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灰色のバックソード  作者: Hegira
第六連
68/95

序章コンフリクト

今更にして『じょしょう』を『じょそう』と間違えそうになったり、コンフリクトをコンクリートと混同しそうになったり。


……まぜるな危険!

 突然で悪いけど僕こと四手(しで)統那(とうな)は今とても困っている。

 窮しているとも言う。


「だから! なんでいちいち統那にくっついてるの!?」

「違いますよー、これは懐いているんですよ? さながら子犬のように」

「…………」


 ちなみに今僕が沈黙で隠して言わなかったのは『実は大型犬にのしかかられている気分なんだよな~』的な言葉だ。

 もっとも、その気も気力もないんだけど。


「ほら、統那も疲れた顔してるし、離れて、よっ」


 僕の幼馴染み・獅子島(ししじま)朱夏(あやか)は僕からある人物をひっぺがそうとムキになっていて、孤軍奮闘している。僕はどうしようもないなりに、事態の終息のためにこっそりと朱夏を応援している。


「どっちかというと憑かれた顔してますよ? 何に憑かれたのかは知らないですけど」


 明らかにお前に憑かれたような顔してるんだろうな――っと、さっきから僕にまとわりついているのは何をとち狂ったか、僕に惚れた(?)宣言をした番鳥(ばんちょう)優子(ゆうこ)……嘘。番鳥(つがいどり)優子だ。

 番鳥は今日会ってからずっと、僕の腕に絡み憑いたり後ろからしがみ憑いたりして……あれ? ……いや、うん、もう取り憑かれているのと一緒だ。

 勘弁してほしいが、あまりにも疲れてしまって(よし、言い間違えてない)僕個人の力ではもう振り切れないのが実状だ。

 断じてオンナノコの柔らかさとか、ほのかに匂う香りに酔ったりはしていない……していないからな!? 決して強攻策に出られなかったわけじゃないからな!?

 ……ダメだ、感嘆符から疑問符が外れない。

 実際、そのことについて番鳥にちくちくつつかれたせいで(鳥なだけに……)精神的にもダメージが発生していた。


『はっはっはーただ今バーゲン期間中~』

『自分を安売りするな!』

『という突っ込みを想定してのボケでしたが、実際はどうですか? ほらほら』

『ぐっ……』

『おりょ? 反応が薄いですね……では、こうしましょう』

『うぅぅ……(笑:楽:怒:泣:疚=0:0:3:7:10)』


 ……どんだけ後ろめたいんだよ僕。

 とにかく、おかげで大絶賛絶不調中だ。今なら猫にすら殺される自信がある。

 憑かれて疲れて弱りきっている。

 ちなみに僕の尊厳(なんていう高尚なものかどうか知らないけど)のために何をどうされたとかは触れない。

 聞きたかったらどこかにリクエストでも出してくれれば人づてに述べられるかもしれない(どっかの誰かが覚えてたら、だけど)。


「ところで私に好きと言われた統那君の気持ちは聞いていないですね。しかも一ヶ月ぐらい」

「……そんなに時間経ってたっけ?」


 はっきり明記されてはいないけど、少なくとも番鳥の言うほどではない。今は七月の夏休みだ。僕の大好きな時期。

 そのはずなんだけどな……何でだろう、今は好きになれない。


「というわけで返事をお聞かせ下さい人識君」

「お前絶対に僕のこと好きじゃないだろ……」


 また言いやがった。そのネタ引き摺りすぎだろ……。

 やばい、地の文にまで疲れが……。


「いい加減にしてくれよ……」

「おっ、それは参ったということでいいんですね?」

「ああ参った参った……」


 架空設定だけどHPがマイナス突破してる……。


「ちなみに『参った』という言葉には異性などに心奪われるという意味もあります」

「前言撤回!」


 抜かった。日本語の曖昧さが頭から抜けていた。


「……むー、そこまで拒絶されますか」

「あ、悪い、そこまで考えてなくて……」

「気遣う必要ないって統那」


 若干落ち込んだ番鳥を罪悪感でなだめる僕を戒める朱夏。


「見た目はそれなりに良いと思っていたんですけどねー……はっ!? まさか彼女がいるのですか!?」

「いや、いな――むがっ」

「私! 私が彼女!」


 突如、朱夏が奥歯の加速装置のスイッチを入れた――というのを連想させる動きで僕の口を塞ぎ、あらぬことを言いだした。


「っ……むぐっ……!」

「……本当ですかー?」


 ほらほら嘘吐くから僕の肩の上に顔を乗せている番鳥が面白そうなものを見つけた目でお前を見ているぞ、朱夏。

 それよか君の手で僕のエアウェイがジャミングを起こしてて数十秒後にはイイ感じに死ねるんですけど。


「本当本当。もう百戦錬磨の鉄壁」

「…………」

「…………」


 源氏物語とかじゃなくて戦国物語とかで語られそうな彼氏と彼女だな。

 早くもメッキがはがれ馬脚を(あら)わし暗雲が漂ってきた朱夏の無茶振り。

 そんな自滅をするなら一体何故そんな錯乱を起こしたのかと思うけど、言わない。


「……な、何? 疑ってるの?」


 ようやく取り繕うようにして僕の口から手を離してくれたよこの百戦錬磨の鉄壁さん。

 言っちゃ悪いから言わないけど、番鳥はおろか僕ですら疑っている。

 のっとおぅんりぃつがいどりばっとおぅるそぅしで。

 ……ゴホン。

 にしても、本当に何があったんだ? そういう描写が無いと展開的についていけないんだけど……。


「疑いたいのはやまやまなんだけどー、こうしようかなー」


 そして、言った。


「二人でデートしてみたら?」


 ……今回はシリアスにはならない気がする。

お母さんへ(読者の皆さんへ)


先立つ不幸をお許し下さい(先立つお詫びをお許し下さい)

この世界で私とジョンが一緒になれないと言うのなら(現実世界のテストと更新が一緒になってしまったので)

せめてあの世で結ばれます……アン(せめて後の方から追い上げます……作者)


まあ、ネタはあれなんですけど、全然覚えてないせいでまるっきり別物ですね(カッコの中が言いたいことなのに回りくどくてごめんなさい)。


とにかく、韻を踏めないどころか『英訳すればインステップ!?』とか考えてしまう作者に詩の才能は無いと見て間違いないでしょう。


また……来月?(少なくとも上旬です)

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