プロローグ
人口1億5000万人 世界最大の人工島【アストラル】
人口が急激に増えたことによって居住区がどんどんと無くなっていき、人々は海のド真ん中に小さな島国を作った。それからは年々その島の人口は増えていきそれと共に島も拡張されていった。
そして今の【アストラル】ができた。
出来て十数年ほどしか立っていないからか国としての根本的なことがまだちゃんと機能していない。
もちろん国が見えるところで犯罪を起こせばすぐに捕まる、だがそういう猪突猛進な事をしないのが今の犯罪者どもだ。
そうここ【アストラル】は表面は世界最大の人工島、裏面では世界最大の犯罪者どもの楽園。
「ねぇ、流石にやめませんかこんな危険なこと」
「ダメよ!やっと麻薬の取引場所が分かったと言うのに放っておけるわけないでしょ!」
「でも、取引場所の建物の近くに軽トラで来るのは違うと思いませんか!!」
そう助手の俺から怒られてもニコニコして目の前の建物から人が出て来ないか何故かワクワクしていた。
「せめて軽トラじゃない車はなかったんですか、父親の地元の日本でしか見たことないですよ」
軽トラなんてこの辺で見た事がない、珍しすぎる。
「だってこの軽トラ?って奴が一番安かったんだもん」
「買ったんですか⁉」
「うん」
「借りたとかではなく?」
「うん」
俺は思った、『この人はバカすぎる』だってさ軽トラなんてこの辺ではスポーツカーよりも走ってるの珍しいぜ。そんな物を何故買ったんだ、目立ちたがり屋かよ。
「あ、人出てきましたよ」
黒いスーツを着た男が出てきた、拳銃らしきもの握って。
「あの~こっちを指差してますが大丈夫ですかこれ⁉」
横を向いて見ると、少女(26)が震えながらこちらを向いていた、ああこれヤバいやつだわ。
「バックしてバック!!!!」
「わ、わわ、分かった!」
急いでバックしようとしている俺たち2人に対して建物からぞろぞろと20人ぐらい出てきた。
「あのよくわからない車です!ずっとこっちを見てましたサツかもしれません!」
そう黒スーツ男が言い終わったとほぼ同時に建物から出て来た全員が軽トラに向かって走って来た。
「ヤバいですよ!早くバックしてください!」
やっと運転の仕方を思い出したのかものすごい勢いで後ろに進んで行って、そのまま路地裏から大通りまで軽トラを後ろ向きのまま突き進んでいった。
「逃げれた?」
「多分これ以上は走ってでは無理なので、路地裏に車置かれていなかったし大丈夫です」
「よかったぁ」
これから始まる物語はこんなのが日常的に起きているこの2人
【アイリス探偵事務所】の探偵アイリス・ロイスと助手の飛鳥渚たちの探偵物語だ。