第二十三話 不本意なんだがその称号
今回は、余り物語に関わらないような超小話です。
俺はギルドから屋敷に帰ると、『無限収納』から取り出した首飾りを握って祈り始めた。
(スキル『神託』発動)
そして、俺の意識が引っ張り上げられていくのを感じた。
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「・・・久し振りだな」
「そうですね。前も言いましたが、いつでも来ていいのですよ?」
「いや、そうもいかないだろ」
俺は「はぁ・・・」と溜息を吐いて、もう一人の存在に視線を向けた。
「それで、シエラも久し振り。けど、一ついいか?」
「ああ、久し振りだね。それで、聞きたいことって?」
俺はシエラを見つめたまま気になっていたことを言った。
「なんでワンピースなの?」
俺の疑問を聞くと、シエラも溜息を吐いた。
「以前君に男性に間違えられただろう?だから女性に見えるように服装は変えてみようと思ってね」
「へぇー。似合ってるぞ」
俺がそう言うと、白く清純なイメージを持たせるワンピースの裾を握りながらシエラは「そ、そうかい?」と恥ずかしながら嬉しそうに言っていた。少し、どころかかなり可愛い。
その事も伝えると、シエラは顔を真っ赤にしてしまった。何故だ?
「・・・新しい称号与えておきますね」
ピロリン!称号『神を魅了する者』を取得しました。
「とても不本意なんだが?」
「いや、事実でしょう?」
「わ、私は魅了されてないぞ!」
俺とエクリシオンとの会話にシエラが混ざり、ガヤガヤとやかましく言い合いをしていると、誰かが声をかけてきた。
「よぉよぉよぉ〜。楽しそうなことしてんじゃん!俺も混ぜ・・・」
「あ、時間だ」
「・・・って、ええっ!?」
やって来た男の声が驚愕に包まれるが、俺の体は既に光に包まれて居た。
「んじゃ、また今度なー!」
「はい、エリシアさん。また会いましょう!」
「ああ、また会おう」
「いや、俺まだちゃんと話せて・・・ちょっ、待・・・」
そこで俺の意識は現実世界へと戻ったのだった。
(結局、あの男の声は一体何だったんだ?・・・まぁ、また今度神界に行った時会えるだろうし、いっか)
俺はそう楽観的に考えて、もう夕方だと言うことに気が付き、夕飯の為、慌てて食堂へと向かうのだった。
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「・・・ったく、俺も話してみたかったんだけどな」
「まぁ、タイミングが悪かったんだよ。タイミングが」
エリシアが去った後の神界では、シエラが男と話していた。
「・・・まぁ、また今度来るみてぇだし、別にそん時でもいいか」
「ああ、そうしなよ。・・・ヨーム」
シエラはそう言って男・・・酒神ヨームに酒の入った杯を渡すのだった。
酒神ヨームは一体何のようだったか・・・。
???「折〇さん、私気になります!」
???「千〇田、まぁ落ち着けって!」




