレーニングよ。満足したかしら?」


 えっく、えっくと嗚咽しながら、ふっこが何度も頷きました。後で謝らなきゃ……。


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