第十四話 Yes!ma'am!
「まさかこんな簡単に解決するとはね・・・」
《・・・内緒にするっスか?》
森からの帰り道、俺はクロと話し合っていた。
「いや、無駄に不安がらせるのも悪いし・・・」
《けど、あれで全部とは限らないっスよ?五匹も居たっスし、まだ居るかもしれないっス》
「それもそうだな・・・。よし、報告は無しで良いか!」
《そもそも信用され無さそうっス》
「・・・確かに」
俺はクロと笑い合いながら、既に夜になった森をのんびりと歩いて帰ったのだった。
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《・・・で、嬢ちゃん達は俺を置いてったのか》
《「・・・すいません」っス》
俺とクロは宿の厩舎で、ロウキーに怒られていた。勿論この場所を他の人に見られないよう、魔法で結界を使ってだが。
《まぁ、突然にロバが消えたら驚くだろうから別に良いがよ・・・一言ぐらい言って欲しかったぜ》
「・・・仰る通りで御座います。面目次第もありません。誠に申し訳御座いません」
《 I’m sorryっス》
《・・・本当に謝る気あるのか?》
「《ギクッ》」
俺達の様子を見たロウキーは器用に前足の蹄で自身の頰を掻いた。・・・只者のロバじゃねぇな・・・。
《・・・まぁ、俺もそこまで怒ってる訳でもねぇし、もう良いが・・・次からは気を付けろよ?》
「Yes!ma'am!」
《俺はメスじゃねぇわ!》
最後にロウキーと軽く戯れてから、俺は宿の方に戻って晩御飯にする事にしたのだった。




