⑥『リュウトの恋』観覧車の中での、甘い約束
咲希の顔がかああっと赤くなっていく。
触れている咲希の体温も上がっていく。
俺も、多分そんな感じだ。
だって、俺ら今、抱き合ってるし!
すると咲希が、ばっと離れて向かい側の席に座る。
そして手を膝に置き、目線は逸らしたまま、こう言った。
「なんか、ごめん。でも、わ、私………!」
俺は勇気を振り絞って次の言葉を言おうとしている咲希に、耐えきれずに言った。
「俺、咲希が
好きなんだ!!!」」
「私、リュウトが
俺と咲希の言葉が、ピッタリと重なる。
好き?
咲希が、俺を………?
数秒思考停止したあと、ぼんっと頭がバクハツしたみたいに恥ずかしく、嬉しくなった。
咲希も、そうなっている。
俺は思わずハハっと笑った。
俺と咲希、案外似てるのかもな。
「咲希、これからもずっと、一緒にいような」
俺が言うと、咲希がフンッと顔を赤くしながら言った。
「当たり前でしょ!なんたって私は………リュウトの、彼女なんだからねっ!」
最後に俺を指差す。
俺だって、そう思ってるよ。
俺が小指を差し出すと、咲希も小指を出した。
二つの小指が、絡まる。
「約束だよ」「約束だぞ」
そう言って、夜の観覧車の中、俺と咲希は笑い合いながら誓うのだった。