第三話 公爵令嬢に出会いました。壱
長くなりそうなので、少し分けて書きます。
神殿の中に入るとシスターに奥の方にある大きな部屋に連れていかれた。使用人兼護衛兼馭者のセバスはこの部屋とは別にある、使用人部屋で待機するらしい。
俺はさぁ、行くぞ!と、意気揚々と部屋に入るとそこには既に美形な同年代の少年少女達が居た。部屋は輝かんばかりの豪華な服や貴金属のアクセサリー、そして、美形のオーラでキラキラしていた。
・・・しかし、今では俺もこの美形集団の仲間入りだ!俺もキラキラと輝いているのだ。・・・女の子として。ま、まぁそれは置いといて、取り敢えず空いている席に座るか。・・・気にしてたら落ち込んでしまいそうだし。うん。
と、言うわけで座ってじっと待っていると、サンタのおじさん並みに立派な白い髭のお爺さんが入って来た。身に纏っている神官衣の豪華さにもしかして・・・と予想していたら、
「どうも初めまして。私はここ、ガリアード神殿の神殿長、センター・クリスです。これより貴方様方にステータスカードを渡します」
と、お爺さん・・・神殿長が穏やかに言った。しかし、センター・クリスか・・・
(ガチでサンタクロースっぽい人だったんだけど!?)
俺は内心でその偶然に驚愕していた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
俺の番はかなり後の方のようで、暇を持て余してボーッとしていると、
「ねぇねぇ、君は何処の家の子なの?」
いきなり横の座席に座っていた青銀髪碧眼の美幼女が話しかけてきたため、少し面食らった。
「え、えっと・・・貴女は?」
それだけを何とか返すと、
「あ、私?私はレイナ・フォン・メルアード。メルアード公爵家三女だよ!レイナって呼んで!」
すごい元気な娘だなぁ・・・って!
「公爵家ですか!?」
俺は驚愕して、目を見開いた。しかし、何とか声を抑えられることが出来たのは、あの厳しい淑女教育の賜物だろう。しかし・・・今だに思い出せるぞ。あの、前世の世界では幼児虐待としか言えないあの教育は・・・
「えっと・・・どうしたの?」
「あ、いえ、何でもありません」
俺が少しトリップしていると、無言になっていたのを不審に思ったのか、レイナはそう尋ねてきたので、俺は何でもないと答えた。
ここで一句
バレンタイン
男がチョコに
飢えてる日
(字余り)