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第三十五話 従者が出来ました。

一応これで第四章は終わりになります。

「・・・なーんて、私がそう簡単に死ぬと思ったんですか?」

「・・・チッ!」


ヤルダバオートの胸を貫こうと、繰り出した剣はヤルダバオートの尾に弾かれてしまった。


「しかし、こちらも深手を負ってしまいましたし今回は引いて差し上げます。但し、また会う時が貴女方の命日になりますがね」


ヤルダバオートはそう言って姿を消した。どうやら俺達は見逃されたらしい。


「何とかなった、か・・・」


俺は剣を鞘に収めながらそう呟いた。


「エリシア!」

「レティシア?」


俺の名前を呼びながら、レティシアが駆け寄ってきた。


「離れていくのが速すぎるよぉっ!」

「へ?・・・ってああ、戦いながら場所を移していたのか」

「無意識だったんだ・・・。で、あの悪魔は?」


俺の言葉に呆れた後、レティシアはヤルダバオートの事を聞いてきた。


「見逃された」

「見逃されたって・・・。じゃあ、暫くは大丈夫なのかな?」


レティシアは「良かった〜」と胸を撫で下ろしていた。が、俺はその考えが間違いである事を伝えた。


「いや、別の悪魔が来るかもしれないし」

「ああ、そうだった・・・」


レティシアはその喜びがぬか喜びだった事に気付き、溜息を吐いた。


「それよりも、レティシアは今後どうしるの?」


俺がそう尋ねると、レティシアは動きを止めて呟いた。


「・・・考えてなかった」

「あ、そう・・・」


呆然となっているレティシアに俺は何も言えなかった。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





その後、屋敷に戻って父に無事済んだ事を伝えると、レティシアは数日間屋敷で保護してくれることになった。

その保護してくれてる間に、レティシアには、今後、何をしたいのかを考えて貰うことにして、俺は森の異変調査についての報告を冒険者ギルドに行い、軽めな依頼をこなしたりして過ごしていた。

そして・・・。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「それで、レティシアは何をしたいか決めたの?」


俺はティーカップを傾け、注がれていた紅茶を飲みながら対面に座るレティシアに尋ねた。


「うん、決めたよ。私は・・・」


レティシアはそう言うと、椅子から立ち上がり、俺の前に跪いた。


「アルゲート伯爵家ご息女、エリシア・フォン・アルゲート様にお仕えさせて欲しいのです」

「・・・え?」


俺は予想外の事に思わず固まった。


「え、えっと・・・。お、私に仕えたいって本当に?」

「はい、私にはもう帰る場所もありませんし、エリシア様は私の命の恩人ですから」

「・・・本当にいいんだね?」

「はい」


俺はレティシアの真剣な表情を見た。とても強い意志を瞳に込めているのがよく分かった。


「・・・うん、私は良いよ。けど、父様の許可が必要に・・・」

「あ、伯爵様からは既に「エリシアが受け入れるならそれで良い」って許可を貰ってます」

「・・・仕事が早いな」


俺はレティシアの仕事の早さに少し戦慄してしまったのだった。

レティシアがメイドになりました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] メイドは最後に素晴らしいモノですwww
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