五百旗頭邸の庭は広い
『ど正論ヒーロー セイロンガー』のスピンオフ作品。
真由美とセイロンガーの登下校を中心に日常を描きます。
セイロンガー本編はこちらから
ど正論ヒーロー セイロンガー
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真由美です!
セイロンガーさんに送ってもらった私とふっこは、明日も学校あるけどお泊まり会をします。
庭に入るとふっこが辺りを見渡して言います。
「全然わからん……」
「何が?」
「だってこの庭の中にこの前警護してくれたシャドウズが潜んでるんでしょ?」
そう、我が家は『シャドウトゥルーパーズ』というお父さんの会社のヒーローが24時間体制で警護してくれています。母屋と繋がった裏の寮に住んでいますが、何人いるのか私にもわかりません。
「うん、でも見つからないと思うよ。私たちに気づかれないように警護するのも訓練だってお父さんが言ってた。でも、呼んだら出てきてくれるよ」
ふっこは、その場でお辞儀しながら挨拶しました。
「シャドウズの皆さん、本日一泊する山田風子です! よろしくお願いします!」
すると、すぐ近くの石灯籠から男性の声がしました。
「真佐江奥様から聞いています。山田風子さん、本日はごゆっくりおくつろぎください……」
「おぉ……は、はい、ありがとうございます!」
ふっこはそろりと石灯籠に近づいて、サッと裏側を覗きました。
「うそぉん、いないんだけどぉ!」
庭の飛び石を踏みながら玄関に向かうと、母屋の左手、渡り廊下で繋がった道場から音楽が聞こえてきました。
道場は2階建て、普段、両親やシャドウズの人たちがトレーニングをしています。
「ずいぶん賑やかだねぇ」
「多分お母さんがシャドウズの人に稽古つけてるのかな? 私は道場にほとんど行かないからわかんないけど」
「見たい見たい! 見学させてくれるかな?」
「お母さんに聞いてみようか?」
庭を横切り、道場の正面玄関の扉を開けると、賑やかな音楽と共に、ダンッ! ドンッ! バンッ! と板張りの床を鳴らす、激しい音が聞こえてきました。
そして紛れもないお母さんの叫ぶ声。
「まちこちゃん、そう! そこ! 投げて! 金的! からの金的! もっと正確に蹴り上げる! 大丈夫、一個くらいなくても問題ないから!」
「……」
「……」
ふっこがドン引きしています。もう、やだお母さん。
「ふっこ、家上がろっか?」
「そだね、邪魔しちゃ悪いし……」




