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第十五話 リアーノ出立

ロウキーと別れて宿に戻ると、宿屋の女将さんがご飯を出してくれた。


「しっかし、小さい女の子が何で一人で旅してるんだい?」

「一人じゃ無いですよ。ほら」

《ワン!》


俺が食べ終わったタイミングで皿を下げに来た女将さんの疑問に俺は足元で座っていたクロを持ち上げて答えた。そしてクロも、タイミングよく一鳴きした。


「子犬がいても危ないだろう?少しばかり危機感が薄すぎやしないかね」

「心配してくださるのは嬉しいですが、大丈夫です。私こう見えても強いんです」

「・・・まぁ、此処まで無事に旅してきたようだし、強いかもしれないけどさぁ・・・。護衛ぐらい雇いなよ」


女将さんはそう残して仕事に戻った。・・・優しい人だな、女将さんは。


「・・・よし、クロ。部屋に戻って寝ようか」

《了解っスよ!》


椅子から降りてクロを抱えると、二階にある俺が今宿泊している部屋へと向かった。










◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆











チュンチュン・・・チュン。


「ん、うぅん・・・」


小鳥の囀りが耳に入り、深く沈んでいた俺の意識が上ってきた。


「ふわ・・・」

《主人殿、おはようっス》

「ん、おはよー・・・」


目を擦りながらベッドから降りた。そして、『無限収納』から取り出した桶に温かい水を入れ、顔を洗い、これまた『無限収納』から取り出したタオルで顔を拭いた。


《・・・主人殿、何で桶を収納してるっスか?》

「・・・あれ?何でだっけ?」


俺の言葉にクロはガクリとした。本当に器用な狼だな。


「まぁ、今回みたいに使い所もあったし気にしなくても良いじゃん」

《確かにそうっスけど・・・》


中の水ごと桶を収納に入れながらそう言うと、クロは諦めたかのように溜息を吐いた。解せぬ。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




「んじゃロウキー。出発するぞー」

《おう、しっかり掴まっとけや、嬢ちゃん》


宿屋で朝食とチェックアウトを済ませた俺は、村の入り口でロウキーに跨っていた。


「目指すは家族がいるアルゲート伯爵領領都、セルムレイトだ!」

《《おおっ!!》》


俺の宣伝にクロとロウキーはノリ良く返事をしてくれた。

そして、俺がしっかりと跨っているのを確認したロウキーは走り始め、少しずつ加速していくのだった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「・・・やっぱり速いな、ロウキーは」

《ははっ、そうだろうとも》


グングンと後ろへ流れていく景色を見ながら俺はしみじみと呟いた。

これ、結界張ってなかったら風圧で飛ばされてたんじゃ無いか?俺。

そう思ってしまうが、何か嫌な予感がするのでやめようと思う。うん。


ピロリン!スキル『危険察知』を取得しました。

すいません。少し体調を崩していた為、遅れました。今は大丈夫ですのでご安心下さい。

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