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灰色のバックソード  作者: Hegira
第二人
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序章インストラクション

最初から拝見なさっておられる方、お久しぶりです。

 今回の話は前の話よりも肩の力を抜いて、見てほしい。

 というのもこれは重要な事柄だけを言葉にすれば一行で完結してしまうほど中身のない、本来見向きもされないような内容の小さな緊張感のない話で、逆に言えば僕と一人の友達にだけ、重要な話だ。

 しかも何のオチもどんでん返しも無い、ハッピーエンドでもバッドエンドでもない、お話としてはひどく失格モノだからなおのこと質が悪い。

 だから今これを見ている人は、むしろ眺めるように、難しいことを考えずに、言ったことはそのままで、吟味せず、邪推せず、絵のない絵本でも読むように気軽に構えてもらって構わない。多分今回は前回以上に驚きがない(と言っては八木の奴に失礼なのだろうけれど)。

 本当に今回は舞台そのままの、ただのスクールライフの延長でしかない。

 だから本来は墓に持っていくような話なんだろうけど、しかしそれではこの後の辻褄が合わないもんだから、僕はあえてここで語るしかない。

 さて、これだけ言ったんだから、青春の一ページというやつをそろそろ語って……騙ってもいいか。

 ……そうだ、僕の話など偽物と言っておく方が大分気が楽だ。

 つまり、これが本物の青春なのか、とかは僕の視点ではわからないということだ。もう僕が普通である保証――つまり世間一般における本物であるということなのだが――は今のところ住民票と戸籍謄本ぐらいのものだろう(あと学生証とかこまごましたものは結構あるけど)。

 まあ、僕は生まれてこの方完全に周囲から外れた存在という意味での『にせもの』を見てきたことがないのだからこの事については判じようがない。

 偽を極めた奴ぐらいはいるかもしれないとは思っているけれど。

 って、ああ……早速脱線した。……やっぱり僕にシリアスは似合わないな。病気か?

 つまり、僕という存在の言うことを真実であるとか、また僕の行動が思春期や青春のそれと一致しているとか、そんな風に鵜呑みにしたらいけないと言いたかっただけで、他意はない。

 じゃあどうしろと言う人がいるかもしれないけど、別にこの話は読解に値するような高尚なものじゃないから、やっぱり、たださらっと読んでくれればいい。


 というわけで、以下、プロローグ。

 ちなみに以上は取扱説明。無駄が結構垣間見えるところとか、いかにもそんな感じだ。






****






 さて、今回のプロローグ。


 麻倉打葉。


 僕こと四手統那の、不知火筑紫に次ぐ、中学以来の友達。

 ゲームが好き。特にRPG……だったか。

 眼鏡に左右されないイケメン。

 確か僕より成績が良い。というか飛び抜けて頭が良い……いや、そうじゃない。理解が早い。

 僕と同じく集団に馴染まない質で帰宅部。


 まあ、他にも語るべきことと語れることはきっと沢山あるだろうけれど、これ以上長々と僕の友達の男のことを述べたところで大して面白くもない……よな?

 まさか男同士の友情を越えた関係になれと……?

 なんとおぞましい考え方を! 

 ……ゴホン。

 まったく、僕のテンションは弛みっぱなしだな。


 さて今後の展開を考えると、もしかしたらここで真実をさらっと言ってしまうのが正しいのかもしれない。

 間違っているかもしれないけど。

 というわけで、僕はここであえてある程度だが暴露してみる。

 勿論、現在形の僕――むしろ過去形かも知れない――は知らないことだ。


 語り部としての僕曰く、


 色採には二つの共通点が必ずと言っていいほどある。


 一つ、そいつには色採のような存在との関係がある。


 もう一つ、そいつは何らかの形で人生から脱落した。


 つまり、この時点で麻倉打葉は条件を満たしていた。


 逆に言えば、既になっていてもおかしくはなかった。


 もう一つ逆に言えば、さらに核心に触れる事になる。


 そして、


 今回の話は、一方通行の山無し落ち無しストーリー。


 筋書きだけならごまんとありそうなありふれた展開。


 エンターテイメントは乏しく、カタルシスも微妙な、


 他の誰にも何ももたらさない、僕と一人の友達の話。


 それこそ後の為の繋ぎ・用意みたいな、まるで閑話。


 ……文章が一話分に相当する所で能書きは止めよう。


 さあ、始まり始まり。


どうしようもなく学園バトルですね。

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