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同好怪!?  作者: 阿弥陀乃トンマージ
第1章

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第8話(1)突然の訪問者

                  8

「御快復おめでとうございます……」

「ああ、ありがとう……」

 部室で疾風から声をかけられた俺は礼を言う。

「ウチらのお見舞いの効果抜群だね~♪」

「ああ、そうかもな……」

 雷電の明るい言葉に俺は頷く。

「オレらに労わられるなんて、村松っちゃんは幸せモンだぜ」

「ああ、まったくな……」

 紅蓮の声に俺は首を縦に振る。

「……」

「………」

「…………」

「……………」

「カタカタカタカタ……」

 沈黙した部室で俺の叩くキーボード音だけが響く。

「あ~!」

「うわっ⁉ な、なにをするんだ!」

 紅蓮が俺の開いていたノートパソコンをいきなり閉じようとした為、俺は驚きながらも抗議の意思を示す。

「な~にをカタカタカタカタやってんだよ!」

「し、仕事だよ!」

「仕事だあ~?」

 紅蓮が首を傾げる。

「三日間休んでいた分、仕事が溜まっているんだよ……」

「あはは、村松っち、結構忙しいんだね~」

「ああ、そうだよ……」

 俺はノートパソコンから紅蓮の手を避けつつ、雷電に応える。

「しかし、それでも……」

「うん?」

 俺は視線を疾風に向ける。

「部室に顔を出してくださるとは……顧問の鑑ですね」

 疾風が自らの眼鏡をクイっとしながら呟く。

「む……ま、まあ、一応監督はしておかないとな」

「ふむ……」

 疾風が俺の方を見ながら笑みを浮かべる。

「な、なんだよ……」

「いえ、別に」

 疾風が読んでいた本に視線を戻す。雷電が俺の前に顔を突き出す。

「そういえば聞こうと思っていたんだけどさ~今回、日替わりでウチらが村松っちをお見舞いしたわけじゃん?」

「ああ……」

「ぶっちゃけ……誰のが一番……“アガった”?」

「ア、アガった?」

 俺は首を傾げる。

「テンションがさ~」

「あ、ああ、テンションか……」

「どう?」

「どうって言われても……」

 俺は腕を組んで考え込む。日替わりでのお見舞いはこういう理由だったのか。三人揃って連日押しかけたら、近所迷惑、なにより俺への負担になるから……というわけではなかったようだな。少し見直して損したかもしれん……。

「いや、そんな深く考え込んじゃう感じ? ウケる」

 雷電がいたずらっぽく笑みを浮かべる。紅蓮が机を軽く叩く。

「そんなもん、バシッと言えば良いだろうが」

「いや……」

「……組織の長たるもの、優柔不断というのは考えものです」

 疾風が眼鏡の縁を触りながら、俺に視線を向けてくる。

「いや、長っていうか……顧問だからな。ちょっと違うだろう。慎重に慎重を期すべきだ」

「『石橋を叩いて渡る』ですか……この場合、そこまでリスクマネジメントする意味は無いかと思いますが」

「思いっきりあるだろう、リスク。今時、年頃の女子に順番をつけるようなこと……どのように回答をすれば一番角が立たないかを考えねば……」

「……心の声が漏れ出ていますよ」

「ああっ⁉」

 俺は自らの口元を慌てて抑える。

「ウチだよね?」

「オレだろう⁉」

「……私かと」

「うっ……」

 三人から圧をかけられて、俺は言葉に詰まる。

「……おっほん!」

「!」

 俺たちは視線を部室の入り口に向ける。そこには、制服の上に黒いエナメルジャケットを羽織り、帽子を斜めに被った、凛々しい顔立ちの女子が立っていた。

「お取込み中のところ、失礼する」

 帽子の女子がそう言うと、二人の女子が後ろから部室に入ってきて、帽子の女子の斜め後方の右左に立った。右に立ったのは、小柄なおかっぱ頭の女子で、制服のパンツをハーフパンツに改造している。左に立ったのは、長身で褐色の女子。髪型はソフトモヒカンで、こちらは制服のジャケットの袖を破り、ノースリーブに改造している。

「え、ええっと……」

 俺は困惑する。

「大分風紀が乱れているようだな……」

 帽子の女子が呆れ気味に呟く。

「え?」

「これは早急に是正措置を取らねばならんな……」

「……制服の改造……乱れているのは、そちらでは?」

 疾風がもっともなことを言う。

「黙りな!」

「⁉」

 おかっぱ頭がどこからか取り出した鞭を振るう。器用に疾風の眼鏡だけを弾き飛ばす。

「ちょ、ちょっと! 暴力反対だし!」

 雷電がスマホを取り出して、おかっぱ頭を撮影しようとする。

「ふん!」

「熱っ⁉」

 ソフトモヒカンが力を込めると、雷電のスマホから煙が噴き出す。雷電はスマホを手から落としてしまう。

「はっはっは……おいおい、穏やか……じゃねえな!」

「……遅い」

「‼」

 笑いながら殴りかかろうとした紅蓮の喉元に帽子の女子が手刀を突き付ける。紅蓮は後ずさりを余儀なくされる。帽子の女子が淡々と告げる。

「怪しい同好“怪”の諸君……少々目障りだ、お仕置きをしなくてはな……」

「お、お前ら、なにものだ?」

「我々はせいとかいだ……」

「生徒会? 見たことがないぞ?」

「違う、生徒“怪”だ……!」

 俺の問いに対して、帽子の女子が帽子のつばをつまみながら声を上げる。

お読み頂いてありがとうございます。

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