③『リュウトの恋』プレゼント交換
「まーまー、気にするな。先に私からね!はい!これ!」
そう言って咲希が差し出してくれたものは、ペン?
「これ、シャーペンとボールペン。黒くてかっこいいやつだから!……あげる」
少し照れているのか、いつもよりぶっきらぼうな感じの態度だ。
でも、嬉しい。
「ありがと」
俺が受け取ると、さらにもう一つカバンから取り出した。
「あとこれ、チョコ。前に、ミルクチョコが好きって、言ってたから!」
そう言ってくれた咲希のチョコは、普通の板チョコの形だけど、上のメッセージが書いてあるミルクチョコだ。
「サンキュ、咲希」
お礼を言ったが咲希は耳まで真っ赤だ。
「じゃあ次、俺ね。はいこれ」
俺はさっき買ったマフラーを差し出す。
「これ、マフラー?」
無言で頷く俺。
「わあ、かわいい……!ありがとう」
「あと、はい、俺も咲希と考えてること同じだわ。チョコレート」
俺がチョコをあげると、咲希の顔はぱあっと輝く。
「ありがとう!ホワイトチョコだあ!………あと、リュウトからのチョコ」
「うん、なんか言った?」
咲希の言葉の最後の方の声が小さくて聞こえなかったから聞くと、咲希は慌てて首をふる。
「ううん、なんでもない!それより、最後にあれ!やろう?」
咲希が指差した方向にあるものを見て、俺は力強く頷いた。
「おっけー。じゃあ、行こうか」
かたを並べて歩き出す俺と咲希。
咲希が俺の手に手を寄せてくるから、握った。
手を、繋いだ。
最後は、思いっきり楽しまなくちゃな!
今回はご覧いただきありがとうございました!これからもよろしくお願いしますっ!(お辞儀)