第三話 公爵令嬢に出会いました。弐
後半です。
「・・・けど、何でかみんな、私が公爵家だと言うと驚くんだよね。何でかな?」
(その喋り方と雰囲気のせいじゃないですか?)
とは流石に言えず、俺は首を傾げるレイナに苦笑いを返した。
「そ・れ・でー・・・君は何処の家の子なのかな?」
レイナはまた、俺に名前を尋ねてきた。
「・・・私は、アルゲート伯爵家の長女、エリシア・フォン・アルゲートです」
「へ〜・・・名前もとっても可愛いね!ねっ!私と友達になろうよ!」
レイナは友達になりたそうにこちらを見ている
▶︎はい
—いいえ
・・・ってドラ○エかよ!?
俺は、自分のオタク脳に突っ込みを入れてから、レイナに向けて自分の考えを話した。
「友人になるなら他の上流階級の方となったら如何で・・・」
「ヤダ♪」
「・・・即答ですか」
「うん♪」
少し呆れながらそう言うと、レイナはとてもいい笑顔で頷いた。
「君と友達になりたいんだよ」
「・・・何故、そこまで私に拘るのでしょう」
俺が疑問を投げかけると、レイナはニッコリと笑いながら答えた。
「君が気に入ったんだよ」
「・・・気に入る要素が何処にあったのでしょうか?私達はまだ、今日初めて会ったばかりですよね?」
「え、そうだよ?」
何を今更と、レイナは俺を見た。いや、なら俺の何処が気に入ったんだよ。
「君を見たら何か、ビビビッて来てね。それで、君の事が気になって話しかけたんだよ。そしたら・・・」
そこで、言葉を切ったレイナは俺の両手を掴んだ。
「君の言葉から滲み出てる君の性格が好ましくて、とても気に入ったんだ」
「そ、そうですか・・・」
どうやらレイナは直感タイプのようだった。
そして、俺はレイナに押し負けて、友人になったのだった。
ここでも一句
恵方巻き
食べようとして
顎外れ
・・・実際の経験談です。